7:ワイが俺で!俺がワイで!
ど、どこだココは?
なんか、頭痛い――
むむ~っ……
はうあ!
思い……出した……
俺は確か小銭稼ぐためにTuber Eatsに登録し、配達中だった。
そん時、クソじじいが乗ったプリウスが突っ込んできて、俺はおしゃかに。
しかし、神とかぬかす幼女が現れ、どっかに俺を転生させたんだった。
んで、今、プリウスみてーな女が俺にぶつかってきたんだ!
なんか――
なんか、無性に腹が立つ!
なんでこう、踏んだり蹴ったりなんだよ、俺の人生は?
それにしても、なんで俺は制服を着てるんだ?
しかもこりゃ、学校の制服か?
いくら見た目が若いっちゅーても、アラサーのおっさんの俺が高校生チックな制服着るのは、さすがにコスプレ感が強過ぎんだろ!
――いや、待て!
落ち着け、俺!
なんか、なんか重大な点を見逃してるぞなもし!
あっ!
記憶が……
こんがらがった記憶が、なんとなく繋がったぞ。
――ああっ!
なんてこった!
この鬼龍院日和が、ローリー・ペドリャフカとかいう巫山戯た名前のヤツになってる!
なんだよ、ローリーって!
どんだけ、ロリとペドが好きなんだよ!
まあ、好きだけども!
いやいやいや、そんなこたぁ~どーでもいい!
ローリーが持ってる記憶が、要は俺がこっちに転生してきた記憶ってことなのか?
あれ?
異世界転生って、こんなに前世、っつーか元の世界の記憶を引っ提げたまま、きちゃうもんなの?
むしろ、こっちの記憶のほうが、ふわ~っとしてて、あんましっくりこねーんだけど?
それにしても、俺としての目覚めが、なんで“今”なんだよ!
新しく入学した学校への登校初日?
もう少し、日常生活のどこか、入学前の余裕ある時期とかさ~、色々あるでしょーよ、こっちの世界に馴染むための期間、チュートリアルみてーな練習期間がさぁ~?
急、過ぎない?
確かに俺は学園生活を望みゃ~したが、いきなり過ぎんだろ!
あの幼女神、仕事がザツ過ぎんだよ、まったく!
ま、今更怒ったってしょーがねぇ~わな。
目覚めちまったんだ、俺は。
ローリーにゃ悪ぃーが、これからの学園生活はこの俺、鬼龍院日和が順風満帆に営んでやるからなッ!
悪く思わんでくれよな――
さて、と。
この我立羅漢英雄塾って学校の記憶はあるにはあるんだが、ローリー自身がまだこの学校を知らんので、当然、俺自身もよく分からん。
まあ、登校初日ってんだから、入学式的なもんがあるんだろーけど?
ああ、やっぱ校門に幟っちゅーか、看板みてーなの立っとるな。
取り敢えず、学内に入って、式場みてーなトコ、目指すか。
校門をくぐり、校内に一歩足を踏み入れる。
――その刹那、
タララッタッタッタ~ン!
なんぞ!
なんか、変な音鳴った。
ドコから?
おっ!?
魔王辞典が光っとる。
どした?
本を開くと、勝手にページがサラサラとめくれ、光り輝く箇所で止まる。
なにか、なにか文字が浮かび上がっている。
なんだ、――
――コレは!?
<きりゅういんひよりはれべるが1あがった>