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暗黒家族の令嬢は悪役ではないので、婿入り復讐計画を受け付けません  作者: 星琴千咲
【名演技篇】第八章 ようこそ、暗黒家族へ
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0802 継承権ルール

しかし、近年となって、秘術系の異能力者の数は急減している。


既存の能力者の力は下がる一方。


新しく生まれた秘術系能力を持つ子供は指で数えられる程度。


万代家以外の秘術系の異能力者は、ほとんど「新世界」というライバル組織に取り込まれた。


すると、万代家は方針を変えて、「精神干渉系」に一目を置いた。


「秘術系」の能力は、自然にしか生まれないようだが、「精神干渉系」は作り出せる。


万代家には異能力を「刻印」できる「聖地」がある。


リカの周りのエンジェ、ようこ、マサル、レイ、カツオ……多くの人もその「刻印」という方法で異能力を手に入れた。


エンジェ、ようこ、マサル、この三人の力は「精神干渉系」のもの。家の中心が「精神干渉系」に傾いてから、すぐ注目される「人材」になった。


エンジェの能力は、一定時間の中で、指定した人の目の中で、特定な人物になること。


ようこの能力は、一定時間の中で、指定した人を特定な人に狂ったように恋をさせること。


マサルの能力は、一定時間の中で、他人の意識に侵入し、他人の体を操ること。


使い方によって、かなり危険なものになる。


「秘術系」で有力者を釣るのに失敗する場合、力でねじ伏せるのも悪くないと万代家は考えている。


いいえ、むしろ力でねじ伏せたほうが万代家の理想により近い。


代理人を立てるより、自らの手で世界を改造するほうが望ましい。


ライバルの「新世界」の牽制がなければ、各国の大統領や議長のオフィスにすでに万代家の人が送り込まれていた。




でもあいにく、第一継承人のリカが一番嫌いな能力は精神干渉系だ。


精神干渉、言い換えれば人の意志と心を操ること。


特に、「刻印」で力を手に入れた人たちはその能力を濫用する傾向がある。


精神干渉系の人に偏見を持ってないけど、能力の濫用を止めるために、リカは精神干渉系の人と何度も衝突した。


精神干渉系の勢力が急成長した今、リカは邪魔ものだと思われるのもおかしくないだろう。


だけど、小さい頃から仲がよかったエンジェは自分の任務を破壊したこと、どうしても信じられなかった。


あかりがハッキングで取得したエンジェの通信記録を送てくるまで……




計画はエンジェとようこの雑談からだんだん形になるものだった。リカに密かに不満と嫉妬を持つ二人は「傷口」を舐めあい、リカへの逆襲を計画した。


それからレイに声をかけて、カツオを招待して、マサルを取り込んだ。


本来の目的は、リカを異世界に閉じ込めて、リカの握ている資源を山分けすることだ。そのために、リカと一緒に任務に出るほかの人たちを生贄にするのも惜しくない。




その中に、リカが一番不思議と思ったのはマサルの参加だ。


マサルはリカの祖父、万代家の第一人・天童大宇が見込んだ人材。15歳の時に、天童大宇に孫として引き取られた。


エンジェの下っ端計画に加担するより、もっといい道があるはず。


でも冷静に考えれば、理由はすぐ浮かび上がった。


リカが異世界の任務を執行する間に、祖父は病気で倒れた。今も病院で治療を受けている。




万代家は家族という名を持つだけ、実際は、血縁関係のない人たちが立てた組織だ。


新しい入族も常に受け付けている。


そのような家族を統領するのは、七人の元老で開く「お茶会」。


七人の元老は「七龍頭」と呼ばれている。




七龍頭の継承ルールはかなり特別なものだった。


下からの六龍頭の継承者は、家族に最も貢献したエリートの中から選ぶ。


履歴を綺麗にして、貢献ランキングで上位を取れば、誰でもトップ6に入る。


ただ、最上位の龍頭だけは現役の七龍頭の子孫が継承する。


現役の七龍頭の直系子孫の中で、一番に生まれた子供はトップの龍頭になる。


リカの祖父天童大宇は五代目の龍頭。


六代目の長子はある白先生と呼ばれる七龍頭の息子。


そして、七代目の長女はリカ。


もともと、白先生の息子は六代目の龍頭になって、リカは七代目の龍頭になるのは決定事項だ。


それは、血縁関係のないこの家の安定性をよりよく維持するための方法。


あるいは、上位に登った人たちとその家族の特権を伸ばせるためのルールだ。




そのルールもまた、たくさんの人の不満を招いただろう。


天童大宇は入院してからまもなく、万代家で「改革」の風が吹いた。


新世界と対抗するために、陳腐な継承制度を変更しなければならない、血筋より一番能力のある人が家のトップに立つべきと


と一部の人は強く主張した。


その結果、「お茶会」は多数決で首席龍頭の継承ルールをほかの六龍頭と同じものに変更した。


しかし、家族への貢献と個人履歴に基づいて作った新しい継承順位で、リカは相変わらず七代目のトップだった。




リカは以前から権力への関心が薄い。


エンジェたちの羨望と欲望に気付かなった。


自分の鈍感と愚かさに、リカは死ぬほど悔しかった。


もっと早く気付いていれば、仲間たちも、イズルの家族も今のようにならなくて済むかも知れない……




***


計算違いの結果になって、エンジェたちはきっとまた狙ってくる。


一刻も早くイズルの安全を確保しなければならない。


あかりの調査によると、青野翼の後ろにあるのは、確かに万代家のライバル組織――「新世界」だ。


つまり、青野翼が言った「サバイバルゲーム」を設けた組織――「新登場」だ。


あんなふざけた名前をつけたのは新世界の計略か青野翼の勝手か分からないけど、組織力で話せば、イズルが新世界の保護を受けた場合、万代家はもう手を出せないだろう。


けど、青野翼は怪しげな形でイズルに接触している。リカとイズルを利用して、何かを企んでいるのに違いない。


保護を受けたより、イズルは新世界の駒になった認識が正しいかも。


だから、リカは決めた。


どうせ安全になれないなら、イズルを「自分側」に引きずる。


少なくとも、この方法でイズルの安全を確実に守れる。


イズルの命のためにあれこれを考えたけど、リカは自分のことを決していい人と思わない。


すべては利己主義。


イズルの力を利用し、彼女自身の贖罪のためだ。



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