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明るい地下と暗い地上  作者: シゲさん
序章 旅立ち
6/20

3話 傭兵のお仕事 <後編>

3話後編です。

とある避難地区はその日、一日も待たずして、火の海となった。

連絡を受けた第9地区の救助部隊が駆けつけたときにはもうすでに手遅れの状態であるのは明らか。


それでもハクは助けを求める人を必死に探す。


そんな中、聞こえた一つの泣き声。


ハクにとってそれは希望の光でもあった。

この光を救うことが、自分がこの場にいる唯一の理由であるとも思った。


その光に手を伸ばし、その手に掴む。

囚われた使命感を手の内の光が満たしていく。


しかし、


突然光は消え、闇へと変わっていく。

手から広がっていく闇の奥から声が聞こえた。



「何で…約束破ったの?」



「ねぇ、お兄ちゃん?なんで?」


____________________



「はっ!?…ハァハァ……ハァ、この夢久しぶりに見たな…」


悪夢に襲われて、バッと体を起こすとそこには知らない部屋の光景が広がっていた。

特に特徴もない一人暮らし用の部屋と見受けられる。

息を整えた後、改めて自分の姿をみると、荷物として送っておいた寝間着に着替えられていた。


しかし、その寝間着も大量の汗を吸収しているのがわかると、先程の悪夢を思い出す。


そこに…


『あ、起きた〜?おっはー!昨日のこと覚えてる〜?」

「…あぁ、おはようベル、…確か……俺は…」


ベルの一言で悪夢の余韻から帰ってきたハクは、昨日自分の身に何が起きたのかを思い出す。


すると、自分の記憶が、ベルとのシンクロを第三段階まで引き上げて終の型を撃ち放とうとしたところで終わっていた。


『そう、その後力を使い過ぎて倒れたんだよ?』

「そうか…俺は……!?……第三段階?…ヤマタノオロチ?……あぁ、師匠に殺される………」

『ちょっとやり過ぎちゃったねぇ〜。お、きたきた!」


ず〜んという音が聞こえてきそうなほどハクが落ち込んでいると、ベルがこの部屋に来る気配を探知して、扉から誰が来るか注目する。


  ぴーんぽーん


すると、チャイムの音が聞こえたが、返事を待たずに入室してきたのはマルスとミクだった。


「契約者というのはみんな独り言が多くなるのかしら?」

「う、最近気にしてるから言わんでくれ」

「おはようハっ君、体は平気かい?」

「おう、バッチリだ!」


体には異状がないことをアピールするかのように、親指を突き立ててグッドポーズをとる。


  グゥ〜〜


「駄目だ、前言撤回。全っ然平気じゃない。よく考えたら俺、昨日の晩飯食べてない。ってミクさん!?その手に持ってるのはまさか!?」


ミクがその手に持っているのはお盆であり、その上にはサンドウィッチとベーコンエッグと牛乳が乗っている。


「えぇ、もちろん朝食よ。本当は2階の食堂でしか食べられないのだけれど特別に持ってきたわ。でもその様子だと足りなそうね、他に何か持ってくるわ。何か食べたいものある?」

「デザートくれ。糖分が足りない」


「わたしもーーーーー!!」

「!?おい!勝手に!」


頭の中から響くはずの声が耳から伝わったのを感じて、一気に目が覚める。


「大丈夫、だいたいのことはベルから聞いたわ」

「そっか……」

「ミクー!一緒にデザート買いに行こー!」

「はいはい」


ハクはいつの間にベルとミクがこんなに仲良くなったのか疑問に思うが、その疑問は解決されないまま二人は部屋を退室していく。


「あいつは病み上がりの俺の魔力を枯らすつもりなのかね」

「あんな自由な守護霊を見るのは初めてだよ」


残った契約者二人が守護霊のことで話し合う。


「あの子のことを聞いても?」

「あぁ、構わないがどこまで聞いたんだ?勝手に出てきてるということは堕天使だということは聞いたのか?」

「うん。本人から聞いたよ」

「実は俺もそれ以上は知らないんだ。十年一緒にいるけどあいつのことはほとんど知らない」

「そうなんだ…訳アリみたいだね」

「訳だらけだな。それよりもマー君はいつ契約したんだ?」


本当に何も知らないことを何故かすんなり信じてもらえて拍子抜けしたところで、マルスの守護霊について話題を変える。


「バロルとは丁度1年前くらいのときかな…この仕事をし始めてから少し過ぎたあたりだね。寝てるときに突然、周りが白色しかない世界に立たされたかと思えば、後ろから大きな獅子が歩み寄ってくるからびっくりしたよ。起きてもまだ、夢だったんじゃないかと何度も疑ったしね」


