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青春文化部。  作者: すみ。
1/1

一章 始まりとか。

 

 一章 始まりとか。



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"文化"とはなにか?


それは社会において多いに使われる物を指す、また考えや価値観などを主に示す言葉でもあると俺は思っている。


だが文化という言葉自体の捕らえ方はそれで良いのかも知れないが、あくまでそれで良いというだけでそれが全てではない。

そもそも文化という言葉自体が非常に曖昧で無数の使いかたをされていると言えるだろう。

時には物になったり、考えになったり色々出張して忙しい奴である。


いつもお疲れ様です。文化さん。


-----



空が晴れ、太陽の熱が降り注ぐ。ようやく冬が明けてきたと言える季節、俗に言うに春という奴だ。

4月4日、入学式である。と言ってもピカピカの小学一年生や思春期に入り始めるような中学性でも無い。高校の入学式だ。

俺は何時もより少しだけ違う通学路に興奮までも言わずとも、少しワクワクしていた。俺的にはまぁらしくない気がするが。


-----



着いた。


玄関に入ると周りにはいかにも「青春してます!」 みたいな奴からコイツは春休み引き篭もってたんだろうな。と分かりやすい奴らまでもいる。

俺はどちらかと言うと後者と言えるだろう。最初から周りの目など気にしない人間なので別に構わないのだが。

さっさと靴を履きなおし、事前に大体の教室の位置を知っているので俺はそのまま歩きだした。


玄関の近くの掲示板には大量の部活勧誘ポスターが貼られていた。野球からサッカー、美術部まである。

別に部活に入る気などさらさら無かったのだが、一応見ておくだけ見ておいた。

そこに一枚小さめなポスターがあった。内容は……



 「ブンカれ!」



   一言である。


意味不明である。そもそもなんの部活なのか? 後部長など顧問などの表記が無くそのまま大きな字で「ブンカれ!」とだけ書かれていた。

まあ恐らく文化系の部活なのであろう。部長などの表記を書かれていないことを考えるともしかしたら部員が居ない部活なのかもしれない。

俺はさっさと掲示板の前を通り過ぎ、そのまま教室のある3階へ続く階段へと移動した。


階段の方へ移動している間に何人かの知っている顔も見た。中には馬鹿騒ぎしている連中までも居る。お祭り会場はここじゃないですよ。っと

あくまで俺は 平和&ゆったり の生活を希望する人間なのでこういう連中は肌にあわない。寒気がする。

疲れることや面倒なことは嫌い、楽しむことだけ楽しむ。これ俺のモットーだから。


3階へ上がって行くと教室が見えてきた。割と階段キツイ。

教室のドアの上の奴に 1-B と書かれていた。 ここだな。

教室に入ると前の方に人が溜まっていた。おそらく席順でも書いてあるのだろう。


群れが崩れるまで教室の窓の所で俺は休息することにした。ふと周りを見渡すとヤツが居た。そしてヤツはこう話してきた。


「 おっすー 」


普通だ。


「 おーう 」


やる気のない返事で俺は返した。このいきなり喋りかけて来た茶髪野郎は 笠森(カサモリ) 宗谷(ソウヤ)という。


まあなんだかんだ言って小学生の頃から知っている腐れ縁という奴だ。

なんやかんやで昔そこそこ仲が良くまあ俺も嫌いな訳ではない。


「いつも通り死んだ魚の目というか、そんな良く分からない顔してんなー」


「そういえばなんか用でもあったのか?」


とりあえず俺は話掛けられたら話しかけてきた意図を聞く癖がある。人の話の内容を分かりやすいので面倒な俺にはちょうどいい。

あと話をさっさと終わらせるため。


「いやーくだらない話なんだけど部活とかやんのかなーってな」


なるほど。玄関の奴に影響されたといった所か。

そして「くだらない」という部分で俺が部活に入る訳無いと考えているのだろう。まあ俺の言うことは決まっている。当然。


「まあ俺は入らないが」


「まあそうだよな…でもさあの文化の奴ちょっと興味有ったり有ったりしない?」


 文化の奴と言えばアレか。あの意味不明の奴。


「まあ…無いと言えば嘘になるが……」


「じゃああの部活乗っ取らね? 部室もあるし暇つぶしには使えそうだしさ」


