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異世界は生きている  作者: 宮原 匠
第1章 驚異的な適応能力
14/409

第8部分 生活保護ギルド

2019年3/27:誤字と一部の改変を行いました。


2019年4/8:誤字があったのでまた訂正しておきました。


2019年7/31:仕様を変更しました。




2020年2月2日:途中までVer.3に変更しました。


次の改稿、cooming soon!


2020年2月4日:Ver.3に変更が完了いたしました!ありがとうございます!

 2月3日は、節分でしたね。恵方巻、豆まきと恒例行事はやりましたか?

恵方巻、美味しかったなぁ〜


2020年5月17日:Ver.6への移行を開始いたしました。

 それなりの時間を要するので、あらかじめご了承いただけたら幸いです。


2020年5月20日:Ver.6へと移行途中ですよ〜


2020年6月20日: V er.6へ移行途中。


2020年7月23日:Ver.6へ移行作業が完了しました!

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆




 外は強い日差しで暑く感じたが、建物の中は日差しはないので外よりも涼しかった。



「こっちこっち!」

 ハルの腕をつかみ、受付をするところまで連れて行こうとする。


「わっ、わかったよダッチ」

 少し強引ではあったものの、ハルはダッチに身を任せた。


ー・ー・ー


「俺、図書館行ってるから」

 そう言って、この場を立ち去ろうとする。

 自分は、ハルなら1人で手続きをやれると思っていた。


「まっ、待ってよ!ここに居てくれないの?」

 手続きが終わるまでは、ずっとそばに居てサポートしてくれるのかと思っていた。だから、かなり驚いた。

 自分にとって、経験したことないことなので心配だった。


「大丈夫だよ、受付の人がほとんどやってくれるから」

 親の付き添いで契約を交わした事があったが、思った以上に自分がやる事は少なく一瞬で終わったことを覚えている。

 だから、世間知らずなハルであっても一人で登録をする事ができると考えたようだ。


「わかった....」

 ダッチの言葉を信じ、受付に挑む。

 正直言って、緊張のあまり手汗がすごかった気がする。


「今回のご利用は、はじめてですよね?」

 今日はいつも通り忙しくもなく、目の前で起こったことを暇だったので眺めていた。

 そして今、私の目の前にいる子は明かに初めてここを訪れたことが先程のやり取りでわかった。


「はい、そうです」

 頷き、質問に対して肯定だということを返す。


「では、生活保護ギルドでできることを言いますね」

 アニュアル通りの対応で、慣れた口調で話していく。

 これで私は安定した給料をもらえるので、本当に安全で楽な仕事だと思っている。


「わかりました」


「1ヶ月生きることに必要最低限のお金を支給しています」

 少しでも贅沢しようものなら、全然足りないくらいの本当に必要最低限の金額であることを主任から聞いている。


「具体的にどれくらいの金額?」

 一般的な1ヶ月暮らすための費用がどれくらいかかるのかが知りたかったので質問した。


「物価の変動にもよりますが....だいたい銀貨4枚が支給されます」


「ふ〜ん....ところで学校ってありますか?」

 銀貨4枚で1ヶ月暮らすことができると受付のおかげで知ることができた。

 自分の所持金があまりにも高額であったことを改めて知って頬が緩んだ。


「生活保護ギルド学校のことですね。つまり....入学プランですか?」

 え....なぜ笑っているのかしら?心の中で首を傾げた。

 目の前にいる子が、なぜか急に頬を緩めたので何か面白いことでもあったのかと気になる。


「多分それだと思います」

 学校という言葉が、異世界にも通じ安堵する。


「....一般的にいえば少し遅い入学になりますが構いませんか?」

 目の前にいる子は、どう見ても10歳くらいだった。入学時期がかなり遅れている場合だと社会に出ていく年齢も当然遅くなる。

 劣等感を味わい、つらい思いをしてしまう可能性を心配していた。


 なぜか、急に受付の人は心配そうな話し方になったので疑問に思い尋ねてみた。

「だいたいどれぐらいの年齢なんですか?」


「1年生は、平均で5歳ほどが多いですよ」

 手元にあった資料をめくりつつ指でなぞりながら話す。


「か....かなり年下ですね」

 自分は、おそらくだが10歳くらいだろうと思っていた。だから、1年生との年齢差が開いているのがネックだった。


「どうされますか?」

 自分と普通に会話できていることから、入学しない方法もあるのではないかと考えていたが....