「俺もその気持ちはわかるぞ。いきなり頭の中で『やっほー!ベルちゃんだよー!』とか言いながら、目の前に幽霊のように現れたからな。幼少期の俺はチビリそうだった」


お互い契約者同士の苦労話に花を咲かせていたら、再び呼びチャイムが鳴り響いた。


       ぴーんぽーん


あの二人が帰ってくるには少々速すぎると思っていると…


「わしじゃ、入るぞ?」

「はい、どうぞ」

「何でお前が返事するんだよ、俺の部屋だろ?ここ」


一応返事をもらったアカリは鍵が開けっ放しだった扉を開けて、部屋の中へと入っていき、ハクが寝ていたベッドまで近づく。

ハクはというと、掛け布団をどかし、ベットに腰掛ける。


「昨日は色々とすまんかったの、体は平気か?」

「体の方はもう大丈夫です。心配いりません」

「そうか、それは良かった」


ベッドの上で力こぶを作ってピンピンしていることをアピールするハクに向けて笑顔でそう答える。


「それよりも、昨日の戦闘で聞きたいことできたのですが」

「うむ、迷惑をかけたからの。口外しないことを約束してくれれば質問に答えよう」

「わかりました」


すると、いつの間にかマルスがリビングから持ってきた椅子をアカリに差し出して、そのまま座る。


「すまないの。それで?何が聞きたいのじゃ?」

「はい、ずっと気になっていたのですが、その耳と尻尾は何ですか?戦闘中に9本に増えたりしましたけど」

「これか?おぬしは獣人を見るのは、はじめてか?」

「はい、地下では見たことないですね」


狐の耳をペコペコ動かしてアピールする。


「獣人というのは、ある動物と人間の遺伝子を使って作られた者の子孫たちのことを言うのじゃ。そして、より獣へと近づくことを獣化という。わしの尻尾が9本に増えたのは獣化の副作用じゃ」

