第10部分 武器注文
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2019年4月8日〜2020年11月21日(土)
:誤字の訂正や、改稿、古いバージョンからの移行を進めています。
「久しぶりじゃないか〜ダッチ!」
ダッチと会ったのが久しぶりだったこともあり、とても嬉しかった。
「お久しぶりです、トラムさん」
「今日は何かあってここにきたんだろう?」
久しぶりに訪れたと言うことは何か用があってのことだろうと思い尋ねる。
「そうだ、今日は最近友達になったハルの武器を見繕って欲しいんだ」
「そいつか?」
ダッチの後ろにいた少年を見ながら言った。
「はじめまして、ハルです」
ダッチは慣れているようだが、こっちはどんどん話を進められていくので簡単な返事をするだけで精一杯だった....
「おうっ!よろしくな」
笑顔で、挨拶をしておけば今後とも友好な関係を築いていけると知っている。だから、どんな人にでもいつもと変わらぬ挨拶をした。
「こちらこそ!」
「俺の名前はトラムだ」
自分を親指で指差して挨拶する。
「トラムさん、よろしくお願いしますね」
トラムさんは年上だったので迷うことなく敬語で話し始めたが....
「敬語はやめてくれ、むず痒い」
冒険者との会話に慣れているせいか敬語がむず痒く感じ、受け付けなかった。
「ですが年上ですし....」
「ハルは、ダッチよりも敬語がなっているな」
敬語を使ってくれるのは嬉しいが、なんとなく自分に対しては敬語を使ってほしくなかった。
ダッチの友達ならばなおさら....
「おいおい、トラム。俺もちょっとは敬語だろ?」
「まぁ....ちょっとだけな」
ダッチとの付き合いは長いが、奴は最初から敬語ではなかった。まぁ、ある意味距離が近く感じれたから良かったんだけどな。
「じゃあ....ハル、ついて来るといい」
「わかった」
年上に対して敬語を使わずに話すことに少し戸惑いがあったが、まぁ普通に言えたと思う。
「そんな感じの言葉使いでいいぞ」
敬語で話さなくなったことによって、ハルトの距離が少し狭まったような気がしていた。
「はい....」
敬語の方が使い勝手が良かった。
だから、敬語ばっかりを使っていたのが仇となってなんとなく気まずい。
「あっ、トラム!一つ言っておいていいか?」
「今度はなんだ?」
「ハルはギラン先生と互角くらいだから」
「了解、狭いがここを通ってきてくれ」
「狭いですね」
物や、材料と思われるものが山ほど置いてあって、すれ違うことが難しいくらい狭かった。
「頭上も気を....」
そういえばと思い、振り返った時にはもう遅かった....
ゴン....
鈍い音とともに痛みを堪える声が辺りに響いた....
「う....もっと早く言ってくださいよ」
「悪い....もっと片付けをした方がいいかもしれないな....」
「もっと....じゃなくて、すぐにでも片付けをするべきですよ」
「あ〜....気が向いたらな」
「....」
[それだけ忙しいのかな....]
ー・ー・ー
「一般的な剣はこれかな?」
「様々な種類があるんですね」
「ああ、ハルの場合だと....アダマンティスを使った武器はまだ無理だろうなぁ....」
見る限り鍛えてはいなさそうだし、腕は細かった。
だから、素材の中でもかなりの重量を誇るアダマンティスは難しいのではないかということを考えた。
「これですか?」
他の武器とは違った光沢をしている武器を持った....
自分に合わない武器を使うと、戦いにくいことはもちろん身体に過剰な負荷をかけてしまうので良くない。
「そうだ、無理して持つなよ。手首を痛めるぞ?」
「そんなことないですけど....」
確かに重かったが、頑張れば持ち上げることはできた。
「そんなバカな....お前まだ10歳くらいだろ!」
そんな細い腕で持てるのが驚愕せずにはいられなかった。
「ええ、年齢は大体それくらいです」
「じゃあ....この剣を振ることができるのか?」
「いえ、長時間持っているのはきついですね」
「そうか....」
持つことができるのならば、耐久性にも優れているアダマンティスをオススメしようかと考えた。
「この武器は、自分にあっていない気がします」
「使いもしていないのにか?」
いわゆる....直感ってやつかな?たまにいるのでそこまで気にならなかった....
