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9話 ~我輩は人間である~







ウージー先生から出されたクエストの前に、俺達は一度、元の街に戻ってきていた。

理由としては、まぁ、あのドSなメイド長ルル様から、


「今すぐに貴方に会いたいのです。」という愛のメッセージが届いた為、

「いやぁ、今僕も忙しくてですねぇ。いやいや麗しのルル様がどうしてもどうしてもどーしても会いたい。と仰られるのであれば

仕方がありません、今すぐに会いにいって差し上げましょう。真っ赤なバラを携えて・・・。キラーン!」

と我がPTはスタコラサッサと引き返したというわけだ。

いやぁ、トール君はモテるからなぁ。

冒険者たる故、しょうがないよな!(納得いかないメアさんは無視した)


「ゴミ!忙しいんだから!早く次の料理仕上げなさい!!」

「はい!!喜んで!!」

「口より手を動かしなさい!切り落としますよ!」

「はい!喜んで!!」

「ゴミ蟲!気持ち悪いですよ!自重なさい!」

「はぁい!喜んで!!」


あれ?おかしくない?なんでこんな事になっているんだ!!?

メイド長、俺に会いたかったわけじゃないのか?

答えは簡単。

蓋を開けてみれば、ただ人手が足りなかった。という事。それだけだ。

はぁ・・・俺ってネトゲの世界の主人公だよね?物語の主役だよね?

なんでこんな役回りなんだ?

「大丈夫ですよ。トールさん。落ち着いてやれば、ちゃんと上手に作れますよ。才能ありますからね。頑張ってください。」

「ありがとうございます。」

バニーガールの格好をしたダンディーなおじ様。ミスター杉下さんは、そうやって俺に気を遣い褒めてくれる。

しかし、別に俺は新作料理の腕前にビビッて手が震えているとかそういうのじゃないんです。

冒険者なのに料理スキルばっか上昇して、そんなところを褒められても嬉しくないです。

「羽蛙のソテーと罵倒鳩の唐揚げおまちぃ!!」


───料理スキル 【二連調理】

二種類の料理を同時に作ることが出来る。

を習得した。


よし、新スキルだ!

できれば戦闘スキルの方も覚えたいな!!



因みに、我がPTの他のメンバーはというと別行動である。

俺は、ルル様に扱かれながらバイト。


ネコは散歩に出掛け、メアはネコが何かしでかさないか着いて行った。もう本当、保護者だな。


メグはというと、路上ライブが出来る場所を探しに街を散策とのこと。

まぁ、俺意外みんな散歩ってことか。

メグが店に入って来た途端、

「あ、ああぁああ、あの、あののの!!ワタシ!!イツモ見てマす!ファンなンです!!あ、あぁアクチュ!!握手してくだしゃはははい!!」

と、ルル様は壊れた。

キャラ崩壊というか、なんだかもう殆ど何を仰ってるのかわからなかった。

「え?あぁ、握手?いいぜ。」と、メグはそんなぶっ壊れた相手に考えなしにやすやすと触れるもんだから

メイド長はジェンガみたいに床に崩れて倒れた。

復活したら復活したで、また元通りのドSメイドになったことは言うまでもないな。


「おーい!トール!つまみが切れたぞ!何でもいいから酒のつまみ作れよ!」

「はいはい。」

もうなんだか、常に入り浸ってるビリーさん。本当はお前冒険者じゃないんじゃないか?

