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微笑み4

2024/10月から毎日更新していきます。

次回更新までお待ち下さい。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

カオスと化した講堂を脱出した私は、すぐに家に帰ろうとした所、呼び止められた。



「シオン様、この後一緒にお茶しませんか?」


頬を赤く染めたセーラ王女様がいた。私は考える仕草をしながら首を振った。


「講堂の事を気にしていらっしゃるのなら、シオン様のせいではありませんわ!余りにもシオン様が可憐で可愛らしい事を言われたので皆様はびっくりしただけです」



そうなのかな──?

あの惨状を誘発した責任がある気がするけど。王女様のお誘いに少し考えていると後ろから別の人々が声を掛けてきた。


「シオン嬢、セーラの言う通りだ。親睦を深める為にもどうだろうか?複数で行けば心配ないだろう?」


レオン王子様も行く気みたいだ。


「王家の人達とでは息が詰まるでしょう。オレも一緒に行かせてもらいますよ」


「そうですね。では私も」


クロウ様とアーレスト様も付いてくるようだ。

どんどん増えていくな──

これって私も参加が決定してる?


「シオン様……先ほどの事を気にしているのでしたら、せめてこの学園のテラスでお茶にしませんか?美味しいパンケーキも注文出来ますよ?」


キュピッーーーーン!!!



パンケーキは私の大好物ですの!

私は目を輝かせながらセーラ王女様を見つめたの。


「あら♪お好きですの?」


コクコクッと頷く私に、男性陣はぶつぶつと記憶していた。


シオンはパンケーキが好きと……



テクテクテクッ


流石はお金持ち学校ですね。

テラスに行くだけでも疲れます。

広すぎるのですよ!全くもうっ!



ようやくテラスに着くと、そこは高級レストラン並み整っており、そこにキラキラした集団が丸い大きなテーブルに座り、その部屋を彩っていた。


『何で私がこのキラキラした集団にいるのだろう?』


シオンはそんな事を考えていた。

自分がその中心にいることに気付かずに。



ソワソワッ!!!

ソワソワッ!!!



「もう!シオン様ったら、そんなに待ち遠しのですの?」



実家に居たときは1週間に1度と決められてましたからね。………食べ過ぎて太るのでorz



すると、注文してから5分ほどで届きました。小さな丸いパンケーキが二枚重ねで乗っており、間には薄切りにした果物と、イチゴジャムでしょうか?が塗ってありました。上にも綺麗な飴細工の装飾品が飾ってあり、スープの様にバターと蜂蜜など混ぜられたソースが皿を彩っていました。リンゴで作ったウサギちゃんがポイントですね♪


キラキラッ!


「どうぞお食べ下さい♪」


位の高い王女様達より先に食べてはいけないと思い我慢していましたが、お許しが出たので食べさせて頂きます!


まずはフォークでパンケーキの端を少し切り分け、ソースを絡めてパクっと頂きました。


「ん~~~!!!」



余りの美味しさに悶えます!実家の方も美味しかったですが、いつもと違う食感と味に大満足です!


ああ、シオンの後ろにお花畑が咲きました。

そしてそんなシオンを見た周りはと言うと……



「「「可愛い!!!!」」」



なに!この可愛い生き物は!?



レオン視線

『可愛い過ぎる!彼女と付き合えたらな………』



クロウ視線

『可憐過ぎる!言葉は少なくとも彼女の表情で何を考えているのかわかる!』



アーレスト視線

『なんて素敵な笑顔をするんだ!宝石類ではなく、食事だけでこんなに嬉しそうにする令嬢なんて知らない』



セーラ王女視線

『はにゃーーーん!可愛すぎますわ!お持ち帰りしたーい♪』




などなど、それぞれ考えていましたとさ。



シオンがパンケーキを食べ終わりそうな時、クロウが一つ前に出た。


「シオン様、どうぞ私の分もお食べ下さい」



!?



「え………いいの?」



!?



『『『シオン様がしゃべった!!!?』』』



「ええ、どうぞ」


シオンは受け取ろうとしてすぐに断った。

太るからと……



「では、シオン様!一口だけどうぞ♪」


あーん♪


パクり!



「「「あっ!!!?」」」



抜け駆けしたセーラ王女に男性陣は一様にやられたと声を上げた。しかもシオンは隣のセーラ王女の手を握りありがとうと言うのだった。



『可愛すぎますわよ!シオン様!!同性愛に目覚めてしまいそうですわ!もし、ヘタレのお兄様と結婚すれば義理のお姉様になるのよね?断腸の思いでお兄様を応援するのか悩みますわ!?』



『この空気の読めない妹よ!兄の為にシオン嬢を推さないか!』


ギリギリッと悔しがる兄レオンだった。


仲が良いのか悪いのか似た者同士の兄妹でした。





愚者の声

「どうしてこの小説は癖の強い人物が多いのかな?」


シオン

「どうして愚者の声は愚かなのかしら?」


愚者の声

「ナチュラルに貶さないでよっ!」


シオン

「えっ?違ってまして?」


愚者の声

「えっ?」

シオン

「えっ?」



沈黙…………




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