「この武器は自分には無理だと考えました」
さすがに重いし、これを振り回すだなんて想像がつかなかった。
「う〜ん....じゃあ、レイピア系統で考えてみるか?」
「レイピア?」
レイピアと翻訳された以上、地球にもあったようだが全く知らない用語だった。
「えっ!?レイピアも知らないのかい?」
「武器の知識があまりなくてですね....」
「実物を見せた方が早いからちょっと待っててくれ....」
ここよりもさらに奥にサンプルがあることを思い出したのでそれを持ってこようと考えた。
ー・ー・ー
「これがさっき言っていたレイピア、後は系統のスモールソード、サーベル、マインゴーシュなんかどうかな?」
「かっこいいけど、ちょっと物足りないような気がしませんか?」
「おまえ、ちょっと贅沢だな....かなりいいセレクトなんだけどな」
「なんかすみません....」
「ダッチの紹介だからな....この武器は、初心者でも扱いやすいものなんだけどなぁ」
「いい武器....」
「う〜ん....なんか使ってみたいなって思う武器とかあるのか?」
「そうですね....刀という武器はありませんか?」
「....刀ってなんだ?」
鍛冶屋をやって長いが、初めて聞く武器だった。
「知らないですか....」
刀がいいと考えてしまうだなんてやっぱり、心も男性になってしまったのかなぁ....
日本にいた時は刀なんて無縁の代物だったのになぁ....
「知らないなぁ....」
「この店の奥とかに鍛冶場ってありませんか?」
「ああ、もちろんあるよ」
「ちょっと使ってもいいですか?」
「別にいいけど、おまえ鍛治できるのか?」
「わからないですが....」
「わからないって....まあいい....ザード、まだかかりそうだ」
「分かったよ。でも、なるべく早く戻ってきてくれよ。こっちも忙しいんだから」
「わかったよ。じゃあハルこっちに来てくれ」
「ありがとう。忙しいのに....」
「そんなこと思うなら、早く戻ってきてくれ」
「了解、」
ー・ー・ー
「鉄塊をちょっともらっていいですか?試しに加工して見せますよ」
「わかった、じゃあ鉄塊を奥から出してくるよ」
「助かります」
ー・ー・ー
「持ってきたぞ〜これが鉄塊だ」
「ありがとうございます」
「その鉄塊、一応精錬してあるからこのままでも使えるよ」
「トラムさん助かります」
『意思疎通魔法、刀作製!』
無詠唱を使って見た記念すべき1回目は刀作りか....
友達が聞いたら物好きな奴だと思われるだろうな。それよりも、作れなかったら厨二病みたいで恥ずかしいな....
「....」
「できました....」
「えぇぇーーーー!」
どっ、どうなっているんだ?できちゃったどころじゃないでしょ!
「あ、あの、これが刀です....」
「....ほう、これが刀か」
「....」
「納得できるかっ!なんだその作り方はっ!」
[いったいどうなっているんだぁぁぁっ!]
「ですよね〜」
「....それにしても初めて見る形状だ」
「似た武器もないのですか?」
「見たことはないなぁ....これは、なんていうか、切ることに特化しているな」
「確かにそうかもしれませんね」
「うむ....」
「では、それを、中は鉄で外側をアダマンティスで包んだ刀を注文できますか?」
「やってみよう。魔法金属も薄くして表面に塗布しておくよ。そうすると錆びにくくなるからな」
「本当ですか!」
「できる限り手を尽くしてみるよ」
「長さはこのさっき作ったくらいでお願いします。長すぎても、抜く時に大変ですのでね」
「1つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「なんでしょう?」
「なんで、アダマンティスだけで作ってしまわないんだ?アダマンティスは、とても優秀な金属だぞ?」
[重たいのが難点だが....]
1つの素材だけで作ってしまうと、刀は細いので、折れてしまいかねない。だから柔軟性に富む素材で芯を作りその周りをアダマンティスという素材で包んだ方がしなやかになるんじゃないかな?と思ったからです。
「確かにそうかもしれないな....」
「はい....」
「わかった!やってみよう!どうかな、2ヶ月か3ヶ月くらい待ってくれないかな?それまではレイピアを使ってもらうとして、金貨10枚でどうかな?」
(日本円で金貨10枚だと100万くらいですね。)
「えっ、ちょ、ちょっと高くないですか?」
「う〜ん....じゃあ、ダッチの友達でもあるから5枚でどうか?流石にそれ以上は安くはできないよ」
[今回のハルが頼んでいるものを仕上げようとするとかなり難しい工法も入るから金貨5枚は結構譲歩した方だからな!]
(金貨5枚は日本円で50万くらいですね。)
「じゃ、じゃあそれでお願いします」
[くっ、高いな....]
「交渉成立だっ!前払いで金貨1枚いいかな」
「わかりました」
「まいどありっ!証明書だ。あと、貸し出し用のレイピアだ。早くて2ヶ月後期待しといてくれよ」
「楽しみにしています」
ー・ー・ー
「はぁ....」
次から次へと依頼をこなしているのに、一向に終わらない。あまりの忙しさで過労死しそうだと自分でも何度も考える時があった。
そして、いつまで経っても帰ってこないトラムが恨めしかった。
一応、日雇いを雇っているとはいえ、それでも忙しい。早急にまた募集をかけて人員を増やそうと心に誓った。
最後まで読んでくださりありがとうございます 。
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