第43部分 接近者③
「フリットそろそろ見張りを交代してくれ」
大きくあくびをしながら、眠たい目を擦りながら気持ちよさそうに寝ているフリットを揺さぶり起こす。
「う〜ん、まだ寝ていたい....」
「いい加減に起きろ!ごすっ!」
「くぅ〜痛え....わかったわかった」
「....もう、朝?」
「ああ、ハル。起こして悪かったな」
「こいつの起こし方が乱暴すぎるからだよ!」
「まだ朝じゃないんですね、じゃあまだ寝てます....」
「いい加減にフリット起きろ!」
起きてるよ。ところで水はないか?
水か....ちょっと待ってろ。
ー・ー・ー
ほら、水だ。
ありがとう。じゃあ、スルネインは寝てくれ。
ああ、後半は頼んだぞ。
わかったよ。おやすみ。
ああ。やっと寝れるよ。
何も来ないといいんだがな。そうだ、武器の手入れでもしておくか。水はどこだっけ?
確か、俺のポケットにろうそくが、入っていたんだが、どこかで落としてしまったかな?
あった、あった。よかった〜
水を発見!もらってもいいよな?
俺の武器にも魔法銀が、薄く層を張ってくれて錆びにくい。とはいえ、いつまでも血糊がついているのは嫌だから、手入れ用の布で拭いておかないとな。
....こんなもんか?蝋燭の光だといまいちちゃんと拭けたかどうかがわからなかったり拭き残しがあることがあるから嫌だなぁ。
まあろうそくが、なかったらさらに真っ暗だろうから贅沢は言えないんだけどね。
あれ?ここら辺の刃がこぼれているな。また暇になったら、トラムに直してもらわないとな。
あいつの腕はいいからきっと直してくれるだろうしな。
ー・ー・ー
おお、ダッチ目が覚めたか?
俺は助かったのか?
ハルのポーションのおかげで助かったんだよ。
そうか....ハルになんとお礼を言っていいか。
もう大丈夫なのか?
ちょっとやられたところが痛むくらいですよ。
そうか。まあ、まだ夜だから、寝ておいたらいいんじゃないか?
そうですね。見張りをかわらなくてもいいですか?
怪我が治ったとはいえ、完全じゃないんだから寝ておけ。
ありがとう。
いいってことよ。警戒は任せておけ!
じゃあ、よろしくな。
はいよ。
ー・ー・ー
夜が明けてきたな....
何もモンスターたちが、襲ってこなくて良かった。寝込みを襲ってきたら、まずいからそれを回避できたのは運がいいな。もうちょっとしたらみんなを起こしますか....
およそ30分後〜
起きろ〜そうだ、あとダッチが、目を覚ましたぞ!
なに!それは本当か?
助かったのね。良かったわ〜
みんなが、飛び起きてくれたから起こすのが楽でいいや。
ダッチが死んでいない!よかった〜
なんでだよ?
夢でダッチが、死んでしまう夢を見てしまったんだよ。
縁起でもないこというなよ。
そうですよね、助かって良かった〜
おはよう。心配かけてすまなかったね。
ダッチ〜俺は嬉しいぞ!
スルネインさんひっつきすぎですよ!
ハルの言うとうりだわ。ダッチが困っているじゃない。
それはすまない。
ハル、君の持ってきてくれたポーションのおかげで助かったよ。君になんてお礼を言ったらいいか....
困った時はお互い様だろ?
ハル....ありがとう!
ダッチも気を抜いていたのが悪かったんだからみんなも気をつけような。
そうですね。
そうね。まだ低い階層だからってなめてはいけないわね。
僕も気をつけますよ。
ダッチ?お腹は空いていない?
ああ、ポーションを服用したあとだからかなりお腹が空いているよ。
そうだと思って、昨日のダッチの分の夕食だよ。
ハル、ありがとう。やっぱり物体収納袋は便利だね。
そうだね。食べていいよ〜
でもみんなは?
干し肉とかを食っているからいいぞ。
ありがとう、僕が昨日に気を抜いていたせいで....
おいおい、泣くなって、なあ。誰にでも失敗はあるんだからさ。
そうだよ。
そうよ。私だって、自分の失敗で命が危ない目にあってしまったこともあるんだから。
そうだ、誰にでも失敗はあるんだからしょうがない。次にそれをどう生かすかだなって思うぞ。
ダッチさん、まずは助かったことに喜びましょうよ。
みんだ、ありがどう!
