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始まりの日

 私は桜田すずか。今年から夜月中学校に通うことになる普通の中学生。これは、そんな私に起こった、ちょっとだけぶっ飛んでいる物語です。


4月4日

今日は、まだ春休み。新しく通う中学校の準備をしていた私は気分転換に近くの夜月公園に来ている。ほとんどいつもと変わらない日常。変わったことといえば、隣の家に引っ越しの業者の人たちが出入りしていることぐらいだ。 私の家は両親が年がら年中海外に行っているため家族団らんをとる機会が少ない。いや、ほぼないに近い。しかし生きているうちに一回しかない小学校の卒業式。そしてまた中学校の入学式を見に、帰ってきている。しかし、入学式を見るとすぐに飛行機に乗り、また海外までいってしまう。見送ることもできないため、そう思うと心がいたくなってくる。それに、また一人きりの生活が始まるかと思うと、涙が出てきそうだ。

「はぁーー...。」

ため息をつきながら歩いていると、公園の一番奥にある、一番大きな桜の気がある。この木は戦前から生えているらしく、とても大きい。この木の近くはとても落ち着くため、お気に入りの場所なのだ。眺めるのに飽きてしまい、木の根本に座った。

「お前。こんなとこで何してんの?」

いきなりだった。バッと立ち上がり声のした方を向く。迂闊だったさっき眺めていたときは、わからなかったが、木上に少年がいたのだ。

「そんな驚くなって。いきなり声かけて悪かったな。」

かなりの高さがあろう所から軽々と飛び降りると。

「んじゃ、またなっ。」

そう言い捨てると少年は去っていってしまった。黒がかった赤髪の少年。顔はよく見えなかったが、それよりも。

「またなって... どういう意味かしら?」

おかしな言葉を残していった少年に、私は唖然とするしかなかった。


家に帰ると、もう引っ越し業者の人たちはいなくなっていて何事もなかったかのように静けさを取り戻していた。取り合えず、私は、中断していた中学校の準備を再開することにした。

 一時間ぐらいしてからようやく荷物がまとまって、ひまだから昼寝でもしようかとベットに倒れようとしたその時。

「すずー。ちょっと降りてきなさーい。」

と呼ばれてしまい、私はしぶしぶ、部屋を後にした。呼んでいたのは、母立ったのだが、お昼にしてはまだ早すぎる10時半だ。なんだろうと思っていると、母がいたのは、リビングではなく玄関、そしてそこには、三十代前半と見られる女性と、黒がかった赤髪の少年がたっていた。


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