今なら俺でも普通に戦って勝てる気がする・・・料理対決で。

「トールさん。大変じゃないですか?ワタシも何か手伝いますよ。」

「へぇ、ララちゃん助けてくれるの?でも大丈夫だよ。そのタワワだけで十分だよ。ゆっくり座っててね。」

「そうですか?何かあったらワタシにも言ってくださいね。」

ララちゃんはそういうとニコニコしながらホールの方へ駆けて行った。

そして、ビリーさんと他数名のNPCを血祭りに挙げる効果音を響かせた。

いつものうっかりなんだろうけど、あぁ、俺の仕事がさらに増えたなぁ・・・。

そう思いながら俺は泣き喚くゴウキュウピッグを捌く。


料理作ったり、ホールに出たり、在庫整理したり、ルル様のご機嫌取りをしてバイトに汗を流し

客足が減ってきてようやっと解放されたのは、日を跨いでの早朝であった。

「あれだけシフトに大穴をあけさせてあげたんですもの、寧ろお礼を言ってもらって然るべきだと思いますよ?」

と、感動するほどのブラック企業な発言をルル様は吐く。

こんなに割りに合わないセリフもないのではないだろうか?

メア、ネコ、そしてメグはそんな俺の心労を他所に適当な宿でぐっすりと眠っていたらしかった。

もしも、その場に俺が居たら文面にも絵面にも表現できないような恐ろしい目に・・・なんて、そんな度胸はきっと俺には備わっていなかっただろう。

というか、疲労でそんな事する前にフカフカなベッドにぶっ倒れているだろうな。

いや、もう硬い床だろうが砂利の上でも別にどうでもいい。眠たい眠たい眠たいと心の中で呟き続けるんだ。

「あぁ・・・土ってこんなに温かいんだな。大地の恵みってこういうのを言うのだろうか・・・。気持ちいい眠たい・・・。」

っと、既に店の前の道端でうつ伏せになってウトウトし始めている。

きっと俺はこのままこの土の上で死んでしまうんじゃないだろうか・・・パトリッシュ・・・僕もう疲れたよ・・・。

見えていないはずの大きなセントバーナード的な犬に向かって俺は呟きながら天使を待つ。


「ちょい、そこのニーちゃん。ちょいとええか?」

というダミ声が頭の上から響いてきた。

最近の天使って、なか、こう・・・フランクなんだな・・・。

「おーい。ニーちゃん。聞こえてまっか?」

テシテシと叩かれる。

あまりにもしつこく顔ばかり叩かれるので俺はその姿を一目見ようと顔を起こす。鎌首を挙げる感じで。

しかし、そこに俺の目に映ったのは天使とか、ましてや悪魔とかそういうんじゃなかった。

猫だった。ネコではなく。猫だった。

俺の頭の上で身体を丸めた三毛猫の姿がそこにはあった。・・・・なんかオーラ的にオッサンっぽい。そんなミケ猫だった。

「三毛猫って普通、雌じゃなかったっけ?」いや、問題はそこじゃない。しかし、そこに着目するには頭に酸素が追いついていない。

「いやいや、ニーちゃん知らんのけ?三万分の一の確立で雄の三毛猫もおるんやで?」

「へー・・・そうなんだ。」

「せやで。勉強になったやろ?」

「そうだな。」

・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・。」

沈黙の三秒間。

「ね、猫が喋ってるぅぅううううう!!!!」

いや、まぁ、ゲームの世界だらかそんなに不思議ではないのか・・・。

ドラゴンが喋ったり、魚が喋ったりだって普通にあった世界観だったし、犬や猫が喋ったらいけないなんて規約は別にないか。

その規約にだって同意できる。

「いや、なんかニーちゃん勘違いしとるみたいやけど、オレ猫ちゃうで?猫に見えるかもしれへんけど、元人間やで?」

誰も信じてくれへんけどな。

彼はそう続けた。うん信じられん。そういう設定があっても不思議ではないんだろうけどね。

「実はオレ、どういうわけか猫になってしもうてん。ニーちゃん冒険者やら?せやから、ちょいとオレの事助けてくれへん?」

「え、嫌だ。」

「なんでやねん!!」

普通過ぎる、絵に描いたようなお笑い芸人のようなツッコミをされる。

「冒険者はみんなクエスト大好きなんやろ?そういう生き物なんやろ?そういう噂聞いたで?」

「それは場合によるんだよ。見ての通り疲れてるんだよ。」

「困ってる人を見過ごす言うんかい?」

「そういうわけじゃないんだけど・・・・。」

こっちはバイトで精神の方が崩壊しそうだ。クエストどころじゃない。というか、この問答している瞬間にも土の上でそのまま眠ってしまいそうだ。

見過ごすというか、寝過ごすって感じだ。

「じゃぁ、今日のところは見逃したる。その代わり目が覚めたらまたくっからな!!」そういって三毛猫は去っていった。





翌日。というか同日の昼頃になって俺は土の上で目を覚ました。

いったい何故俺はこんなところで眠っていたのだろう?

