表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/28

第十二話「進化の光」

一週間前、僕――神谷レンは、森の主と呼ばれる強大な魔物、ランクCのトレインを退けた。その戦いで、僕のレベルは一気に上昇し、現在は19。進化の条件、レベル20まであとわずかだ。


「……今日も順調に狩れたね、ユノ」


肩にちょこんと乗った小さな精霊が、ぱたぱたと羽を広げて頷く。ユノは下級精霊から中級精霊への進化を目指している最中だ。属性は風。まだ小さな体のままだけど、すでに戦闘のサポートでは欠かせない存在になっている。


そんな彼女に小さく笑いかけながら、僕はそっと地面に倒れていたオークスカウトの死体を鑑定した。


『種族:オークナイト ランク:D レベル:12 状態:死亡』


以前の僕なら苦戦していただろう。でも今の僕には、彼らはもう脅威ではなかった。


進化前の僕、小狐(ランクG)の頃からは、想像もできないほど強くなっている。


僕はふと、己のステータスを開いた。



【神谷レン】


種族:妖狐ようこ

ランク:F

レベル:19

状態:良好


生命:600

魔力:1500

力:250

敏捷:300

魅力:850


【固有スキル】

〘韋駄天(3分間敏捷を5倍)〙


【種族スキル】

〘幻術〙


【スキル】

〘鑑定Lv2〙

〘噛み付きLv2〙

〘突進Lv2〙

〘魔力操作Lv2〙

〘魔法耐性Lv2〙

〘身体強化Lv2〙

〘身体操作Lv2〙

〘武器術Lv2〙

〘幻覚無効〙


【固有魔法】

〘変化魔法Lv2(人化)〙


【魔法】

雷・闇・火・風・水・土(各Lv2)


【加護】

〘転生神アルメリアの加護〙

効果:潜在能力を極限まで引き出す


〘魔法神ルミナスの加護〙

効果:全魔法の威力上昇/魔法知識の自動取得


【称号】

〘転生者〙《経験値2倍・固有スキルの取得》

〘魔王の卵〙《適正のある通常魔法の取得と魔力操作の取得》

〘勇者の卵〙《身体強化・身体操作・武器術の取得》



「あと1レベル……」


ユノがちらりと僕を見上げる。


「レン、また光が出る?」


「……ああ、きっと。進化の光だよ」


僕はそれを見たことがある。一度目の進化、小狐から妖狐へと変化した時。世界がまるで僕を祝福するかのような、あのまばゆい光。


「もう一体くらい、強めの魔物を倒せば……!」


ユノと共に森の奥へと進む。そこには、一匹の魔物が佇んでいた。


『種族:フォレストリザード ランク:D レベル:17』


鋭い爪、鱗に覆われた身体。動きも速く、森に潜むには最適の種族だ。


僕は韋駄天を発動。


「ユノ、援護お願い!」


「うんっ!」


風の刃が走り、敵の注意を逸らす。その隙に僕は低く構え、突進を放つ!


「突進Lv2《ブレイクスラッシュ》!」


風魔法と併用しながらの高速接近。敵の鱗にヒビが走る。続けざまに魔力操作と身体強化を駆使し、牙を突き立てた。


「サンダーバレットッ!」


雷が直撃し、フォレストリザードの身体が痙攣する。


――ドンッ!


やがてその巨体が地に崩れ落ちた。静寂。だが、次の瞬間。


【レベルが20になりました】


【進化可能条件を満たしました】


光が、僕の体から溢れ始める。


「……来た」


ユノが、輝きを見てうっとりと瞳を細める。


【進化開始】


【進化先:妖狐 ⇒ 妖炎狐】


【固有魔法《変化魔法Lv3(完全擬態)》を習得します】


【スキル《火炎耐性》を新たに獲得します】


【《幻術》がLv2に進化しました】


「これが……僕の、次の姿――!」


炎のように揺らめく銀色の毛並み。瞳は紅蓮のように燃えていた。背中には二つ目の尾。そう、九尾へ至る道の、次なる一歩。


ユノが微笑む。


「レン、綺麗……」


僕は少し照れながらも、微笑み返した。


(この世界で、僕はもっと強くなる)


――そして、出会うべき人々と出会い、運命を紡いでいく。


それが、この異世界で生きるということだ。

次回、第十三話「邂逅の風」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