表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年記  作者: 牧瀬
1/2

プロローグⅠ

初めまして。牧瀬と申します。

今回が初投稿です。ふとした思い付きで書きはじめたものなので今後どのようになっていくかはわかりませんが、ゆっくりと見守っていただけるとありがたいです。

冬の寒空の下、白川圭(しらかわけい)はバイト先の定食屋から自宅への帰路についていた。

時刻は午後10時30分。15時からその日のラストの22時までシフトが入っていたので、締めの作業をしていたらこの時間になった。今日は火曜日だったので休日に比べれば混み様は普通で、むしろ少なかったのかもしれない。

その帰路の途中、自宅からバイト先まで自転車で15分ほどかかる道のちょうど中間あたりにある、いつも世話になっているコンビニに立ち寄った。いつも買っているスナック菓子を数個と大きめのパックのお茶、あと牛乳が切れていたので牛乳も買っておこうか。

ここまでは大体いつも通り。圭の生活はそこまで豊かなわけではなく、お金を貯める理由もあるので、基本的に無駄な出費はしないようにしていたが、その日は圭にとって特別な日だったのでスイーツコーナーにも立ち寄りシュークリームとエクレアを2つずつかごに入れて清算を済ませた。

「白川くん、いつも利用してくれてありがとうね。」

店長である佐々木さんから利用するたびにかけられる一言だ。

「こちらこそ、いつもお世話になってます。」

圭は笑顔で答えた。 今のバイト先を紹介してくれたのは佐々木さんで、そのバイトを始める前はこのコンビニでバイトをしていたこともあり、コンビニに用事があるときはできる限りここを利用するようにしている。

いつものあいさつを終え、会計も済んだのでコンビニを出てまた自転車に乗り自宅へと向かう。

今日の出費はいつもコンビニによる時より600円ほど高い。気にするほどではないが、今月はいつもより節約しよう、そう考えながら自転車を漕いでいたら自宅についた。

築30年ほどのワンルームバストイレ別、光熱費水道代込々で家賃6万円のアパートの105号室。

そこまで都会ではないので家賃も田舎仕様。とはいえ年季を感じさせる風貌をしているのも確かだ。

駐輪場に自転車を置き、短い廊下を歩き、自室の扉の鍵を開ける。

「ただいまー。」

圭は一人暮らしであるため誰の声も返ってこない。そんなことは当然知っているので靴を脱ぎ部屋に向かう。さっき買ったスイーツは早めに冷蔵庫に入れないと、そんなことを考えながらキッチンのそばの扉を開けて部屋に入ろうとしたとき、

「誕生日おめでとう!!!」

いきなりであった心地よいクラッカーの音とともにかけられたその言葉に圭は少し驚いた。

目の前にいるのは水上栞。このアパートに圭が入る前から住んでおり、部屋番号は104号室。圭の隣人さんに当たる。年齢は19才で大学2年生、圭の3つ上..ではなく今日で2つ上になった。

栞は年下の圭を気にかけてか、時々バイトから帰ってきた圭に夕飯を作るべく家に来ることもある。そんなこともあり圭は栞に合鍵を渡していたので部屋にいることはまあ不思議なことではなかったが、自分の誕生日を祝福してくれるためにいたということには驚いた。

「反応薄いな~。年上のお姉さんが君の誕生日を祝うためにずっと待ってたんだよ??」

そんなことをふざけた調子で圭に問いかける。

「いや、いきなりだから驚いただけですよ、ありがとうございます。」

そういって冷蔵庫に入れる予定だったスイーツの袋を取り出した。

「どうせだったら一緒に食べてもらえませんか?一人だと多分寂しいので。」

恥ずかしがりながらそんな言葉をつぶやく。

「いいよ、食べよっか。」

栞は満面の笑顔でそう返した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