微笑み36
どうしてこうなった!?
えっ?
これってコーディネートの審査だったよね?
ワァー!!!
ワァー!!!
軽快な音楽が流れて、ステージの上ではシオンがダンスを踊っていた。
頭にハテナマークを出しながら。
何故に!!!??
シオンは運動神経が良いのと、幼い頃から厳しい公爵令嬢として教育を受けてきたので、即興での音楽にダンスを合わせるのはお手の物であった。
「良い!!!良いですわ!!!!!」
「きゃーーー!!!シオンお嬢様素敵ーーー!!!!」
「こっちにも視線を下さーーーい!!!」
曲が終わり、シオンが丁寧にお辞儀をすると、審査員の侍女や執事達はスタンディングオベーションでシオンに大歓声の拍手を送った。
セーラ王女やユーリといったメンバーも大きな拍手を惜しみなく送った。
『あれ?ウケてる?』
シオンだけは、その場のノリで司会のAさんの無茶振りに振り回されて、言いなりにダンスをしたが、会場のメンバーは大興奮だった。
「生きてて良かった………」
「我が人生に一片の悔いなし!」
「あ、握手とかお願い出来ないでしょうか?」
それはもう推しのアイドルを見る目であった。
「さて、興奮の覚めない内に審査をお願いします!この姿に投票しても良い方は点数の書かれた札を掲げて下さい!」
すぐに点数の札が上がった。
「おおっと、フレイムハート家に仕える者達は全員が点数を入れました!30点!そして、この国のファッションリーダーであるシオンお嬢様のお母様、レイラ様は7点となかなか高評価だーーーーー!!!!」
そして、司会のAさんは最後に父親の方を見て叫んだ。
「我がフレイムハート家の当主様は、なんと【1点】だーーーーー!!!!これは厳しい!理由を伺って見ましょう!」
ノリノリでAさんは当主に伺った。
「一言で言えば、気に入らん!我が家のマイ・エンジェルであるシオンを自分の色で染めるなど、愚の骨頂である!我が天使は何者にも染められる事はないのだっ!!!」
ドンッとテーブルを強く叩き言い放った。
うん、親バカだね。
それもものすごく面倒くさい親バカだ。
「さ、さようでございましたか。確かに天使の様なシオンお嬢様が他人の色に染まるのは不快でございますね」
「うむ。その通りだ。だが、今まで見たことのないシオンを見れた褒美に1点くれてやったのだ」
司会のAさんは、フレイムハートの使用人として当主の不快を買わない様に言葉を合わせるのだ。
「とはいえ、38点と、なかなかの良い点でした!次のアーネスト様はやり辛くなったぞ!どうコーディネートをするのか楽しみです!」
アーネストは冷静に状況を分析していた。
『クロウ王子のコーディネートは、定番もので悪くはなかった。クロウ王子のセンスが光っていたし
、司会のAさんの言葉で、ダンスをしたのも良かったが、僕の番ではダンスはないだろう。また別の審査員が、気に入る何か言ってくれればありがたいけど………さて、どうするか」
シオンの父親の反応を見る限り、自分の色を纏わせては点数が貰えない。なら、シオンの魅力を引き出すドレスの色を選べば!?
自分色ではない、そうお出かけ用の服装をイメージしたコーディネートなどどうだろうか?
短いインターバルの間に、クロウ王子の成功と失敗を計算し、今の自分に最適な解答を模索した。
「さて、次はアーネスト様の番です!クロウ様の素晴らしいコーディネートにどう対抗するのか、楽しみです!」
アーネストは自分の頬を軽く叩き気合いを入れた。
『さぁ、始めようか!』
愚者の声
「さぁ、アーネスト君はどんなコーディネイトをするのか楽しみだね♪」
シオン
「もうコルセットは勘弁ですわ・・・」
愚者の声
「イケメン君はもっと細く見えるようなドレスを選ぶよ~~」
シオン
「ダッシュですわ~ーー!!!!」
愚者の声
「こらっ!逃げるなーーーー!!!!!!!!!」
シオン
「なら貴方が着けなさい!」
愚者の声
「なんで僕が?」
シオン
「貴方が苦しむ姿を見れば頑張れるからですわ♪」
愚者の声
「・・・ダッシュ!!!!」
シオン
「こらっ!逃げるなーーーー!!!!」