予想通りだった。だが思ったより物騒な表現だった。コイツも部員は居ないことを予想して言っているのだろう。

まあ俺としては最近暇を持て余すことも多いので別に構わないがどうするか……


そんなことを考えている内にそろそろ前の群れが散ってきた。まあこの場は適当に話しをつけてと。


「分かった。考えておくよ」


そんな感じで会話は終わった。俺はそのまま黒板には張られている自分の名前 峰川 響 (ミネカワ キョウ) を探した。

席は窓側の前から3番目。まあゆったり出来るとこなのでひとまず安心だった。これで教卓の前だったら多分そのまま逃亡してた。


周りと見渡しているとなんというか青春の波というのだろうか? 覇気とかやる気とかそういう物が襲ってきた。

そういうことを避ける人間にとっては辛い時代である。

青春の重圧に押し潰れそうな俺は窓を開け外を見ることにした。


外を見ると一年生らしき女の子が居た。俗に言う黒髪ロングって奴だと思う。多分。

どうやら読書をベンチでしているらしいが時間的に大丈夫なのであろうか。


と その時調度チャイムが鳴った。俺はさっさと席に座った。

あの少女は初日から遅刻の目に遭うのか。まぁ…頑張れ。



------


なんやかんやで始業式ならびに初日の授業は終わり、初日なので普通より早めの14時頃に帰れるようになった。

入学式の途中の頭の上が過疎っている校長の話が無駄に長かったのが一番キツイ出来事であった。

そういえば部活のことなんも考えてなかったけどどうするか……と考えてきた時調度 笠森がこっちへ向かって来た。


「部活どうするか考えたー?」


「うーん……体験入部的な物はあるのかー?」


「多分あるんじゃないかな、職員室言って聞いて見るー?」


「んー…そうするかー」


「分かった!それじゃ早速行こうか」


俺はそのまま笠森に連れられ職員室へ行くことになった。

職員室は教室の近くの階段を折りきった後のすぐ近くにあった。


俺たちは職員室にそのまま礼儀正しく入りそのまま唯一知っているといっても過言ではない担任の小室に例のポスターについて尋ねた。

小室は見た目20代中盤ぐらいの女性である。下の名前は忘れた。


「小室先生ーちょっとお時間いいでしょうかー」


さすが笠森だ。こういう場面では無駄に活躍してくれる。俺では敬語ですらまともに使えないだろう。


「おーうどうした迷える子羊共ー」


なんか昭和の香りがする表現だな。


「生徒玄関に掲示されている部活紹介ポスターの "ブンカ" がどうたらって言うポスターの詳細が知りたいんですけれでもー」


「あー文化部かー」


あれはそのまま文化部なのか。なんというかド直球だな。


「その文化部の部室や顧問の先生とか分かりますかね?」


「部室は3階の一番端。んで顧問は実はこの私 小室 久 (オムロ ヒサ) だったりするんだけどー」


「そうなんですか! じゃあ体験入部とかって出来ますかね?」


「うーん……なんというか体験する物がないというか 実は部員が居な……いやさっき一人入ったか」


え? マジで? 誰か入ったのかよ まあとりあえずこの場は笠森に任せよう。適当にタノム。


「へーそうなんですか とりあえず部室への案内頼めますかね」


「んーまぁとりあえず部室に行ってみるか、新入部員も居ることだし」


-----


俺たちはそのまま小室に連れられるままその部室へ向かった。

運動不足である俺には階段の上り下りがキツく感じた。あと歳も感じた。


小室は部室へ向かっている時こんな話をした。


「実はあのポスター私が作ったんだけどー」


「へーそうなんですかー」


 返しが適当だな。笠森。


「そうそう。いくら部員が居ないと言っても多少は宣伝しないとね 一応頑張ったつもりよ」


勧誘センス無いなコイツ。



「……っとここ…お前らの部室はここだ」


部活に入ること前提なのかよ。まあいいけど。そして笠森が力強くドアを開けた。


「失礼します!!!!!」


 無駄に元気だあああああああああああああああああ









 そこには黒髪の少女が



 

 














            寝ていた。







                 一章 始まりとか。 完

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