始まり、始まり。
のんびり行きます。
始まりは、寒い寒い冬の日の事でした____
公園に、少女が一人居ました。少女はブランコに座り泣いていました。
些細なきっかけ。良くある話。お母さんと喧嘩したとか、そんなちょっとした事でした。でも、少女は家を出てきてしまいました。
誰もいない公園で一人、少女は謝りに行くともできずにただただ泣いています。
そんな少女の目の前に何かが差し出されました。
クッキーです。少女はクッキーが大好きでした。少女はお母さんが迎えに来てくれたのかと思って顔を上げました。
そこに、お母さんはいません。居たのは、とても優しい笑顔で笑う少年でした。
少年は少女にどうしたの?大丈夫?
…そんな、優しい言葉をかけてくれます。
少年の笑顔を見ると、少女は何故か幸せな気持ちになりました。涙はいつの間にか引っ込んでいます。
そのまま二人でクッキーを食べて、遊んで、家に帰って、仲直りをしました。
とにもかくにも、少女は救われました。
少女は当たり前に、その少年に恋をしました。
普通の女の子の様に、また少年に出会える日を夢見て、少女は生き続けました。
そして、見つけたのです。あの時の、
大好きで仕方ない、あの少年を。
これはそんな物語。
在り来たりな物語。
二人の淡い恋の物語一ーー。