仲間だろ?
そうだぞ。
そういえば、「流血ツリーもどき」のてっぺんの枝だけとっておかなきゃいけないな。
どうしてですか?
ん....ああ、ハルは非生物系モンスターは初めてか。「流血ツリーもどき」の場合はてっぺんにある枝が討伐した証になるんだ。また、これは杖の材料になったりもするから、結構高価な値段で買い取ってくれる。特に危険な「流血ツリーもどき」だからな。
とるときに棘に気をつけろよ?
わかってるよ。だいたい30センチくらいできるんだよな?
ああ。じゃあ、ハルの物体収納袋に入れておいてくれないか?
わかりました。棘に気をつければいいんですよね?
そうだな。
ー・ー・ー
ダッチ?動けるか?
まだちょっと痛いくらいかな?
そうか....じゃあ、今回は第8階層の晶洞の間までにするか?
そうですね。クリスタル採集だけやってから帰ったほうがよさそうですね。
私もそれでいいと思いますわ。
ダッチ、いいのか?ここから引き返してもうダンジョンを出るって手もあるのに。
いや、もう決めたことなんだ。
ダッチがそうやっていっているから、それで異議はないか?
ダッチがそう言うならいいか。
じゃあ、みんなで協力して8階層まで行こう!
「「「えいえいおーっ!」」」
ー・ー・ー
現在7階層〜
アイアンリーフの倒したモンスター
・ゴブリン 30匹 回収したもの、魔石のみ。
・オーク 2匹 魔石と肉
・プレーンオーク 3匹 魔石と肉
・キラー・ビー 6匹 魔虫石
・流血ツリーもどき1匹 てっぺんの枝
肉や魔石はハルの物体収納袋の中に入っている。
ー・ー・ー
あともう少ししたら、8階層だから頑張ろうな。
おっ!8階層につづく穴はあれじゃないか?
おお!あったー!
ちょっと待ってろ、松明を作るよ。
よし、じゃあ入るか。
おお!やっぱりいつ見ても綺麗だなぁ。
そうね〜松明の明かりに反射してとても綺麗....
大きい結晶ですね〜大きいもので2メートルくらいありそうなものもありますよ。
じゃあ、ハルくん頼んだぞ?
任せておいてください!
じゃあ、俺たちもハルがアイテムボックスに入れやすいように集めよう。
ー・ー・ー・ー
やっぱり、物体収納袋はすごいなぁ。
そうね。私たちが集める早さをゆうに超えていたわね。
もう動けない....
大きい結晶を運んだ時に腰をちょっと痛めたかも....
ヨームさん大丈夫ですか?
まあ、大丈夫だと思う。やっぱり、物体収納袋はすごいね。
これなら、かなりの収入が見込めるかもな....
じゃあ、7階層に戻って明日には、ダンジョンを出れるようにしましょ。
そうだな。戻ったら、テントを張って食材探しにでもいくか。
そうね。それならいいんじゃない?
じゃあ、戻るぞ〜!
ー・ー・ー
そういえばさ、ハルの物体収納袋アイテムボックスの中にオークの肉が、入っていなかったっけ?
言われてみればそうだったな。よく言ったぞ、フリット。
じゃあ、野菜系や果物系をとればいいんじゃないかしら?肉はあるんだし。
そうだな。ハルの物体収納袋アイテムボックスのおかげで普段ではできない量の肉を確保できているから食べても大丈夫か。
じゃあ、こんなにも人はいらないんじゃないかな?
そうね。二つに分かれて一方は野菜系や果物系を探したりして、もう一方はテント張りや、焚き火の準備の方が効率がいいんじゃないかしら?
じゃあ、ハルとフリットとヨームで行くか?
あの....8階層でちょっと腰を痛めてしまったので、後者の方に回してくれると嬉しいのですが....
そうか、じゃあ俺が代わりに行こうか。
ありがとうございます。テントを張るのはどこにしますか?
う〜ん....あそこでいいんじゃないか?なんか、ひらけていてテントを張りやすそうだし。
前に、どこかのパーティが使っていたのでしょうかね。ダッチ、これテント。
ありがとう。
そうみたいだな。だって焚き火の跡だと思うあとがあるからな。
じゃあ、そこにテントを張るおいてくれるか?