「....入学させてもらいます」

 いずれにせよ、この世界のことは全く知らないに等しい。だから、入学する他選択肢は自分にはなかった....


「かしこまりました、入学金として銀貨6枚が必要です」

 とりあえず、マニュアル通りに言ったが親がいなかったので入学金は支払えないと思っていた。


 カウンターにいる女性の考えを裏腹に....

「あの....これでいいですか?」

 腰につけてあった布製の袋からさっき両替してもらった銀貨6枚をカウンターに出す。


「持ってるんですね....確かに銀貨6枚頂戴いたしました」

 普通なら銀貨6枚は大金なので親が同伴してくるのが世間一般的だ。

 目の前にいる子は平気で大金を出したことに驚きを隠せなかった。


「何か驚くことでも?」

 一般的に言えば銀貨6枚は大金だった。だが、ハルの感覚では、持っている金額に対してちっぽけな額だったようだ。


「はっ、はい!あとはここに名前とを書いてください」


「これでいいですか?」


「はい、ではこの紙を預からせていただきますね」

 そう言って、手続きを完了させるために奥の部屋に行くのだった。


ー・ー・ー


 少し経ち....



「登録が完了しました。明日から忘れずにギルド学校に来てくださいね」

  登録し終えた会員証を、ハルに渡しながら伝えた。


「これでもう終わりでいいんですよね?」


「いえ....今日のお時間は大丈夫ですか?」


「まだ何かあるの?」


「少しだけ調べさせてもらいたいことがあるので....」

 基礎的なことがもう備わっていれば、飛び級制という制度を使って学年を少しでもあげることができる。このことを知っていた受付の女性は、試させてみようという考えがあった。


「わかりました。調べさせて欲しいこととは?」


「それは、ハルさん、あちらの人が案内してくれますのでカウンターに行ってください」


「は、はぁ....」

[まだ何か手続きがあるのか....どこの世界でもめんどくさいなぁ〜]


「これが案内許可証です。これを渡してくださいね」


「わかりました」

 了解したことを伝え、言われたカウンターの方へ歩いて行った。



ー・ー・ー


 カウンターにいたのは、いかつい身長の高めの男性で彼は居眠りしていた....



