7話 学園生活のはじまり <後編>
更新遅れました…すいません。
ハクとカジの模擬戦が終わって、観衆たちがぞろぞろと退室していく中、ハクの見知った何人かはその場に留まっていた。
しかし、終了と同時に一人の女子生徒が物凄い勢いでハクの元へと駆け寄ってきた。
「ハク!肩怪我してるでしょ!?ちょっと見せて!」
「ユ、ユミ…そんな慌てなくてもこの服のおかげで止血はできてるし、痛みも軽減されてるんだから――」
「何呑気なこと言ってんの!?その効果も一時的なものなんだよ!?速く手当しないと傷跡残っちゃうし!ほら!早く脱いで!」
「わ、わかったからそんなに焦るなよ」
服の上からぺたぺたと体を触られたうえに、上半身の服を脱がされているハクの横で、カジは武器を石に戻して何かを考えている様子でいた。
「あなたに怪我はないみたいね」
「あ、ロザリンド先生」
カジに近付いてきたのは、担任教師のエリスだ。
「いいんですか?怪我人のハクの方に行かなくて」
「えぇ、あの子は非常に優秀な治癒魔法師よ。任せても問題ないわ」
「まじすか!?同じクラスになったことないから知らなかった」
ユミールが、学力に関しては大変優秀なことは生徒の間で有名な話だが、治癒魔法を披露する機会が少ないため、得意なことを知らない人も少ない。
「それより、何で俺らの模擬戦を見てたんですか?」
「アガトス先生にこのことを教えたら興味津々と聞いてきたのでな。どうせなら二人で見に行こうとなったのだ」
「へぇー」
カジとエリスが話し合っている一方で、ユミールは上半身を脱いだハクを見て愕然としていた。
「あ、あのーユミールさーん、恥ずかしいから早くしてもらっていいですかね?」
「あ、あー…うん!ち、治療しなきゃね!」
ユミールが愕然とした理由はハクの体にあった。
「傷跡を気にしてくれたのにすまんな、この有様で」
「い、いや、私の方こそ…その…」
「気にすんな。みんな同じ反応するから」
両手をハクの肩にかざして、魔法陣を展開させて治療をしているのだが、やはりハクの胸に刻まれている大きな傷跡が気になって仕方ないのだろう。背中にも小さな傷跡がいくつかあるのだが、特に胸の傷跡は、過去に大怪我をしたことを物語っていた。
ハクは治療を続けるユミールに話しかける。
「治癒魔法なんてできたのか、凄いな」
「私にはこれしか取り柄がないから…昨年に資格も取ったの。B級なんだけどね」
「へぇ~学生でB級なんて聞いたことない」
治癒魔法師というのは、国際資格の一つであり、治癒魔法を使って患者から治療費を受け取ることができる資格である。高位な順に、SABC級の4段階に分けられており、治療できる症状が変わってくる。もちろんユミールは治療費を稼ごうという理由で治癒魔法師の資格を取ったわけではなく、純粋に誰かの役に立ちたいという想いからである。
「ふぅ〜、これでよし!」
「お、サンキュ」
ハクの治療が終わった頃、模擬戦を観戦していたメンバーが続々とハクたちの元へと歩み寄ってきた。
「ユミ、あなた今の状況がわかってる?」
そう言いながら近付いてきたのはミクである。
「ふぇ?」
一瞬何を聞かれてるのかわらかず、変な返事をしてしまったが、その言葉を聞いて、今の自分がどんな状況なのか考える。
今までハクの怪我を治すことした頭になかったユミールだが、治療を終えた今、目の前にいる上半身をさらけ出したハクを見ると、みるみる顔に熱が帯びていくのを感じる。
「あ……え……あ………その………」 ボンッ!
