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淫乱ピンクは最高にローション

つまり今回はロリがないということですね、分かります。


お昼前になってもアリシアは起きなかったので置いてきた。


熱い大通りを歩いて行き、昨日の被害か、人が少なくなっている見慣れた通りに辿り着く。


孤児院の前に行くとこの街の教会の神父がシスター数人と死体を運び出しているところだった。


「神父様・・・」


「ああ、君かね」


「ありがとうございます・・・」


「いや、いいよ、せめてこれで安心して天へいけるというのであれば私はいくらでも祈るよ、いくらでもね・・・」


悲観的な影を落とす初老の神父、そこでユリアの死体だけ運び出されていないことに気づく。


「神父様・・・どうして・・・ユリアは・・・」


「残念だが、邪教徒は、連れて行けない・・・すまない・・・」


分かっている、そうしなければ示しがつかないことだって、でもユリアは邪教徒じゃない、ユリアは違うんだ。


セミがうるさいぐらい泣いて、どこか命のない街並み、暑いはずなのに暑さを感じさせない世界は恐ろしいほどに不気味で、俺を苛立たせた。


「俺が・・・埋めてきていいですか?このままじゃ、可哀想だから・・・だから」


「ああ、そのほうが彼女も喜ぶだろう・・・そうしてくれ・・・私は、私には何も出来ない・・・」

















俺は自分で殺したユリアの首と体をシスターから貰った袋に入れて街の外を目指した、邪教徒の死体は街の外に野ざらしにすることが教会の意向だ、でも俺は教会の信者ではない。


これはただの罪滅ぼしだ、生ゴミにも劣るエゴの塊だ、分かっていてもやらずにはいられなかった。


街の外の森と街を隔てる川の景色を眺めるのが好きだったユリアを思い出し、吐きそうになりながらその場所に穴を掘る。


置いた袋の中の軽い感触に、この中には何も入っていないんじゃないかとさえ思ってしまう。


でも袋を開けるのは怖く、直ぐに袋を穴に入れる、穴を埋めようとしていると後ろから声がかかった。


「貴様!そこで何をしている!」


声高く女性の声が俺に向けられる、そちらを振り向くと、それほど遠くない場所で馬に騎乗した白銀の鎧の女性がこちらを睨んでいた。


「お前・・・何をしている?」


近づいてきた女性が馬から降りて質問してきた。


「死体を埋めてるんだ、ただそれだけだよ・・・」


「それは邪教徒の死体だろう?なぜ埋めるんだ?」


「この子は邪教徒じゃない、それに俺はあなた達教会に連なるものじゃぁない、誰をどこに埋めたって関係はないだろ?」


こんな世界なんだ、死と生が隣り合わせの殺伐とした世界、あの頃の日常は一体なんだったのか?


でも考えてみればこちらの世界で死ぬ人数と、前の世界で死ぬ人数どちらが多いかわかったものじゃない、もしかしたら前の世界の方が多いんじゃないかと、変な方向にずれた思考に苦笑する。


「・・・まぁ、そうだな・・・いや、問題あるんじゃないか?・・・え?ん、でもな・・・」


複雑そうな顔をする白銀の女性、この人はどうして自分に声をかけたのだろうか?


