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微笑み38

シオンのワンピース姿に会場はクロウの時以上に盛り上がった。


「いやー新鮮ですね!」

「こんな姿のシオンお嬢様も素敵です!」


普段、シオンがどんな姿で過ごしているのか気になる所ですね~

ふわりと舞ったワンピース姿のシオンにきゃーきゃー!と言っている時、侍女のAが次の手を打った。


「さぁ!盛り上がっている所で、シオンお嬢様にはこの姿のままで、ピアノを弾いてもらいましょう!」


えっ?

いつの間にか、音楽団からステージの横にピアノが置かれていた。


「シオンお嬢様のピアノ!?」


またシオンは諦めにも似た状態で条件反射でピアノに座ると、メジャーな音楽を弾き始めた。

それに合わせて音楽団も一緒に演奏し始めた。

麦わら帽子を被った白いワンピース姿のシオンお嬢様の姿は絵になった。


「美しい・・・まるで天使がピアノを弾いているようだ」

「いつまでも聴いていたわ・・・」


うっとりとしながら会場のみんなは聞き惚れ、酔いしれていた。

演奏が終わると先ほどとは違い、惜しみない拍手が響き渡った。


「素晴らしい演奏でした。司会の私も言葉を忘れて酔いしれてしまいました」


素晴らしかったと人々は口を揃えて讃えた。


「さて、いよいよ審査に入ります!このシンプルなワンピース姿の評価はいかに!?」


バッと使用人達は全て票を入れて30点が入った。

そして一番の何回のシオンの父親は・・・5点を入れていた!?


「なんと!先ほどは1点しか入れなかった当主様が5点を付けました!・・・・が、しかし奥様のレイラ様がまさかの3点ですと!?」


意外な点数に驚きの声を上げる司会のAさん。


「ではその内容を聞いてみましょう!」


まずは辛口の当主から。


「うむ、まるで本物の天使が舞い降りたかのようなコーディネートだった。悔しいが、私的にはこれが満点に近いと思って欲しい。ワンピース姿のシオンは天使だった。これ以上いうことはない」


当主はシオンを見つめて、その脳内に今の姿を残して置こうとしているようだった。


「そうですか。点数以外に思いの他、評価は高かったようです。ではレイラ様は如何でしょうか?」

「そうね。ワンピース姿のシオンも確かに良かったのだけれど、コーディネートと言う今回の課外としてはシンプル過ぎたわね。これはシオンの婚約者を選ぶ為のものであり、ポイントを考えコーディネイトをしたのが丸わかりよ。自分の色のドレスか装飾品をシオンに付けないのは減点ね」


!?


アーネストは驚愕して落ち込んだ。

ただ高い点数を取れば良いわけではない。

どれだけシオンに、自分の気持ちを知ってもらえるかが肝心なのだ。


「クッ、レイラ様の言う通りだ。自分が点数に意識が言って、1番大事な事を忘れていた・・・」


目を閉じて深いため息をつくアーネストにクロウが肩を叩いた。


「だが、点数は同点だ。まだ終わった訳ではないぞ?」

「・・・そうだね。まだ僕も諦めた訳じゃないしね」


2人は拳を軽く合わせて讃え合った。

そんな2人をレオンは頭を抱えながら目ていた。


『これ無理じゃないか?自分色を選べば父親から点数貰えないし、その逆だと母親から点数が貰えない。さて、どうするか?』


レオンは妹のセーラに助言を頼もうとした所で、ガシッとフレイムハート家の使用に肩を掴まれた。


「失礼致します。当主様から女性からの助言は無粋だと指示があり、レオン様にはこのまま衣装室へ入って貰います。


!?


「えっ、ちょっ・・・!?」


レオンは有無を言わさず連れて行かれるのだった。


「お兄様ーーーーーー!!!!!?」


セーラとユーリはヤバいと思ったが遅かった。


「ど、どうしましょう!?あのヘタレキングのお兄様だと、きっと時間切れで何も決められませんわ!?」

「でも、さっきまである程度は話し合っていたじゃないですか?」


「新しいアーネスト様のコーディネイトで頭がリセットされていますわよ」

「ああ・・・」


ユーリも、ありえると何も言えなくなるのだった。


「さて、シオンお嬢様の準備ができる5分の間に、ある程度どうするか決めて置いてください」


レオンはすでに頭の中が真っ白になっていた。


『マジでどうすればいい?何を選べは良いんだ?何が正解なんだ?』


いくら考えても答えが出ずに時間だけが無情にも過ぎて行くのだった。






愚者の声

「レオン君頑張れーーー!!!」


シオン

「あら?貴方が応援なんて珍しいわね?」


愚者の声

「ヘタレキングさんが哀れでね………」


シオン

「それ以上に愚者の声さんが………ううぅ」


愚者の声

「な、なんだよ!最後までいえよ~~」


シオン

哀れみの目



なんか言ってっ!?






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