顔が真っ赤になったかと思いきや、頭がオーバーヒートを起こして足元をふらつかせる。
それをミクが支えるが、ユミールの目はグルグルと回ったままだ。
「知ってると思うけど、この子は一人っ子で男の人の裸なんて見慣れてないのよ」
「あはは…」
ユミールをミクに任せて、ハクは服を着はじめる。
「…んしょ……そういうミクは耐性があるみたいだな」
「えぇ、ブリューナクの訓練場には、上を脱いで訓練してる人なんて珍しくないもの。それに…」
「?」
ミクはどこか切なそうな表情で、背中に手を当てて支えているユミールの顔を見ながら続ける。
「この子違って私には父も弟もいるもの」
「……弟なんていたんだな」
ハクは弟の部分にだけ触れて返事をした。
「えぇ、今日からここの中等部の1年生よ」
「へぇ~、なんかお姉さんだと思うと凄くしっくりくるな」
「それは褒めてるのかしら?」
「も、もちろん」
ハクは治療をしてくれたユミールをミクに任せて、先程の観衆の内の一人である軍服の男に話しかける。
「それで、何でこんなところにいるんですか?レンさん」
「私の娘の担任に挨拶をしておこうと思ったんだ。入学式が終わった後、来賓の方々との挨拶も終えて職員室に向かうと、ちょうど席を立つエリス先生を見かけてね。これからハク君の模擬戦を見に行くけどどうか、と誘われたんだ」
「え、父ちゃんとハクっちは知り合いなの?」
「あぁ…ブリューナク本部で会ったんだ」
「ふーん」
そう、ハクがレイリンを見て何か見覚えを感じたのは、特徴的な青髪と猫のような目がレンとソックリだったからだ。
レンがまだこの学園にいた本当の理由は、避難民生活局局長の立場として、ハクとマルスの担任と、何かあったときのための連絡先交換や対処の仕方など、様々な打ち合わせをするために残っていたのだが、もちろんそれを話すわけにはいかなかった。
話してしまえばハクとマルスが避難民であることをバラしてしまうからである。ハクとの出会いを誤魔化したのも同様である。
「リンを見たときに、どこか見覚えあるなと思ったんですよ。とても似てますね」
「髪色と目は私に似ているとよく言われるね。それ以外は全部母さん譲りなんだけどね。それよりレイと既に仲良くなっていたとは、驚いたよ」
「ユミとミクと仲が良いみたいで、それで」
「なるほどね」
レイリンはいつの間にか父親の側を離れて、未だに目を回してぐったりしているユミを抱きしめていた。トドメの一撃と言わんばかりに圧迫しようしているレイリンを、ミクがなんとか止めている状況になっていた。
ハクとレンはその光景を見て苦笑いをすると、再び会話を続ける。
「それにしても、着々と実力を上げているみたいだね」
「えぇ、おかげ様で」
「君の師匠も鼻が高いだろう」
「あの人のことだからどうでしょうね」
「…確かにそういう人だったな。では私はそろそろ失礼するとしよう。これからの活躍に期待しておくよ」
「その期待に応えられるように頑張ります」
レンはハクに別れを告げると、娘のレイリンにも一声かけて、訓練場を後にする。
「ハクー!」
「おう、わりーな。先に治療受けちまって」
「いんや、こっちはかすり傷みたいなもんだ!こっちこそ模擬戦だってことすっかり忘れちまって、思いっ切りブッ刺しちまった!まじメンゴ!」
「絶対悪気無いよなお前」
本人の言う通りちょっとしたかすり傷しか見受けられないカジが、教師のエリスと共にハクたちに歩み寄ってきた。
「それで、どうする?お互い聞きたいこと山ほどあるだろ」
「そうだな!んー…じゃあ今晩ハクの部屋で!」
「ん、わかった。じゃあ…って何で俺の部屋なんだよ!」
明らかにカジが自分の部屋に招待する流れだったので、ハクは思わず普通に返事をしてしまった。
「俺の部屋きったねぇし…」
「…まぁいいけどな。何時頃来るんだ?」
「そうだなー18時でどうだ?」