そして何で誰も声をかけてくれるどころか、平気で踏んでいくだろう?全身に色んなものに踏まれた跡があった。

「おーい、ニーちゃん。起きてるかぁ?」

頭に酸素が回っていない中途半端に覚醒したところで声をかけられた。

声の主を探し、目線を塀の上に移すとそこには猫が座ってこちらをジトーっと見つめていた。

三毛猫だ。

抱きかかえるのにちょうどいいサイズで、黒、茶、白の三色が均等に分かれた三毛猫が塀の上で俺の事を興味深そうに見つめていた。

毛並みはボサボサしてて、あまり肌触りはよさそうではないけれどリアルだろうが、ネトゲだろうが実際に三毛猫を見たのは初めてだ。

「なんやニーちゃん、ジッと見つめて。まだ寝ぼけとるん?」

「猫が喋ったぁあああ!!?」

塀の上から降ってきたダミ声に驚愕した。

いやまぁ、リアルを謳っているネトゲとは言うけど、それでもファンタジーな世界観のゲームだ。

今更、猫が一匹喋ったところで驚くほどの事でもないか。

「朝と同じ反応すんなや。同じネタ繰り返すと客が飽きるで?」

「朝って何の事だよ。」

「はぁ・・・?ニーちゃん、本気で寝ぼけとんのか。また、同じ説明せにゃならんのかい?そんなんダルいわ。」

うんざりとした様子で、三毛猫は言う。

因みに三毛猫のくせにちょっとオッサンみたいな声をしている事に関しては別に不思議に思わなかった。

三毛猫って、雌ばっかだって思われているらしいけど、実は三万分の一の確立で雄が生まれてくるって聞いた事がある。

それをどこで知ってたのか、いつ知ったのかはもう忘れてしまったけど・・・。


「ニーちゃん、冒険者やろ?オレのクエストを受けてもらおう思って、朝からニーちゃんが起きるの待っとったんやで。」

「クエスト?」

鸚鵡返しのようにそのワードを繰り返す。

ギルドから受けられるクエストとは違い、NPCから直接受けるクエストについては、メアから聞き及んではいたんだけど、

つまりは、この猫もNPCって事なのか。


通常、ギルドから受注するクエストというのは、ギルドの人がきちんと難易度や情報を調べて、それから冒険者や探索者に受注してもらうものだ。

しかし、NPCから直接受注するクエストは、下調べも何もしていないので、難易度がどれほどのものなのか不明で危険である可能性がある。

だから、本当はギルドから受注するクエストの方が楽で安全である。

もちろん、NPCからのクエストにもきちんとメリットらしいメリットはある。

どんな危険性があるかは不明ではあるんだけど、間にギルドを挟まないので報酬金やボーナスアイテムなどは全て受注した冒険者の懐に入るという事だ。


しかし、現在は他のPTメンバーとは別行動を取っているため、簡単い受注なんてしてしまって、きちんとクエスト達成できるかどうか不明だ。

ダメージ概念だ無いというだけで、時間制限があったり、レベルに差のある敵が出てくるような内容のクエストであったら

俺一人で達成なんて出来るんだろうか?

