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勇者ヤンデレる

えろいよホモいよ


度々時間が飛んでっていうか十数年吹き飛ばしてすいませんね、俺の胃はもう死に体だけどまだ見るのかい?ごめん、いやごめんなさい、申し訳ありません、だからマウス右上に動かさないで!?


「どうしよう・・・」


部屋のベットに突っ伏してうんうんと悩む、何に悩んでいるかというと成人の儀をするにあたっての女性への贈り物だ。


成人の儀をするとき求婚する側は求婚される側に贈り物をする、前に見たお向かいのお兄さんの成人の儀では高そうなネックレスを送っていた、そのお兄さんは上手く行かなかったが。


扇を送ってた人もいた、でも扇なんて作れないし買う金もない、家は基本貧乏なので贅沢できるのは食事だけです、ごくたまにだけどね。


「簪でもいいか」


あれだろ?小刀で木を髪にぶっ刺さる形にすればいいんだろ?

そう思い前に話していた引退した木こりのおじさんの所で匂いのする香木を少し分けてもらい早速作業に取り掛かった、貰うときのおじさんのニヤニヤした顔がイラついた。


簪なんて楽勝ですよ、速攻終わりますよ、そう思ってた時期が私にもありました。


「指が痛い、切れた、まっすぐにならん、所々血が付いてる」


ダメだ、ダメだこれは、こんな物渡したらあのチート魔法で芥子粒にされてしまう・・・ガクブルガクブル。


「後、木で出来ることと言えば・・・・・・観音像?」


馬鹿だな俺は、馬鹿だったな元から。

とはいえ木で何かを作る案件は捨てたほうがいい、これなら花を幾つか送ったほうが・・・ダメだ勇者花粉症だった・・・花?


「そうだ花を彫ればいいじゃない」


それならあいつも文句ないだろ、ネックレス・・・却下どうやって作るんだ、イヤリング・・・無理どうするんだそれ、指輪・・・殺される、アンクル・・・丸く出来ない、お守り・・・いけそう?


「よしお守り路線で行こう」


何の花にしようか?

予想外の自分の下手さに嘆きそうになる、かなり時間を取られそうだ、成人の儀までに間に合えばいいが。













そんなこんなで月日とは光のように早く成人の儀が始まってしまった、始まらなくてもいいのに。


「これより成人の儀を始める!」


村の長があんなこと言っているがやるのは成人した村の連中が夜ふかしして焚き火の周りで踊って飯食って酒飲んでおんにゃのことにゃんにゃんするだけだ、つまりはあれだ、エロいなおい。


周りの男どもの目が怖い、鼻息が荒くてすごく萎える、体臭がやばいイカ臭くて気が遠くなる、帰っていいかな?すごく帰りたい。


健全な汗を流して筋肉のついた農民ってかっこよさそうだけどなんでモテないの?前世でずっと思ってた、俺も思ってた。

でもよく考えてみろよ、いくら汗流して筋肉やばいつってもあれだよ?現実的に考えたらお風呂ないじゃん?汗流しても拭くだけじゃん?汗疹出来るじゃん?女の子に嫌われるだろjk。


いや、予想してましたけどね、お風呂がないぐらい、たまに水浴びつっても週一だよ?耐えられないよ前世の記憶がある自分には。

毎日のように冷たい水を我慢して被ってましたよ、お蔭で汗疹とかとは無縁でしたけどね。


幾つもある焚き火を回って勇者の姿を探すがそこに勇者の姿は無かった。


「リリスさん、ユーリはどこにいますか?」


あ、リリスさんは勇者の母親の名前だ、勇者の容姿から分かるがものっそい美人、勇者の成長した姿がこうなんだろうなと思う。


「ユーリなら家よ、早く会いに行ってあげてね」


耳元で囁かれる声が擽ったい。


「ああ、早く孫の顔もみたいわぁ」


「・・・・・・」


さっさと渡して家に帰ろう、そうしよう、間違っても勇者とそんなことは起きないと自分は信じてる。
















薄い灯が窓を照らし勇者が在中であることを証明する、気が重い、仮初とはいえマジでかと言わざるを得ない、胃が痛くて漏れそう。

何か色々と出てきちゃいけないものまで出ちゃいそうでいやだ。


「ユーリ、いるか?」


勇者の家のドアをノックする、直ぐにというかノックした瞬間にドアが開いて勇者が顔を覗かせた。


「遅い」


「お、おおぅ」


お前の反応速度に驚愕だよ、びびるよ、勇者はどこまで規格外なんだ、俺は平凡がいいです!小市民なんですよ!


