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冥王【ハーイデウス】

作者: 気まぐれ眼

冥王ハーイデウス。それは、命を運ぶ闇の支配者。世界が彼を畏れるのか、彼が世界を怖れるのか。

 我がこの世に生を受けた時から我は知っていた。


 我の運命。我の存在意義。そして……皆が我を恐れる理由も全て。


 幼き頃は、我が悲しき運命を呪い、このようなイノチを刻んだ母神ははを憾んだ。


 我が息を吸えば数多の魂をこの身に捕らえ、我が腕を一振りすれば数多の生を枯らせた。

 ある時は気を失うまで息を止め、ある時は自ら鎖によって身体を封じた。


 しかし、我が母神はそれらを良しとはしなかったようだ。振り子は持ち上げれば持ち上げるほど、その振れ幅を広げるように。嵐の前に海が鎮まるかのように…………多くの生命イノチが失われた。


 そして、人々は我を恐れる。


 自然と我の世界は闇に覆われる。夜神の生むそれとは違う、孤独と寒さ……そして永遠が支配する闇だ。


 海の底よりも暗く、怨霊(ひし)めく世界の王など冗談ではない。 


 死の王。冥府の王と忌み嫌われながらも、我は生を運び続けた。愚かな兄神共は死を運ぶ者と蔑むが、我はそうは思わぬ。


 太陽神が産まれたが故に、月女神が産まれた。

 海神が目覚めたが故に、陸女神が目覚めた。

 夜神が生を受けたが故に、朝女神が生を受けた。


 ならば我は?


 我には対なる者が存在しない。故に我は、表であると同時に裏でもあるのだ。


 命あるものはいずれ、死を迎える。どれだけ夜が長くとも、いずれ朝が訪れるように。


 我が、我こそが生なのだ。死を支配することで、生を支配する。我こそが!!


 ……だが、そう息を巻いていたのも今は昔。もう、我にはこの身の存在意義に異論はない。満足している。


 何故だかわかるか。我が愛娘(タナティア)よ?


 …………なんだ、もう寝ていたか。


 愛する我が娘。其方は我とは違う。多くのものに愛され生ける運命さだめを僅かながらにも持ち合わせている。


 出逢いを大切にせよ。運命を憾まず、しかし従うな。


 其方は、幸せに生きなさい…………。


 我はそれだけを願っておる。













 達者で生きよ。













 我が愛娘よ。

相変わらずの意味不明文で済みません。


彼の愛を理解してくださる方がいれば嬉しいです。

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