「なるほど。どうしてそんなことになったか聞いても?」

「それは僕が説明するよ」


憧れの上司に、辛い過去を思い出させないためにも、マルスは説明役を買って出る。


「僕もそんなに詳しい歴史は知らないけど、始まりは人間の欲望からだった。

魔素が地上に充満してから、適合者が現れる間の期間、誰よりも早く地上で活躍できる人間を作り出し、地上の領土を我が物にしようという計画が始まったんだ。

適合できなかった動物や人間は魔物となり、魔人と化した。

その中でも何故か魔物にならずに生命活動を維持する様々な動物が発見されてね。

その生物に着目した研究者たちは、色々な個体で人間のDNAに組み込む実験を開始したんだ。

それが獣人化計画。しかしながら実験は難航し、実験が成功する頃にはもう適合者がチラホラ出現しはじめた。

その結果、兵士として洗脳するはずだった獣人は不要となり、すべての成功体を処分することになった。

それを命懸けで逃げて地上で暮らすようになった獣人が団長の先祖とういわけだね」


「ふむふむ、わかりました。ありがとうございます」

「……それだけか?」


アカリが、あまりにもあっけらかんとしているハクの反応を見て顔を曇らせる。


「お互い隠し事はありそうですし、もう十分です。そちらこそいいんですか?僕に聞きたいことあるんでしょう?」

「いや、昨晩ヘクトルにいろいろ聞かせてもらったからの。と言っても奴はほとんど口を割らなかったがの。まぁだいたいの事情は把握させてもらった」

「そうですか…、師匠はなんて言ってました?」

「お主が過剰に実力を出してしまったことに関しては、ワシの責任として納得してもらったから安心せい」


それを聞いて、まるで命拾いしたかのような安堵の顔を見せる。


「良かった〜、これで殺されなくて済みそうです!」

「なんじゃお主、気になったのはそれだけか?」

「?はい?そうですけど?」

「まったく…、お主は本当に自分のことに興味無いようじゃの」

「俺自身、俺のことを知らな過ぎるんで、もうそれで悩むのはだいぶ前にやめたんです」

「・・そうか」


本当にそう思っているのかアカリは疑いの目をハクに向ける。

ハクが自分のことを他人に知られていようと、大した問題にならないことは自分自身についての知識が物語っているのだ。

ため息をついたアカリはハクに向き直り、本題に入る。


「ワシがここに来たのは、お主の様子を見に来る他にも、もう一つ伝えることがあって来たのじゃ」

「ランクですか?」

「察しが良いの、その通りじゃ。お主のランクは今日からランク5とさせて貰う。戦闘能力で言えば8にいてもおかしくないのじゃが、ランク6以上となると、対象の魔物を討伐するのに必須な知識や魔法の習得が必要となってくる。よって、筆記試験の必要の無い最高ランク5を授ける」

「わかりました。今後ランクが上がるように精進します」

「うむ。それでは後の説明はマルスに任せる。ではワシはこれで失礼するとしようかの。今日は久しぶりの任務が入ってるのでな」

「例のあれですか。お気をつけて」


アカリが残りの説明をマルスへと託すと、ハクの部屋を退出した。

すると、アカリが出て行ったのとほぼ同時にベルとミクが帰ってきた。


「たっだいまー!」

「団長来てたのね。ランクの話?」

「うん。でもすぐ終わったよ。ランクは5だってさ」

「そうランク5ね。はいこれ、たんまり買ってきたわよ。………って5!?噓でしょ!?」

「ミクはノリツッコミもいけるくちなのか」

「そうじゃなくて!いきなり5ですって!?前代未聞だわ!!」

「まぁまぁ落ち着いて。昨日のハッ君の実力見たでしょ?」

「う、そうだけど…」


普通は、入団する際にテストが行われ、合格者のみランク1が与えられるため、団員は日々ランクを上げるために1から頑張ってきたのだ。それはミクやマルスも例外ではなく、何年もの努力の積み重ねでここまで来た。

