第106.5 歴代最悪
早く、早く運搬しないと....
昼までに3往復しないと給料がもらえないから早くいかないとダメなのにっ!
追い抜かないと....
今がチャンスだっ!行けるっ!
行っ....
えっ!?
おいっ!何勝手に追い抜こうとしてんだよ。
やっ、やめてくれ!ぶつかるっ!
止まれよ。
無理なんだっ!こっちは、重いレンガを積んでいて急には停止できないんだ。
なんだって....
馬が....
無理にでも停止できないのか?
ダメだ、全く効かない。
なんてこった....[こんな巻き添えを食らうんだったら入らなかったらよかった!]
グシャッ....
馬が....[すまない....]
ガーンッ!!
そっちがブレーキをかけてくれ。
完全に前方が潰れたのか?[制御不能かよ....]
止まれぇぇぇぇっ!!
止まってくれぇぇぇっ!
ぶつかるぞ![あれ、まずいんじゃないか?]
避けろっ!
避けるんだっ!
無理にでもっ!無理にでも車線の変更をするんだっ!
ぶつかる![飛び降りるか....くっ!]
ぶつかるぞっ!離れるんだぁぁぁっ!
きゃぁぁぁぁっ!
うわぁぁぁぁっ!
バリバリバリッ!!
ぎゃぁぁぁっ!
お母さんっ!足が挟まって抜けないんだよっ!助けて....痛い。
俺の腕が....[折れたっぽいな....ははは....]
痛いよ、痛い....[傷口が焼けるように痛む....]
うう....[痛い、言葉にできないぐらい痛い....]
助けて....[何が起こったの?]
ー・ー・ー
ガランッ....
ああ、なんてことだ....
馬車に乗っているやつを引っ張り出せ。
こっちは、出血がひどいぞ!
誰かっ!誰か!回復が使える人はいないかっ!
だめだ、この人はもう....[助かる見込みはないな。]
うちの子をっ!私はいいですからっ!目を覚まさないんですっ!
どうだ?[ダメか?]
もう....
たっ、助からないんですか?嘘よ、嘘よぉっ!一回でもいいからかけてっ!
すみません。お子様よりも、意識のあるあなたの治療をされた方がいいと思います。[脳がやられているから、助かる見込みはないと言ってもいいだろうな。]
わたしのことはいいですからっ!
お悔やみ申し上げますが、もう亡くなっています。
そんな、そんなぁぁぁっ!あぁぁぁぁっ!
こっちにきてくれっ!
こっちもだ!煉瓦に生き埋めになっている奴がいるんだ!
わかりました。今行きます。[そっとしておくべきか....一応母親には回復をかけてから向こうに行こう。]
もっと!もっと、回復を使える人はいないのかっ!
レンガを運搬していた人は圧死ですかね?
だろうなぁ....[一体何があったというんだ....]
これって、過去にあった馬車の事故に匹敵するくらいの大事故かもしれんなぁ....
すでに何人死んでいるんだ?
生存者の方は両手で数えられるくらいです。
それほどか....もしかすると歴代最悪かもしれんな。
治療院に息のあるやつを運んでくれる人はいないか?
でしたら私の馬車を使ってくださいっ!
いいのか?[ありがたい。]
一刻を争います!
ありがとうございます。
お礼はいいですから早く乗せましょう。
そうですね。[なんていい人なんだ....]
ー・ー・ー
ここは通れませんよ。
なんでだよ。さっきまで通れていたんじゃないか。
この先で事故が起きたんですよ。
死者は出たのか?
とにかくここは通れないんです。
しょうがない、遠回りしてくるよ。
ご協力感謝します。[優しい人でよかった....]
ー・ー・ー
遺体はどうするんだ?
警備隊に引き渡しでいいんじゃないのか?
ほら、騒ぎを聞きつけてやってきたぞ?
もっと早く来れなかったのか?
警備隊は今、深刻な人手不足らしいから無理なんじゃないですか?
どうしたものかねぇ....
ー・ー・ー
この事故を起こしたのはレンガ運搬係だっていうのか?
そうですよ。はっきり一部始終を見ましたので。[面白いものが見れたな....人が潰されていくのを....くふふふ....]
そうか。情報感謝する。[なんかヤバそうな雰囲気のやつだな....あと何処かで見たことがあるような気がするのだが一体どこだったか....]
構いませんよ。
君も何か知っているか?
さっきの人が言っていたのと同じですよ。
そうか、ありがとう。[少しでも多くの情報を集めておかないとな。]
それはそうと、この事故は歴代最悪なんじゃないんですか?
答えいるほど暇じゃないんだよ。すまんな。[野次馬が多いな。暇な奴らが多いことだ。]
ちえっ、ケチだなぁ。[ちょっとくらい教えてくれたっていいだろ?]
ー・ー・ー
この事故を起こした張本人は今どこにいるんだ?
こっちです。
亡くなったのか?[こまったなぁ....]
レンガによる圧死です。[さぞかし酷い有り様だろうな。]
これじゃあ、なぜこうなったのかが聞けんじゃないか。[事故を起こした張本人が死亡しているとは....]
目撃者から調べたところですと、巻き添えを食らった馬車の人は、とっさに馬車から飛び降りて腕を折る怪我を負った程度で今は治療院にいるそうです。
そいつから話を聞くとするか。[最近はだいぶ馬車が絡む事故が減ったからいいと思ったが油断していたな....]
そうですね。[ただでさえこんなに忙しいのに、こんな大事故が起こるなんて勘弁してほしいよ。]
こいつが起こしたのか?[俺たちをさらに忙しくしやがってっ!]
そのようですね。[いったい....いったい、何人の尊い命が失われたんだ?]
うっ、酷い有り様だな....[ぐろい....]
顔がぐちゃぐちゃだ....
口に出すなよ、夢に出てきたらどうしてくれるんだっ!
怖がりだなぁ〜
もうこの馬車から降りていいですか?
別に構わんが、近くにいるんだぞ?[そういえば、こいつはグロいのが苦手なやつだったな....すっかり忘れていた。昔よりは治安がだいぶ良くなったからなぁ....]
水をとってきた方がいいんじゃないですかね?[血があるからそれは側溝に流しておいた方がいいよな。]
ここら辺は節水区間じゃないですかね?[早く水路の復旧が終わってくれないかなぁ〜]
隣の区域から持ってきてくれないか?[そういえばここら一帯は節水区間だったか....]
わかりました....[あんな死体を見ているよりかはずっとマシだな。]
私たちはもう少し調べてから、あたりの片付けをしないとな。
そうですね。
暑くなってきましたから、死体が腐るのも早くなっているはずなので、できるだけ早く遺族を見つけて処理をしなければいけませんね。
そうだな。[人探しは本当に大変なんだよなぁ....]
じゃあ水を頼むよ。
わかりました!




