表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

知られたくないなら、きっと変わらない。

嫌だ。嫌だ。嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ_______。

きもち、わるい。


大好き。

嫌い。 消えちゃえばいいのに。

僕も。 愛してる???

僕の、せい、?

いらない。、?

んじゃ


* **


白と出会ってから一週間近くが経つ。

あれから毎日の様に白は公園に現れた。ある時は僕より早く来ていたり、ある時は僕のずっと後に来たり…それでも、必ず毎日訪れるのだ。僕と白はろくに話さない時もあったし、下らない話で延々と話し続ける時もあった。

白と話している時間は少なくとも家に居るよりは何倍もマシだと思えるようになった。

……不本意だが。

その内、僕は気付いた事があった。

白は多分、僕と同じ高校生ぐらいだ。でも、この子は学校には通っていない様子だった。

理由を聞こうと思ったけど、僕の口は中々動かなかった。それは多分、話の流れで僕自身の事を聞かれるのが怖いからだ。

何を隠そう、僕も学校に通っていない。

だから、聞けなかった。

今現在僕の隣でブランコを漕いでいる白は、果たして僕が学校に行っていないことに気付いているのだろうか。

……いや、馬鹿そうだから多分気付いて無い。

だったらなんとか誤魔化せるんじゃなかろうか_____そう思って、僕は重たい口をやっと開いた。

「…白、学校は?」

びくり、と白は肩を揺らす。

その表情は固く、聞かなきゃ良かった、と僕に思わせるには十分な悲壮感を醸し出していた。

「……行っ、てないよ。……行っちゃダメ、なの。」

「………そっか。」

僕はそれ以上何も聞く気は無かった。

意味も無いと思ったからだ。

「白は、おかしい、から。」

そう言って力なく笑う白を見て、やっぱり気にはなってしまったけれど、僕は人の弱い部分を知りたく無かった。

白が怖がっているのはわかる。だって僕も怖い。

暴かれてしまうのは。触れられてしまうのは。

そもそも、まだ会って一週間の人だ。友人と言えるのかも謎な関係なのに、そこまで踏み込めはしない。

そして僕は、自分自身について問われなかった事に、ただただ安堵していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