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出逢えた、なら。
少女が少年を見つけたのは、あの日と同じ冬の公園でした。
あれから少女は何度もこの公園に来ていましたが、少年を見たのは初めてです。
どうして突然現れたのか、疑問はありましたが、少女はただ少年に会えたことで喜びました。
しかし、少年の顔は暗く沈んでいます。
あの時とは、真逆です。
またあの笑顔が見たい、自分を救ってくれたあの笑顔が。
そんな思いに突き動かされたのか、少女の足は少年に向かっていました。
「(もう一度、始めるんだ。今度は、私が貴方を助けるから。だからーーー)」
少年が座るブランコの正面まで近付いたところで、少女は口を開きました。
「こんにちは!私はーーー・・・」
実に、5年ぶりの再会でした。