とは言っても、この二人も異常なペースでランクを上げたのだが…


いきなりランク5が認められたのはヘクトルの推薦があるからこそである。アルバステラにおいて最高峰の実力を備えている彼の推薦を特別扱いしないわけにはいかない。


一方、ハクはというと、ミクのツッコミ技術に賞賛を送りつつ、ベッドから体を起こしてテーブルへと向かう。

二人が買ってきた様々なスイーツがテーブルの上に置かれており、ビックリすることにベルがすでに椅子に座ってプリンアラモードをとても美味しそうにほお張っている。


「おいベル、何故俺の差し入れを俺より先に食べている」

「これは私が自分のために買ったものだもーん」

「いやいやそういう問題じゃ・・んやもういいや」


長年の付き合いでその辺の争いはとっくに終戦を迎えているので、ため息をつきながら椅子に座る。

それにつられてマルスも、ベッドの横に置いていた椅子をテーブルに戻して座るが、ミクは座ろうとしなかった。


「では、後のことは任せるわよマルス」

「了解。あ、昨日まとめてくれた資料、僕の机の上に置いといて。後で目を通すから。」

「わかったわ。あとここに、この部屋のカードキー置いておくわね」


その一言で、何故二人が勝手にこの部屋に入ってこれたのかという疑問が解決された。


一応、受付とマルスのサポートと学生の身分を持つ彼女は暇なわけがなく、朝の受付の業務へと戻っていく。

玄関へと歩いていくミクの後ろ姿から視線を横に戻すと、すでにデザートを完食しているベルがいた。


「お前食うの早すぎんだろ」

「ハクはわかってないね。女子のデザートは別腹なのさ」

「胃袋がないやつが言うと比喩でも何でもなくなるな」


どや顔で解説するベルに対してツッコミを入れると、ベルの頭上に黒いゲートが出現する。


「んじゃアタシは帰るから、またねーマー君!」

「はい、また今度」


ベルがゲートを通って見えなくなると、ハクは目の前にある朝食に手を付け始める。

ちなみに、守護霊が実体化を解くのを契約者側から見ると、ゲートを境に体が徐々に半透明になっていく姿が見えている状況なので、かなりシュールだったりする。


モグモグ・・ごくん「んで、残りの話ってのは今日の業務か?」

「そうだね。今日はこれから僕と一緒にアトランティアのパトロールに行ってもらう」

「あー昨日言ってたやつね。何するんだ?」モグモグ・・

「大したことないよ。街中で犯罪が行われていないか見回るだけだからね。今日はパトロールがてらこの街の道や地形を覚えてもらおうかと思ってね」

モグモグ・・ごくん・・ごくごく・・ぷはぁ

「それはありがたいね。観光案内頼むよ」

「そして、夕方になったら魔法学の補修をしようと思ってる。中等部の基礎内容からきっちりとやっていくから覚悟するように」

「マー君は昔から教え方が上手いから助かるわ」


余程お腹が空いていたのか、マルスが話しているにもかかわらず、黙々と朝食を食べ続ける。


「それじゃあ40分後に1階ロビーに集合で。クローゼットに団員用の服と、パトロール用の腕章を用意しておいたから忘れずにね」

「りょーかい」


すると、マルスは席を立ち、自分の業務へと戻っていった。


___________________


「ふぅ・・・いやぁ、糖分は正義だね」


大量のデザートが入っているそのお腹をポンポンしながら満足げな顔を見せる。

そして、悪夢のせいで大量の汗をかいてしまったことを思い出して、シャワーを浴びることを思いつく。




 ………………





「えーと、確かクローゼットに・・あったあった」


全裸に腰にタオルを巻いた状態でクローゼットの扉を開けると。そこには、黒と赤を基調としたお馴染みの団員の制服一式と、もう一つ、黒色を基調に黄色のストライプが入った学園の制服らしきものが一式入っていた。

今はまだ必要ないので、団員の制服に着替え始める。


『あら、似合ってるじゃん』

「そりゃどーも」


相棒からお墨付きをもらったところで、鏡で自分の姿をチラッと見てからあることに気づく。


「あ、そーだった」


つけ忘れていたパトロール用の腕章をつける。

そして、貴重品だけポケットにしまい一階のロビーへと向かうべく玄関を後にする。




一階ロビーに到着したハクはマルスの姿を探し始めるが、相棒のおかげで瞬時に見つけることができた。


『あっちあっちー!』


半透明のベルが頭上で浮きながら、受付の方を指指す。

するとそこには、背中に刺繍された獅子の紋章が目立つ後ろ姿があった。

その背中がマルスのものであると確信したハクは、その受付へと足を運ぶ。


「その後ろ姿は分かりやすくて助かる」

「その気持ちすごくわかるわ」

「やめてくれよ、僕は目立つのが嫌いなんだ」


そこには、マルスの他にもミクがおり、二人で何か話していたようだ。


「じゃあ私の方から任務の受け方について説明するわね」

「よろしく」

「傭兵団での依頼を受けるには2つ方法があるわ。

一つ目はこうして、本部または支部の受付にて受注をする方法。

二つ目は、団員証に搭載されている依頼掲示板アプリを使って受注する方法よ。自分の身の丈に合った依頼が判別できない最初のうちは受付で受注するのを勧めるわ。死が付きまとう依頼も少なくないから」

「まぁハッ君なら心配いらないだろうけど用心するに越したことはないね」


「それじゃあ今日はパトロールということなので、受注しておいたわ。マルスと相談して、お昼休憩一時間を抜いて、5時間のパトロールにさせてもらったわ。今から5時間後より報告が30分遅れた場合、何かに巻き込まれたと判断して救助隊を送る一大事となってしまうので気を付けてね。あと、ランク4以下の団員は二人以上の受注が義務付けられているけどもうハクには関係ないわね。ちなみに腕章にはGPSが組み込まれているので承知しておいて」