そう言われて訓練場の時計を確認すると、現在16時を示しており、部屋に客を招く準備をするのに十分な時間があるだろうと判断した。そもそもハクの部屋は整理整頓されているのだが。
「わかった。じゃあその時間に来てくれ。部屋は301だ」
『ちょっとちょっとー!アタシ出れないじゃーん!今日観たい番組があるの!お願い!』
(今日は録画で我慢して…ん?いや待てよ?ミクに任せれば)
『お!ナイスアイ――』
「私も行っていいかしら」
『ミクのバカーーーー!』
半透明のベルが泣きながら消えてしまったが、引き止める理由もないのでそのまま会話を続けることにする。
「あぁ構わないよ」
「あら、では遠慮なく」
カジだけでなく、ミクの参加も決まったのだが、当のミクはというと、いつの間にか復活していたユミールの腕をヒジでツンツンしていた。
「あ、あの!」
「おう、復活してたのか」
「うん、見苦しいところをお見せ…じゃなくて」
「ん?なんだ?」
「わ、私も行っていいかな?」
「元からそのつもりだったんだが。この際一人や二人増えようが変わんないしな」
「ほんならワイも」
「アタイもー!」
「わーったよ。みんな来いよ」
結局この場にいる1人を除いた全員が来ることになってしまった。
そんな中、その1人であるエリスが会話に入る。
「私も行きたいが、流石に生徒の寮に押しかけるのは気が引けるのでな。今度、職員室でじっくりと聞かせてもらうとしよう」
「遠慮しときます」
「そうか…まぁいい。では失礼する」
冗談ではなかった様子のエリスも訓練場をあとにした。
「そういえばマルスはどこ行ってんだ?」
「彼は傭兵団の仕事よ。例の生徒会長の」
「あぁ、なんか申し訳ないな」
「ハクが気にすることじゃないわ」
「なんや?生徒会長がどうかしたんか?」
「いや仕事の話だよ。それより、何でユミたちがここにいるんだ?」
本当に今更ではあるが、街に買い物に行くと言っていたはずのユミールたちが、確かにこの訓練場にいるのは気になるところである。
「いやぁ買い物なら明日にでもできるじゃん?だったら面白そうだしハクっちの応援に行こうかなぁって!」
「応援なんて微塵も聞こえなかったけどな」
「アッハッハ!細かいことは気にしなーい!」
「ったく…」
ある程度話し終えた一行は、ハクの部屋で集まる約束をしてから訓練場を後にするのであった。
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バタンッ
「んぁー疲れたー!」
「おっつかれ〜!」
「!?おい勝手にっ!」
「だいじょ〜ぶだいじょ〜ぶ!この部屋にかけられてた防音結界と防視結界に加えて〜、アタシのオリジナル結界張っといたから!防音、防視、対物、3つ備えた優れもの〜」
「お前いつの間に…ていうかそんなことできたのか」
「えっへん!あ、でも流石に大気中の魔素だけだと維持できないから定期的に魔力込めといてーよろぴくー」
「それはいいんだが、そんなことできたなら本部で俺が使ってた部屋とかにも張っといてくれればよかったのに」
「あの頃はまだハクも結界の知識なかったでしょー?今まではアホみたいに何でもかんでもシュババーって斬りまくってただけだしー?」
「アホとか言うんじゃねぇよ…あいつらが来るまでだぞ」
「はいはーい」
お馴染みのショートパンツにTシャツ一枚というラフな格好で登場したベルは、テレビがあるリビングに直行していた。
守護霊の服装は実体化して最後に着ていたものが、霊体化したときの服装にもなるため、ベルも年中この格好というわけではない。以前に、傭兵団の食堂でミクと食事していたときも、肌の露出を抑えた一般的な格好に着替えたりしていた。
しかし、たいていの守護霊は着替える必要もないため、天界から授かった服のままである。したがって、このルールを知っているのも極少数派である。
ハクが戦闘服のボタンを外しながらリビングに向かうと、寝っ転がりながらスマホをテレビに向けて操作しているベルがいた。
