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暗黒家族の令嬢は悪役ではないので、婿入り復讐計画を受け付けません  作者: 星琴千咲
【名演技篇】序章 屈辱!CEOは強制契約された?!
1/112

0000 あんたの人生を乗っ取るわよ

【キャラ紹介】




万代(よろずよ)家:


家族で自称するが、本当は新興宗教団体のような組織。異能力者を集め、育て、裏で社会を操ることを目的にしている。




〇リカ:


万代家7代目の長女、継承順位一のお嬢様。


聡明で容姿秀麗だが、冷酷毒舌、融通が利かない。


逆上を狙う友人に嫉妬され、陥れられ、家から追放される寸前。




渡海(わたるみ)イズル:


大企業神農(しんのう)グループの御曹司、反逆心の強いドラ息子。


家族全員が万代家に殺された「事故」で、なぜか彼だけが異能力が覚醒し、災難から逃れた。


復讐のためにプライドを捨てて、リカに媚びを売るつもりだが、相手に本当のバカにされたみたい……




青野翼(あおのつばさ)


万代家のライバル組織の幹部。イズルの復讐に手を貸している。


性格が悪い。嫌がらせをするのが得意。




〇エンジェ:


リカの友人で、自分こそが本当のヒロインだと信じ、「悪役令嬢」のリカの人生を乗っ取ろうとしている。ただの夢女ではなく、ちゃんと手段と頭脳を持っている。




*********


*********




とある主人のいない民家の中で、侵入者は毒のような甘い囁きを吐きながら小細工をしている。


「これで、あんたのものはあたしのものになるわ」


盗聴器、盗撮カメラをベッドの下や引き出しの裏側、押し入れの隅にしっかり固定し、それから、変な文字が書かれている数枚の札を部屋の片隅に隠した。


「なんの特別な力もないあんたは、この家族の『王女』に相応しくないのよ。あんたの王位、あんたの王子様、あんたの幸運……全部あたしのものになるの。愚かな部下たちと『蛮族の世界』で余生を送りなさい。世界が変わったら、あんたのない『異能力』が生まれてくるかもしれないわ」


扉の外から足音が近づいてくる。


侵入者をここに案内した家政婦だ。


「まだですか?もうこんな時間だし、早くしないと疑われちゃうよ」


家政婦は扉を開いたら、あるイケメンの青年の姿が目に映した。


「忘れ物を見つけました。ありがとう、(みずほ)姉さん」


「青年」は嘘のことを口にながら振り返って、母親よりも年上の家政婦に愛想のいい笑顔を見せた。


「今回は本当に助かりました。あれがないと、あいつときれいに別れないからね」


「リカさんもリカさんですね。一族の長女とはいえ、好きな女子のいる男を強引に縛るなんて……お二人はきっと大変でしょう」


ゴシップ好きな家政婦はやれやれと嘆いた。


「いろいろ邪魔されたけど、幸い、皆の助けがあって、なんとかなりそう。エンジェとの結婚式で(みずほ)姉さんに前列の席を用意してあげます」


「ほっほっほ、期待していますわ」


この住宅区は特別なものだ。選ばれたものしか入居できない。


よそ者を入れるのを厳しく禁止されている。


だが、毎回も額のいい「お礼」をもらっているし、青年の態度も心地よいもので、家政婦はいつも喜んで青年に便利を提供している。


ただ、彼女が「イケメン青年」だと認識している人は、防犯カメラの中で映された姿は、イケメンでも男性でもなく、青色の染髪を持つ細い女子だった。


――


数か月後、真冬の夜に、その民家の主人の少女は、呪われたように血まみれな姿で森の祭壇に倒れた。


――


人生の乗っ取りが、成功した……?

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