 寝ているのに、起こすことを申し訳ないと思った。だが、起きるまで待っても時間の無駄なので手を強く握りしめ、思い切って挨拶した。

「あの、すみません....」


「んはっ!?なっ、なんだ!?」

 誰かに声をかけられたような気がしてあたりを見渡す。いつの間にか居眠してしまったようだ。


「大丈夫ですか?」

 あたりをキョロキョロ見渡している、目の前の男性が心配になったので声をかけた。


「おっ、おう!心配してくれてありがとな」

 自分に声をかけたのは、オーレックさんではなく目の前にいる少年だったことが分かり安堵した。


「あの、これを....」

 見た目の割に接しやすかったのでなんかよかった。さっきの許可証のことを思い出したので許可証を渡した。


「お〜新入生か!その許可証はこちらで預かっとくからな」

 その少年から差し出された許可証が本物かどうかを見て、本物であるということが確認できたので次の段階に進んだ。


「わかりました」


「俺の名前は、ギランとでも呼んでくれ。さっきの居眠りしてたの黙っていてくれないかな?」


「こちらこそ....さっきのですね?まぁ、別にいいですよ」

 面白いものを見たと思い、細く微笑ほほえんだ。


「ほっ、本当か!ありがとな」


「そこまで喜ぶんですね.....」

 先ほどまでは落ち込んで表情も暗かったのに、自分の答えを聞いて急に元気になったが面白かった。


「昔は、冒険者やってたけど、一悶着あってだな....最近引退したんだ」



 今後の依頼に支障をきたすほどの怪我や精神の損傷が見受けられると判断されると、本人の意思関係なく冒険者の階級を剥奪される。

 それは、怪我した冒険者が無理やり依頼に行って死亡させないためでもある。

 ギランの場合は、足の負傷で職員も復帰が困難と判断したので他の職を斡旋し、今に至っているようだ。




「え....でも絶対不利じゃんっ!」

 経験の功と言うものから、まったくの初心者である自分には最悪と言っていいほどの悪い相手だった。


「負けることがわかっているからそこで諦めるのか?」


「初心者がどう経験者にあらがうって言うんですか....」

 もし、少しでも経験や体験さえあれば、ここまで挑発されたのだからぶつかり合う以外の選択肢は自分にはないだろう。

 しかし、竹槍は握ったことがあるもののこんな物騒な武器でやりあうなんで勇気がいくらあっても足りない。


「ふむ....確かにそうだな」

 まったくの初心者だということには耳を疑ったが、嘘をついているようには見受けられなかった。

 確かに、自分の提案があまりにも唐突すぎたことを少し、いや本当に少し反省した。


「あっ、ありがとうございます....」

 よかった、納得してくれた.....その思いを胸に、ほっと胸を撫で下ろすことができた。


「君には1つ借りがあるからな」


「借り、ですか....」

 一瞬なんのことか忘れていたが、ふと思い出して黙った。


ー・ー・ー


 無事、訓練場から出て少し歩いたらそこそこ大きな建物が木々の隙間すきまから見えてきた


「あれが寮だ」

 前方に見える建物を指差しながらハルに教えた。


「かなり大きい建物ですね〜」


「ここまで来たらあとは自分で行けるよな?」

 最初なんだあらついてきてくれるのかと思っていたら、意外と自主的だった。


「まぁ、たぶん大丈夫だと思います」

 前方に見えるあの建物が学舎なのだろう。近くに行けば、誰か親切な人がいるだろうしもしかしたら普通に行けるかもしれなかったのでうなずいた。


「お前の部屋は....067号室だな。これがその部屋の鍵だ」

 そう言って、受付の人から預かっていた鍵。それをしっかりとハルに手渡した。


「ありがとうございます」


「向こうに見える建物が学校だから覚えとけよ」


「へ〜....わかりました」

 親切にも教えてくれてギランの評価がハルの中で少し上がった。


「ちなみに、その隣にあるのが訓練所だからな」


「ギランさんわかりましたよ....」


「なんだ?ずいぶん嫌そうだな」


「....気が変わった。今から行くぞっ!」


「えっ!?えぇぇぇっ〜」

 腕を強く引っ張られていこう虚しく引きずられている。



ー・ー・ー


〜図書館の窓から〜


「....」

 ギラン先生に学舎の案内されているハルを窓から見ていたが、何故かまた戻ってきた。

 ....これはもしかしたら訓練場かな?自分も受けたことがあったのでただただ優しい眼差しで見送ってやった。


「うう〜」

[ダッチから聞いてないよ〜ぐすん....]


「お前は、どんな武器使うんだ?」


「....初めてなんで、剣から練習します。」

[歴史で習った中世の武器みたいだな....]


「いつでもいいぞ!」

[お手並み拝見といきますか....]


「行きますっ!」


「おうっ!」


「ふんっ!」

 剣を振り下ろすとき汗が地面に落ちる....


「なっ、何!?くっ!ふっ!うらっ!」

 意外と重かった斬撃に驚いたが、長年の経験もあり、焦らずに受け流す....


「うわっ....」

 魂を込めて思いっきりいったが、受け流されてバランスを崩す。が、さっと引いて体制を整える....


「ほう....」

 賢明な判断に思わず声が出た。

 

ー・ー・ー


「さて、これは私の勝ちだな....」

 首元に剣を突きつけ降参するように仕向けた....


「勝敗は最初から分かっていたじゃないですか....」


「それでも、だ....」

 意外とハルが善戦してきたので、この子は才能がありそうだと目を細くした。


「弱いものいじめがそんなに楽しいですか?」


「弱い者いじめ、か....新人からはよく言われるよ」


「やはりそうでしたか....」

[誘い方といい....強引すぎる。]


「ちょっと待っててくれ」


「どうしたんですか?」


「待ったらわかる」

 そう言って、職員室のある部屋に向かった....


