脇役と思ったらこれだよ!
またやってしまったんだ、根も乾かぬうちに新しい小説を投稿、投稿者としてあれなのはわかってる、でもやっちゃうんDA✩
死んだと思ったら転生してた、全くもって理解できない、俺にはさっぱりだ・・・。
事情を説明しよう、この事件はある日路上を歩いてたら青年が猫を走ってくるトラックから助けたとこを目撃したことから始まる、トラックは青年を吹き飛ばした後どうなったと思う?
普通に考えてみてくれ?猫だよ?猫助けて死ぬか普通?トラックの運転手も相当焦ってたんだろうな、ハンドルを急いで切ったんだろうけど時すでに遅し、んでもってトラックは横転するだろ?俺いるだろ?死ぬだろ?
そんでもって今女の人の腕の中、今ここ。
数多の二次小説を見てきた俺は分かる、これは脇役フラグだと、絶対脇役だね、主人公を引き立てるための凡人の凡太君の役だね。
・・・だって村全体というかお隣の家を中心に村人が沸き立ってんだもん。
「おお、なんという魔力じゃ!」
「きっと勇者様に違いない!この子は必ず世界を救う存在じゃ!」
どこのテンプレだよ、怖いよそれ。
お隣の家で生まれた子供がどうやら勇者だったらしいね・・・名前はユーリ、絶対に転生者だと思うよ確実にそうだね。
俺は・・・うん、何と言うか、性別は変わってないからいいけど名前がひどすぎワラタって感じだよ、泣きたいよ。
「どうしたのミルド?」
誰だよそれ・・・誰おま・・・。
巻き添え食らって転生とか誰得だよマジで、マジで怖い何それ怖い、勇者ってことは魔王いるのかよ、魔王がいて云々かんぬんとか怖すぎてガクブルなんだけど。
絶対にお隣の家には関わらないようにしよう、うん、死んだ原因とかなんとかとかもうどうでもいいよ、生きてるし、小市民だし俺、心残りとしては親に迷惑をかけてしまい申し訳ないと思ったこととパソコンと携帯の履歴を消していないことだな。
そう思ってた時期が俺にもありました。
たって歩けるようになったが出来るだけ勇者と関わらないように臆病な子供を演じていたのだけど、どうしても外に出なければならない事もありましてついに出会ってしまったのですよ。
誰に?そんなの決まってんだろ隣の家の勇者様ですよ、金髪やべえ。
臆病を演じてたはずなのにマジでビビりましたもん、あれ?男だったよね?男じゃないの?ねえ?
結論から言おう、勇者ハ女ダッタ・・・。
やつを見る前に 言っておくッ! おれは今 転生の恐ろしさを ほんのちょっぴりだが 体験した
い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こっている事を話すぜ!
「おれは 野郎がトラックに轢かれてたから あいつが転生したんだし男の勇者なんだろうなと思ってたら いつのまにか勇者は女だった」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何が起こっているのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… チートだとかフラグだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
金色の煌びやかなロングの髪は親譲りで、十人いれば十一人が振り向いちゃうような美少女でこれはもうフラグがビンビンに立ってるぜってぐらい儚い守ってあげたい系女子の片鱗がプンプンしてきやがった。
こいつはやべえと思った俺はいそいで母親の後ろに隠れたさ、だがお隣の家の親の横に立つ女勇者がこっちをじっと見つめてきやがった。
そいつはテクテクと近づいてきたかと思うと知性的な色を瞳の奥に隠したまま俺の手を取って。
「ねえ一緒に遊びに行こ?」
「え、っと、あの・・・」
臆病と無口で通ってる俺は一旦母親の顔を見上げる、止めてほしい、ほかの子供と遊べ、俺にそんなことを要求するな。
「いいじゃないミルド、一緒に遊んで来なさいな」
「ユーリと仲良くしてあげてね?」
「私ユーリよろしくね?」
「う、うん」
母親と勇者とその母親からのトリプルパンチに有無を言えなくなった俺は勇者に手を引かれて村の外の畑に遊びに行った。
勇者ってのは握力も勇者なんですね分かります。
畑の農作物は子供である俺たちより背が高いので草の壁がある意味懐かしく壮観です、でも俺の手がマッハでやばい。
何がやばいって勇者に握られてる手から凄い音してる、ペキならまだいいけどニョギって音してる、これはヤバイ手の感覚なくなってきた。
「ね、ねえユーリちゃん?」
無言でどんどん歩いていく勇者に恐怖する、こいつまさか俺の正体に気づいて・・・
魔王どころか魔物も魔族もいちゃうことを教えられた俺であるから直ぐに恐ろしい計画に気づいてしまう。
村の外に連れ出す
↓
魔物に襲われる
↓
俺食われる&勇者助かる(主人公パワー的に)
↓
勇者「君の犠牲は無駄にしない」
↓
魔王を倒す「ぬわー」
↓
そして伝説へ―――
ヤバイヤバイヤバイヤバイ、後半部分はないけど前半部分は十分あり得る、めっちゃ怖い、めっちゃ怖い、めっちゃ怖すぎて漏れる。
そんな心労に苛んでいるといつの間にか畑の端っこに到着していた、だめだこりゃ、死んだこれ、短い人生だった、まだ6年しか生きてないのよオヨヨ・・・。
「ねえミルドっ」
「な、なに?」
こちらを振り向く勇者、やばい超可愛い、でも中身が怖すぎて直視できそうにない。
「そんな緊張しないでよ」
クスクスと笑いながら、こちらを見ている勇者にどうやら自分の正体はバレていないということが分かった、艦長!俺はどうすればいいんでしょうか!?
脳の中の艦長はレッドアラートを敢行中、最善を尽くせ、子供の振りをしろ、ここをなんとか乗り切るんだ。
「私のお友達になってくれないかな?」
「え、あの、え?」
そうですよね、お隣さんだもの、そういうフラグはありますよね、ただ勇者と幼馴染とか死亡フラグにしかならないんで、いやね亡国の王子様だとかイケメン魔王様だとかならまだしも、平凡平民凡人愚民のノットイケメンな俺だとその先あるのは死。
『君の死を乗り越えて強くなるよ』フラグのための布石!恋仲フラグからの王様に奪われて呆気なく身分が云々で消えていく二段構え、勇者、恐ろしい子!
「だめ・・・かな?」
「い、いいよ」
人には死亡フラグとわかっていても取らなければいけないフラグもあるのだ、エロゲー然り、戦争然り。
その日から俺は勇者の友達になってしまった。
後勇者の中身が男であるということも分かってしまった、だって仕草がまんま男だもの、たまに素が出て男の口調だもの。
一人称俺の金髪美少女って誰得?少なくとも俺は得しない、残念だが得しない。