現代の家電はほとんどがスマホで操作可能となっており、お風呂の温度調整から、カーテンの開け閉め、インターホンの応対など全て操作できる。ベルもおそらく番組予約をしているのだろう。
そんなベルの顔に向けて、学園指定の戦闘服の上着を投げる。
「ふんがっ……ちょっとぉー!」
「今晩は飯食うのか?」
「うん!食べるー!」
「わかった。それ終わったら掃除しておいてくれ」
「りょーかーい」
上半身はインナーだけになったハクは、キッチンへと向かうと、念入りに手を洗って、料理を作りはじめる。
寮にはそれぞれ食堂が付いており、安い料金で朝晩の食事が可能となっている。メニューは豊富で日替わり定食もあり、飽きることはない。高い料金を払えば、高級料金を部屋まで運ぶサービスもあるのだが、言わずもがな使用する生徒は限られている。
一方で、少数ではあるがハクのように手料理をする生徒も中にはいるのだ。魔法競技のプロを目指している生徒など、自分で体作りをしなければならない人もいれば、単純に料理が趣味な人もいる。ハクはどちらでもないのだが、一人暮らしのときのクセなのか、客もくることだし作る気分になったのだ。
材料などは、基本的にネットで購入して寮の窓口で受け取れるようになっているため、入手に手間はかからない。
一部の高級食材を除いて、機械が農業や漁業、酪農をするようになってから、品質の違いなどは見ることはなくなり、自分の目で確かめて買う意味があまりなくなってしまったのだ。
しかしながら、やはり買い物好きとはどの時代にもいるようで、自分の足で店まで行って買いたいという人も少なくないことから、大型のスーパーなどは健在である。
ちなみに、ハクはどちらかというと後者だ。
キッチンでは、ハクが自らの手で包丁を使って野菜などを刻んでいるのだが、その横で器用にお釜を魔法で浮かせてお米を研いでいたり、コンロ(IH)ではフライパンを浮かせて丁寧にバターを溶かしたりしていた。
こうして物を浮かせる魔法というのは実は簡単ではないのだが、飛行魔法をマスターしているハクにとっては朝飯前なのである。といっても昔から修行の一環としてやらされていたので、自分の手足のように2つ以上の器具を同時に操作するという離れ業が可能なのだ。
一方、キッチンからトントントントンとリズムの良い音が聞こえてくるなかで、ベルは掃除に取り掛かる。
テレビを操作していたスマホを、部屋の隅に設置してあった三角型のロボット2台に向けて電源を入れる。すると、ピロリロリンという機械音とともに、ブラシを回転させながら床を移動しはじめた。
床掃除はお掃除ロボットに任せて、窓の掃除やテーブル、棚などの掃除は雑巾やハンドクリーナーを浮かせて器用に掃除する。
ハクとは比べ物にならない程の量、約10個程のお掃除道具を同時に操っているベルは流石としか言いようがない。
「フンフフンフフーン♪」
当の本人は、まるでオーケストラを指揮するかのように、ソファーの上で、鼻歌まじりで腕を振っていた。
もちろん掃除などもルームサービスに含まれているのだが、たとえお手伝いさんでも部屋に入れたくなかったハクは、わざわざ断っているのだ。なので、今回招待したカジたちのことは相当に信頼しているのだろう。過剰に拒否をしてしまえば逆に怪しまれるという理由もあるのだが。
掃除を終えてソファーに寝転がりながらハクの戦闘服を修復していたベルが、クンカクンカと匂いを嗅ぐと、キッチンの方から良い匂いが漂ってきた。
すると、キッチンの方から背伸びをしながら出てくるハクがいた。
ハクは時計をチラッと確認すると、そのままバスルームに向かっていった。
その後ろ姿を見送ったベルはゆっくりと起き上がって、忍び足でキッチンへと進んでいこうとするが、
「つまみ食いは禁止だからな」
「ギクゥッ!」
ハクは服を脱ぎながら顔だけ廊下に出して注意をする。
「ちぇー」