わかりました。任せておいてくださいよ。
頼む。じゃあダッチは無理をするなよ。
わかったよ。ありがとう。気をつけていってきてくれよ?
分かっている。ちゃんと気をつけていくさ。
みんな気をつけて行ってきてね〜
ああ。メルタもテント張りをよろしくな。
任せといて!ちゃんとやっておくから。
ー・ー・ー
おっ!ここら辺は結構果物がなる木がたくさん密集しているな。
そうですね。ですが、「ツリーモンキー」がいそうな気がするんですけどね。
そうだな....縄張りだったら嫌だからさっさととって違う場所に行くか。
そうですね。
あの、「ツリーモンキー」ってなんですか?
猿みたいな魔物で普段は大人しいんだが、自分の縄張りに侵入した時や、食事中に襲うととても凶暴なやつだから、その凶暴さゆえによく近隣の村から討伐依頼が出ていることがあるよ。
木の上からの攻撃なので、結構めんどくさいですよね。
生命力も強くて、魔石を取り除かないと、回復していって逃げちゃうんだよな。
めんどくさそうなモンスターですね。
そうだからっ、はやくとっていくぞ。
そうですね。
ハルこれを頼む。
わかりました。
おお!ヤマモルの実があるじゃないか!俺これが大好きなんだよね〜
美味しいですよね〜
おっ!ハルも食べたことがあるのか。これ美味しいよな。じゃあ、これも頼む。
わかりました。
ハルさんこっちもお願いします。
なんだか、とってもらったものを、アイテムボックスに入れているだけの一番簡単なことをやっていてすみませんね。
いや、それは一番重要な仕事だといってもいいぞ?なあ、ヨーム。
そうですよ。ハルさんがいなかったらこんなにも大量に収穫できないですからね!
それは良かったですよ。でもちょっと時間をかけすぎたみたいですよ....
....まずいな。じゃあ、最後にこれを頼む。
ハルさんこっちも!
わかりました。
6匹ですか....
6匹ならまだいけるかもしれんな。
そうなんですか?
10匹以上いなくて良かった。
10匹なんて相手をしたくありませんよ。
キッ、キキッ!
じゃあ、魔法で先制攻撃を仕掛けますよ!
頼む!
よろしく!
散火球ストロームファイヤーボール!
ギャ、ギャギャ!キーキキッ!
やっぱ、ヨームは散火球ストロームファイヤーボールだな。
見事ですね。
当たって落ちてきたやつを狩るぞ!
もちろん!うおぉぉぉ!
ギェ!ギャッギャ!ギュー....
魔石はどこだ?ちっ!邪魔をするな!
ギャー、ギャギャ!
やっぱヨームさんやスルネインはすごいな。手際の良さがこっちと段違いだよ。
魔石はゴブリンより一回り大きいんだな。
おい!ハルは大丈夫か?
ええ、そっちも大丈夫ですか?
ヨームがちょっと負傷したくらいだ!この群のリーダーが来る前に離脱するぞ!
ヨーム!大丈夫か?
やられたのは、腕だけです。とりあえず、ここから早く離れましょう。
ハルは大丈夫なんだよな?じゃあ行くぞ!
ー・ー・ー・ー
はぁ、はぁ、はぁ....ここまでくれば大丈夫だろう。ヨーム大丈夫か?ハル、俺の荷物を出してくれないか?
わかりました、ちょっと待っててください。
え〜っとこれでしたっけ?
そうだ。ポーション、ポーション....あった、あった。ヨーム、ちょっと苦いだろうが我慢して飲んどけよ。
ありがとうございます。....やっぱり、中級のポーションが一番苦いような気がします。
その気持ちは、よくわかるがポーションを飲んでおかないと傷口が開いたままだからな。
背に腹はかえられませんね。
そうだな。
傷口が、たった一本のポーションで治っていくのは不思議ですね〜
そうだな。じゃあ戻ろうか。ヨーム、大丈夫か?
ええ、なんとか大丈夫そうですね。
やっぱりダンジョンは、大怪我をしたりしますね。
ハルは、まだ大きな怪我してないよな?
そう言えばそうですね。
元々の実力があるのかもしれないなって思う。俺たちも負けないようにしないとな....