「どんなクエストなんだ?」

とはいえ、話も聞かずに門前払いというのも冒険者としてどうなんだろう。冒険者なんだから、困っているNPCくらい助けてやらなくちゃだ。

勇者っぽいBGMのイントロが聴こえた気がした。


「今朝も話したとおり、オレは元々人間なんや。せやから、元のダンディーでイケメンなモデル体系のオレの姿を取り戻す手伝いをしてほしいんや。」


──今朝も。と言われたが、やはり全然覚えていない。

「なんで、三毛猫の姿なんかになってたんだ?」

「それは覚えていない。気付いたら、オレはオカンの、あぁ、猫としてのオカンのな?オカンの乳をしゃぶっとったんや。」

「それは、気付いた。というんじゃなくて、物心付いた。ってことじゃないのか?」

「いーっや!!違う。オレは確信を持って言える。元々人間だったのにハンサムなオレを妬んで変な魔法でもかけたに違いあらへん!」

三毛猫はそうは言うけど、しかし、わざわざそんな、相手を猫の姿にするような特殊な魔法なんて存在するのか?

メアの【次元魔法】なら可能かもしれないけど、あいつはわざわざ自分の身体を犠牲にしてNPCに魔法なんてかけるような奴じゃないだろうしな。

「というか、そんなに人間の姿に戻りたいもんなのか?雄の三毛猫なんてとても貴重だし、人間でいるよりいい人生・・・猫生を送れるんじゃないか?知らんけど」

「ニーちゃん、猫だと女の子にワイワイキャーキャー言われて羨ましいとか思っとるやろ。」

「思ってるよ。」

「思っとるんかい!けどなぁ。ちゃうねんニーちゃん。」

三毛猫は塀の上で遠くを見つめた。少しだけ傾いた日差しに目が眩んで細めているようにも見えた。

「──あれは一年くらい前の話や。野糞の切れが非常に悪かったときだったからよく覚えとる。」

そして、彼はそのオッサンみたいな声で回想を語りだした。

語りだしが野糞から入るというのもあまりいい気がしない。


「野糞の切れが悪い、寒い寒い人肌の恋しいそんな夜明けの日やった・・・・。」

「オレはナワバリ争いに負け、近所の犬とかスズメにギッタンギッタンにされた、帰りやった。」

「あらぁん。可愛い猫ちゃんだことぉ。食べちゃいたいわぁ!!」

「ギャァアア!!!」


回想一旦終了。

「すまん。違う記憶が出てきてまった。ちょい落ち着こか。」

「回想くらいちゃんとやれよ。」

すまんすまん。と三毛猫は謝る。


三毛猫は少し傾いた太陽を、眩しそうに見つめた。

「──そう、あれはオレがとある店の裏口で立ちションをしていた時の事だった・・・」

「猫って立ちションなんてすんのか?」

「普通やろ」

「普通・・・なんだ・・・。」マーキングじゃなくて・・・。


それはオレがとある店の裏口で立ちションをしている時やった・・・。

寒くて寒くて、仕方が無いのでなかなか小便は切れなかった。

そうこうしてたら大通りの方から鋭い眼光が飛んで来たんや。

オレはカリスマ的な直感でソイツの姿を捉えると巨大なドーベルマン的なワン公がオレの事を睨みつけとった。

奴はそう。この街で有名な『盗み食いのマイケル』!!

奴が通った店は根こそぎ食い荒らされ、鶏小屋もウサギ小屋も、もぬけの殻にされるという始末。

近所の犬は勿論、人間も手が出せへん荒くれ者や!恐ろしい!!

そんな奴がオレの前に現れ、そしてオレの事を恐ろしい眼光で睨みつけとる!!

一刻も足りとも逃げなと、オレは思った。だがしかしオレは立ちションの真っ最中!!しかも切れが悪い!!いつもならキレッキレの知恵と勇士で

その場を切り抜けとったところやけど、今は無理だ。

何故なら小便の切れが悪いから!!あまつさえ猫の姿!!まさに絶体絶命!!嫌やぁ!こんな猫の姿で死にとうない!!ちょっ誰かぁああ!オレは大声で叫んだ。

『また貴方来たのね。いい加減勘弁なりませんよ?たかが犬とはいえ私の店の半径500メートル+αで粗相を働くならば土を噛むような恐ろしい目に遭っていただきますよ?』

オレの前にスラリとしたモデル体系・・・じゃぁなかったかもしれへんけど女神が現れよった。

あかん!あんな荒くれものを女の子がどうこうできるわけあらへん!!