「ねえ、騎士様はどうしてここに?」


「わ、私か?私は新種の魔物が現れたと聞いて先行して情報収集を任されられたソフィア・クロ・・・唯のソフィアだ、教会に使えている身なのでな・・・」


「そうですか・・・」


新種の魔物といえばあれだろうか、あのピンク色の生物だろうか・・・。


そう考えている矢先、向こうから門番のおっさんがやって来た。


「ソフィア殿!ここにおられたのですね!ってお前もいたのか」


「なんだよお前もって・・・」


「あ、ああ、すまない・・・この男と話していてな・・・」


「こいつと?」


「ああ、下らない問答だ、気にするな」


「は、はあ?」


困惑して首をかしげるおっさん、白銀の女性にフォローされた感が否めないな。


「さて、早速で悪いが新種の魔物がいる場所まで案内してくれないか?仕留めたんだろ?」


「は、はい!こちらです!」


おっさんが先行して行くのを見て、白銀の女性は馬に再度跨り、去り際こちらを見て。


「そう言えばお前、名前は?」


「ミルドです、ただの平民です」


「・・・・・・そうか、ミルドか・・・」


「はい」


「ミルド、今回は目をつぶったが今度からは教会の法に則って原則に処罰する、気をつけろよ」


「・・・・・・ありがとうございます」


「ん、まぁ、私も教会のアレは少しばかりな・・・うん、今のは忘れてくれ・・・」


「さっきのでチャラでいいですか?」


「・・・くくっ、そうしよう、じゃあな」


愉快そうに笑い馬を駆けておっさんを追いかける白銀の女性、そう言えばソフィアって名前聞いたことが・・・。


どこだっけな・・・。




















―side sofia―


ミルドと別れたあと、冷えた地下牢に案内された場所に安置されてあった生き物は吐き気がするほど醜悪だった。


「この匂いは?」


この醜悪な生き物からする甘い匂いに頭が少しクラクラする。


「わかりません、この匂いで何人かが恐慌状態に・・・」


「そうか・・・下がっててくれ・・・」


「はっ!」


誰もいなくなったところでこの生き物をもう一度観察する。


ロウソクでテラテラと光るピンク色の肉は未だ粘液を表面から放出しており、地下牢の石畳にピンク色の液体が流れ出ている、このピンク色の生き物も含めてなんて淫猥な生き物なんだろうなと馬鹿なことを考えてしまうが、今は調査が先だ。


しかしこの匂い、何故かどこかでかいだ記憶があるんだよな・・・どこだろうか・・・。


歩くとレギンスの足裏に粘液がニチャァとくっつく。


「ちっ」


おぞましいが近づいてその肉に刃物を突き刺す、グチュグチュといった音が本当に卑猥だ。


「内蔵なし、心臓なし、口はあるが肛門なし、どういう生き物なんだこれ?」


切り分けた肉体からより濃い匂いが垂れ流される。


「んんっ・・・な、んだこの匂い・・・くぅっ・・・」


痺れるような感覚に体が震える、足が震えて膝を着く、粘液が飛び散り頬に着いたそれを拭おうとして、私はそれがとても甘い、モノのように思えて、それを口に近づけ舐めようとして――――


「騎士様ー大丈夫ですか?」


階段から聞こえてきた声に我に返り手を急いで離す。


「げほっ!げほっ!だ、だだだ、だいじょうーぶだ!問題ない!うん!全く問題はないゾ!」


慌ててその手についていたものと頬に残ってた液体を魔法で燃やし尽くす。


「な、なんて恐ろしい兵器なんだ」


「騎士様?」


「なんでもない、ありがとうこれはこちらで処理しよう」


「あ、ありがとうございます!」


「ああ、このぐらいならこの場で灰にできる」


そう言って魔力を集めピンク色の生物を焼く、これぐらいの質量だったら炎剣一本でいいだろう。


直ぐに紅い炎が肉を焼き始める、次第にグズグズと溶けきった後には灰も残らず、炎の影響で熱い地下牢だけだった。


「・・・・・・」


着ているものが若干濡れているのがとても気に食わない・・・さすがにそこを燃やすわけには・・・。


「はぁ・・・」


勇者様がここに着くまで後一週間あるんだし宿を取るか・・・。

そしてあのミルドと名乗ったあの男・・・。


「少しだけ興味がわいた・・・」


邪教徒じゃない・・・か・・・面白い、実に面白い奴だな。


「二、三日ここに滞在しよう・・・」


報告はいつでも出来るしな。











-side とある門番のおっさん-


何もなくなった地下牢を見て、改めて勇者筆頭の魔物の討伐隊の力を理解させられる。


「しっかしあれだなぁ・・・」


少しだけ暑さが残る地下の牢獄で一人呟く。


「あんなくっせぇ臭い、よく我慢できるよなぁ・・・」


思い出されるのは鼻が曲がりそうになるほどの臭気と胆汁のような吐き気のする匂いを出す体液、どれをとってもあの地下牢に長居はしたくはなかった。


街の人間の目からそらさせるために仕方なくああしたが、あのお方がいなかったらどうなっていたか。


「ミルドもよく倒せたよなぁ・・・」


そういやぁこの魔物を退治した人間のこと報告するの忘れてた・・・けどまあいいか、俺兵士だけど、なんか気力わかないし、医者から無気力症候群って言われたばっかりだし、酒飲んで寝よ。


この男も末期である。


更新遅れてすいません、おっさんはネタです気にしないでください、転生者と一般人の見解の差を言いたかっただけです。

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