「ほーい」

「じゃあ行こっか。ありがとねミク」

「これが仕事ですもの」

「アハハ、違いない」


ある程度の仕事内容や注意事項を聞いたところで、後の細かい話はマルスから聞くことにして、早速パトロールに行くことにする。


マルスとハクが並んで歩くと、周囲の団員たちがざわつき始める。


「やっぱりお前は有名人なのか」

「団長と一緒にいることが多いからね。良くも悪くも目立ってることは否めないよ」

「まさか、街中でもこんな状態なんて言うんじゃないだろうな?」

「アハハ・・・だ、大丈夫だよ。このフードをかぶれば」


ハクとマルスが着ているタイプの制服にはフードが付いており、認識阻害魔法が組み込まれている。


「それで顔が隠せても背中が目立つんじゃないか?」

「もちろん、フードをかぶれば背中の刺繍も隠れるよ」


そう言うとマルスは背中についているフードをかぶって見せる。


「うわ、ほんとだ。誰だかわかんね」

「まぁベルにはバレバレだろうけどね。ハクもつけてみる?」

「あぁ」


ハクもマルスの真似をするようにフードをかぶると、確かに先ほどから受けてきた変な視線が減った気がする。


(ベルにはやっぱり効果ないのか?)

『もっちろん!アタシを誰だと思ってるの?』


二人がフードをかぶってから外へと出ると、早速街中を歩き始める。


ハクは港からここまでタクシーできたので、じっくりと街の中を見て回っていない。

改めて景観を見ると地下の避難地区よりも更に近代的なデザインの建物が建ち並んでいることを認識する。

ブリューナク本部が何故オフィス街のど真ん中にあるのかというと、各拠点が様々な依頼や許可証の発行などをしやすいようにと考慮した結果である。警備や護衛の依頼の他にも、人が多く集まるイベントを行う際にも傭兵団の許可が必要だったりする。



「今日はこのオフィス街を抜けてとある居住区まで足を伸ばそうか。あの街の雰囲気が大好きなんだ」

「お、そりゃ楽しみだね」


ここに来てから、なかなか見せなかったマルスのわくわくしているような顔を見て、ハクまでも楽しみになってくる。




街を歩き始めてから30分ほど経つと、背の高い建物は見えなくなり、オフィス街から外れたことを感じさせる。

この島はそれ程大きいわけではないことに加えて、島の北側には魔物が生息する森林も広がっているので、実際に人が活動しているのは南側だけなのだ。

よって、少し歩いただけで周りの景色がガラッと変わることはこの島にとって珍しくない。


「なるほどな、マー君がこの地区を気に入ってる理由がわかったよ」

「でしょ?行きつけの喫茶店があるんだ。昼時になったら案内するよ」


眼鏡の奥にある瞳は凄くキラキラしていた。

久しぶりに会った友人に、自分の手で守ってきた街を見てもらえることが余程嬉しいのだろうか。

すると、ベルから奇妙な報告を受ける。


『ねぇねぇ、あっちの方に団長さんと似た魔力を感じる』

(それは確かに変だな…団長の親族か?)

『そういう訳でもないんだよねぇ~、たぶん獣人さんだと思う!…それに、その人を囲むように複数の魔力も感じる!』

(…なに?)


奇妙に思ったハクはマー君へと相談する。


「なぁ、この街には獣人は珍しいのか?」

「…いや、獣人の管理はブリューナクの管轄外だけど、少なくともそう簡単に会えることはないね。団長含め、数人にしか会ったことないし…。どうしてそんなことを?」

「ベルが団長に似た魔力を見つけたって言うんでな。それも複数の魔力に囲まれてるときた」

「まさか!?」

「ちょっと先に見てくる!二の型、翼龍よくりゅう!」


すると、ハクの背中にガラスのような半透明の物質でできたドラゴンの羽が生え、物凄いスピードで飛び立ってしまった。


「ちょっ!あのバカ!ハッ君は昔から…あーもう!」


珍しく悪態をつくマルスは急いでハクの後を追うのだった…


今までどおり、読みづらかった部分や、率直な意見、アドバイス等頂けたら幸いです。

少しでも気になって頂けたらブックマーク登録よろしくお願い致します。

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