表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

ニャン君の事情

ニャン君と先生は元々はここの世界の人だったんだって。

ただ、この世界と他の世界が何かのせいで近づきすぎちゃって

不安定になったから、ここの世界の偉い人たちが大勢集まって

学者さんたちが見つけた次の世界へみんなで移住することに

したみたい。(この街ががらんっとしていたのも当然だね)

よくわかんないけど、その頃のこの世界は状態が不安定すぎて

移住の順番が最後の方になった人たちはすっごい危ない目にあって

なんとか新しい世界へ行くことができたんだって。


この庵はこの世界と、新しい世界を繋ぐ次元の渡し廊下みたいな

存在で、使うにはすごい手続きと承認が要るって言ってたけど

ちょっとわからなかった。


でも、ニャン君は大事なお父さんの形見の望遠鏡(あのケース

自体も水に濡れても潜っても大丈夫なすごいものらしい)を忘れて

来ちゃって、他にも何人か似たような境遇の人もいたことから、

なんとか取りに戻ることはできないかを、これも時間をかけて

じっくり検討したんだって。

結果、最終移住日から3年とちょっと経った今日なら

多少安定していることを調べて、決行したみたい。

(でも、ニャン君にとっては今日でも、先生にとっては3日前

 って言ってた。世界が不安定ってそういうことなのかな)


それで、みんなでそれぞれ忘れ物を持って集まろうとしたときに

ニャン君は望遠鏡の部品(接眼レンズ?とか言ってたかな)が

一つ足りないことに気づいて慌てて取りに戻っちゃった。

その時にこっちに来ていた人たちは、みんなお互いの顔を

知らないメンバーで構成されてたから、その日たまたま

(私みたいに)外から紛れ込んでしまっていた少年を

人数に数えて、そのまま帰っちゃったんだって。


置いてかれたニャン君は何とかおいかけたんだけど、一人じゃ

やっぱり追いつけないし、雲にもあがれなかったから

レスキューの人が来るのを待ちながら、見つけてもらいやすい場所

を探してたって。

(一応万が一のときにはレスキューの人が後から送られるという話は

 最初から決まっていたみたい)

私がちらっとみたのは、そうやってニャン君が見つけてもらいやすい

場所を探しているときだったそうで、

そこが私がこの話に登場する最初の場面みたい。

私がまだ影、と思っていたニャン君を探している間に学校の屋上に

望遠鏡を設置したニャン君は逆に私をみつけて、レスキュー隊と

思って望遠鏡で光を反射させて合図を送ったんだって。

(ニャン君、あれは眩しかったよぉ)


一方で新しい世界に戻ったメンバーの中にニャン君が居ないことは

ニャン君のお母さんが気づいて、早速レスキュー隊の派遣にあたること

になったみたい。

それでも、メンバーの選出や、適切な日時を再検討するのにちょっと

時間はかかって、ニャン君の顔を知っている者、レスキュー隊の資格を

持つ者の中から先生が、日取りは新しい世界での3日後に決まったんだって。

ニャン君の代わりに人数に数えられていた少年は庵までの移動の途中に

ふっ、と消えてしまったような気がする、という数人の発言から、

外の世界(ここと新しい世界を含む世界の集まりより外の世界ってどういうこと?)

の住人であったと判断されて、もうどうすることもできないと放置になったみたい。

(私が夢から覚めるときもそんな感じで消えるのかな?

 自分じゃよくわからないや。でも、2度とお互いアクセスできないんじゃ

 確かにどうしようもないよね)


そんな流れで、さっき先生が庵に到着したんだけど、流石にそこに私が

いたのはびっくりしたみたい。(うん、私もびっくりしたけどね)

もう用事は済んだから二人は帰るみたい。


ちょっと長くなっちゃったけど、こんな感じ。

5話目です。長々と読んでいただいている読者のみなさまには感謝の念が耐えません。

なんとか最後まで書き上げますのでお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