そう思った瞬間、マイケルは短い尻尾を巻いて猛ダッシュで逃げていきよった。

『はぁ・・・、寝起きなのにいい加減にしてほしいわ・・・。メグ様のDVD見よ・・・。』女神はそう言って店の裏口へ消えていきおった。


「顔も見てへんかったけど、オレにはわかる。あの女神様こそオレの運命の人やと!」

きっと、超絶な美人であるに違いない。とか色々と褒め称えている。

「この場所で女神様に会ったんや!」と二足歩行で案内され場所が俺のバイト先の裏口だったことから、まぁ、その三毛猫が言っている女神様の正体が

氷解してしまったことは言うまでもないことなんだけど、これは彼には言うわけにはいかなかった。

というか、猫なんだから二足歩行で歩くんじゃねぇよ。

「いつか恩返しがしたい。しかし、今のオレは人間ではなく三毛猫や。せやから頼む。どうにかこうにかニーちゃん、オレが元の姿を取り戻す手伝いをしてくれ!このとーりや!!」

そう土下座の形を取る。

どの通りだよ・・・。

猫の姿で土下座なんてされても、ただ猫が伸びをしてるようにしか見えねぇよ。

「まぁ、いいさ。わかったわかった。俺は冒険者だからな。」

「本当か!ありがとう!助かったわ!!」

あとで、メア達と合流したら一度ディスカッションといくか。

というか上手いこと丸め込んで次元魔法ですぐに片付けることにしよう。

「サブロー!!!アンタ、まだこんなとこにおったん!?もうご飯の時間やで?」

通りの方から薄汚れたボサボサの毛並みをしたずんぐりした猫が話しかけてきた。

また喋る猫かよ。

「あ!?なんや、今大事な話しとってん。ちょい黙っとけや!」

「アンタまた親に向かってそんな口きいて!いい加減せんとアンタの分のカリカリ、イチロー兄ちゃんとジロー兄ちゃんに全部食われちまうよ!?」

「はぁん!?それはアカン!ちょっ!あぁ・・・くっそ。ニーちゃん悪いけど、この話しはまた後でしよな!オレちょい飯食ってくるわ!」

「あ、いや、でもその前に少しだけいいか?」

「にゃん?」



サブローと呼ばれた件の三毛猫を捕まえて、俺はその親指の爪を少し頂戴することに成功した。

メアの薬を作るための高級素材の一つだ。

猫だし、爪を切るときに暴れるかもと思っていたけど、案外すんなり切らせてくれた。

そして、結局その後、サブローと呼ばれる関西弁の三毛猫と出くわすこともなく、その日はまた夜からバイトに精を出した。

だから、本当に彼が元人間なのか、はたまた本当は猫そのものであるのかは誰にもわからないのだった。


こんばんわです。楓希な火薬です。

もうじきに平成の世が幕を閉じますね。私はつい最近、誕生日を向かえました。関係ないですがね。

というか合作小説であるので、そもそもどっちの誕生日だよ?ってなりますよね。


世界五分前仮説というものがありますが、実際、自分の記憶だって曖昧なものですよね。

自分の記憶を「本当にあったんだ。信じてくれ。」と言ったところでそれを証明する材料は記憶でしかありません。

本当は、生まれて五分しか経っていないのに、それ以前の記憶が勝手に作られ植えつけられているという仮定。

サブロー君も実は「猫なんだけど、実は人間であった」という記憶を植え付けられているのかもしれません。

それはトール君たちも同じかもしれませんね。彼等こそ猫だったかもしれない。

結局、サブロー君がどっちなのかは誰にもわからないでしょう・・・。

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