「言ってくれてもいいじゃないですかっ!」


「お楽しみだよ」


ー・ー・ー・ー


「あっ!ちょっと。どうすればいいの?」


*ここにとどまることをお勧めしますよ。


「う〜ん....」


ー・ー・ー


「ん....?あれは誰だ?」


「こんにちは。いや、初めましてと言った方がいいかな?」


「はじめまして」


「私の名前は、オーレックという。この生活ギルドのオーナーをやっている」


「えっ!?どうしてそんな人が今ここに?」

[急になんでこんなえらい人が出てくるんだよっ!ギランさんってもしかしたら凄い人なのかな?]


「ギランくんにも聞かせてもらったけど、君の剣の腕前が高いようだな?」


「そうなんですか?」

 普通に強引に戦っただけだが、何故か評価されたのは不思議な感覚だった。


「ああ、しかも話すことも達者のようだし、計算、語学も十分できるのだろう?」

 目の前にいる少年と普通に会話できていることから、この時点で2年生に飛び級が可能だ。

 さらにギランが戦闘能力に関してお墨付きをもらったのだから4年生という学級がふさわしいと判断したのだった....


「いや....語学は大丈夫だと思いますが、計算は無理ですよ!」

 地球と計算方法が変わっていた場合は1から学び直す必要があると思っていた。だから、流石にその提案は唐突すぎると訴えた。


「まぁ大丈夫だろう、明日からは4年生と一緒に勉強してくれ」


「大丈夫じゃないですよ!飛び級ということですか?」


「そんなところだ4年生の教室は3階の手前の方にある」


「もう飛び級することが前提?」


「ああ、そのつもりだ。明日から頑張ってくれ」


「わかりました....」

ー・ー・ー


「遅かったからどうかしたのかと思ったら....大丈夫か?」


「ええ....お腹が空いたので、今日の昼食を食べた明けの雫亭で夕飯にしませんか?」


「いや、この生活保護ギルドの食堂で済ましてしまわないかな?」



専属の料理人を雇っておりそれなりに美味しい料理を食べることができる。

何よりの魅力はとても安価だということだ。



「食堂ってあるんだ。じゃあ、一緒に食べよ!」


「いいよ。じゃあ、行こっか」


「忘れるところだったよ。これ、お前の部屋の鍵だ」


私も忘れていましたよ....ありがとうございます」


ー・ー・ー


食堂にて〜


「今日のメニューは....おお!生姜焼き定食だよ!」


「生姜焼き?」


*いえ、地球の料理だとその料理が一番似ていると思ったのでそう翻訳させてもらいました。


[そうなんだ....まあ、そんな呼び方だったら日本人がいたかもしれないと思ったんだけどな]


*すみません。期待させてしまって。


[別にいいよ....]


*ありがとうございます。


「肉を生姜と醤油で炒めたものだった....かな?早く食べに行こうよ!」


「いいね!」

[懐かしい醤油の匂いだなぁ]


*日本の醤油よりは癖があるはずです。


「....」

[匂いはそっくりなのにな....]


ー・ー・ー


「いただきます!」


「何かのおまじない?」


「僕のいたところでは、食前に俺をすることが決まりごとみたいなものなんだよ」


「へぇ〜....どんな意味が込められているの?」


「料理を作ってくれた人、また食材に感謝の気持ちを伝えるっていう意味だよ」


「とてもいい文化だね....」


「そうかもね」


「じゃあ....」


「うん!」


「「いただきます。」」

旨いっ!!美味しいな!


「ここには様々なメニューがあるけど、一番好きなのが生姜焼きなんだ〜」


「そうなんだ〜」


「美味しいからな!」


「なぁ、ダッチ。ここにはお風呂ってあるの?」


「お風呂?そんなのは貴族とか王族が入っているくらいだよ」


「え....そうなの?」

 貴族、王様、日本では馴染みのない階級だが、つまるところ高貴な人しか入れないと聞いてがっかりした....


「だから、体を拭いて終わりかな」


「そうなんだ....」

[汗をかいたからお風呂に入りたと思っていたのに....そんなぁ〜]




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