「早く入って」


手を引っ張られて勇者の家に連れ込まれる、ウッドハウスの木の香りが生活臭と混ざって不思議だ、俺の部屋のような貧乏臭さが感じられない。

すいませんねー古臭くて、貧乏ですいませんねー。


「な、なあ?」


いつもと違い口数の少ない勇者に違和感を覚えたがよく考えてみれば勇者の家に入ったのは数年ぶりだ、不愉快になってるのかも・・・そう思っていると後ろで勇者が玄関の扉に鍵をかけていた。


「ゆ、ユーリ?」


「ねぇミルド、取り敢えず私の部屋に行こう?」


笑顔でそう告げられて有無を言えなくなった俺はユーリに手を引かれ数年ぶりのユーリの部屋に招待された、柔らかそうなベットと机そして少しばかりの小物、高価そうな魔道書。


俺の部屋なんて毛皮の布団に硬いオーク木のベットだけなのに・・・この格差に泣けてくる。


香水をつけているのか香を焚いているのか女性特有の香り意外にもこの村の名産である香木の香りがする、こちらを振り向いた勇者の唇に薄く紅が塗ってあるのが薄明かりの中かろうじて分かった。


勇者と幼馴染になってから14年最初こそ中身は男だと思っていたのだが成長するにつれて元々が可愛いのでどうでもよくなって来てしまった、ダメだと思っているのだがこんな言葉を知っているだろうか?


カワイイは正義ジャスティス


まあ本人が死亡フラグの塊みたいなものだから恋愛対象としてみていないが・・・。

部屋の入口付近で立ち止まっていると後ろから強く押され踏みとどまろうとしたが耐え切れずベットに尻をつく、慌てて立ち上がろうとするが肩に手を置かれてそれは阻止された。


「ユーリ?」


「ミルド・・・」


じっと見つめてくる勇者に俺の内心はとても困惑している、なんで勇者涙目なの?馬鹿なの死ぬの?可愛いんだけど・・・。

そこまでアホなことを考えてハッと気づく、勇者は俺が贈り物をしなくて怒っているのだ・・・このままだとマイナス付近にある好感度メーターが一気に天元突破で死が俺を待っている・・・。


出来るだけ怒らせないように笑顔を貼り付けて勇者に声をかける。


「ユーリ、ユーリのためにちゃんと贈り物持って―――」


「ミルドはいつもそうだね」


「ユーリ・・・?」


え、なにこれ?瞳のハイライトはどこぞへ?なにこれ怖い。


「ミルドは誰にでも優しい、そんなに優しいと勘違いしちゃうだろ?ミルドは何で私に笑いかけてくれないの?ねえ?どうして?笑ってよ私見たんだからこの間ミルドが笑ってるの、どうして私には笑ってくれないの?ねえねえねえ?」


「あのっユーリ・・・さん?」


「ああ、やっぱりミルドは優しいなぁ、でもあのメス豚共が近くにいることは耐えられない、ミルドは私の、私のだものね?」


勇者がその小さな体に似合わない力で俺をベットに押し倒す、何で力で勝てないの?つーかやばくね?この状況限りなくやばくね?俺の貞操よりもっと大事な命とかライフとかHPとかそういう大事なものが無くなりそうなんだけど・・・。


ていうか何この状況エロい、エロいけど俺の命がマッハでやばい。俺いつ勇者と恋愛フラグ立てたの?え、マジで?どういうこと?


「ゆ、ユー・・・ムグッ」


口を塞がれた、勇者の口で、舌を入れられて口の中で勇者の舌が暴れるのが分かった、状況が分からないうちに俺のファーストキスは終わってしまいしどろもどろしているうちに勇者がマウントポジションのまま俺に話しかけてきた。


口の周りがてらてらとしているのが妙に艶かしく頭がくらっとした、いや、違うこの匂いが頭をぼんやりとさせてるみたいだ・・・。


「ミルド好き、大好き誰にも渡さない、もうだめなんだミルドのこと考えてたらだんだん頭がおかしくなってくんだ、欲しい、ミルドが欲しいグチュグチュになって溶けてなくなるぐらいお前が欲しいんだ」


あれ、俺死亡フラグとかそういう問題じゃなく死ぬんじゃね?


主人公は前世で手酷くフラれた経験があるので苦手なのです、エロいのが。

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