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ピーンポーン
「ほらベル」
「わかってますよー」
スマホで誰が来たか確認してからベルに霊体に戻るように指示する。透明で手のひらサイズに戻ったことを見て、玄関を開ける。
「今晩は。お邪魔するわね」
「うお!良い匂いだー!」
「おおおおお邪魔します」
「お前ら三者三様で面白いな」
最初に来たのは女子3人だ。
誰がどの発言をしたのかは明白である。
「好きな席付いてくれー」
「ほーい」
「これ、立派なものではないけれど」
「流石ミクだな。もしかして家は日本の人なのか?」
「どうなのかしら、その辺は気にしたことないわ」
ハクにお茶菓子を手渡したミクと、ユミール、レイリンの3人は、ダイニングには丁度6席とテーブルが設置されているため適当に腰掛ける。
後からダイニングへと入ってきたハクは、そのままキッチンへと向かうと、おもてなしの準備をする。
6人分の食器類や料理を、先程の容量で魔法を使って机に並べていく。とはいってもベルの力を借りているのだが。
10個以上の皿やスプーンなどの食器がフワフワと浮いている光景に、女子3人は口をあんぐりとしてしまっている。
「ねぇ、誰か食器並べるの手伝ってる人いる?」
ハク1人(?)でやっているため、もちろんユミールの問に誰も反応しない。
「忘れたのか?俺は飛行魔法が使えるんだ。このくらい朝飯前だよ」
「そういえばそうよね」
「えー!?ハクっち飛べんの!?」
「そういえばリンには言ってなかったな」
「どうやって空飛ぶんだ?スーパーマンみたいにビューンって飛ぶのか?」
今度は冷蔵庫を開けて飲み物などを浮かせて並べながら、質問に答えていく。
「いや、確かにそういう人もいるけど、俺の場合羽があったほうがイメージしやすいから羽を作ってる。ただ、重力制御は練習あるのみだからこうして練習してる」
「へぇ〜ちょっと見せてよ!」
「見せモンじゃないぞ」
「私も見てみたいわ」
「ミクまでかよ」
団長の前では、証拠として見せてはいたが、そもそも見せびらかすための技ではないので、自分の手の内をさらけ出してしまうことを考えると遠慮するのは当然である。
持ち前の浮遊魔法で全ての料理の準備を終えていたハクは、目をキラキラさせて待機しているユミールを見て、全てが吹っ切れたかのようにため息をつくと、相棒に指示を出す。
(ベル、頼む)
『ガッテン!』
(…翼竜!)
流石に部屋の中で大きな翼を開く訳にはいかないので、畳んだ状態で出現させる。もちろん、ダミーの魔法陣も背中に出現させていた。
「うっわぁ……」
「何これ…」
「…………」
神秘的な羽を前にして、一度は見たことのあるユミールでさえ言葉を失っていた。
「ねぇ…触ってもいい?」
「んー…いいよ」
見せてしまった時点で、触ろうがあまり問題は無かったので、少し考えた末、許可を出す。
「…本当にキレイ」
ハクも一度だけ自分で生成した羽に触ったことがあるのだが、感触はほとんどガラスに近く、ツルツルとしており、どこか脆そうな印象だったが、実際はめちゃくちゃ硬かったのを覚えている。
羽に神経は繋がっていないので、触られた感触は伝わってこない。
3人が優しく羽を撫でていると、何やらベルから曇った感情が流れ込んできた。
(…どうした?)
『…みんなは、アタシの羽を見たときも…同じ反応してくれるのかなってさ…アハハ…』
(はぁ…またそのことか)
『またって何よ!ハクにはわかんないよーだ!』
(周りのやつらがどう思ってようが、俺はお前の羽、好きだぞ)
『ふ、ふーんだ!今更褒めたって遅いんだから!べー!』
小さなベルは、耳を赤くしながら姿を消してしまった。
そのとき…
ピーンポーン
スマホからチャイム音が鳴り響くと同時に、ハクは羽を消して玄関へと足を運ぶのであった…
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