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格パラ  作者: 福島崇史
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ロシア その4 モンスターズ・デン

当時ロシアと太いパイプを持った格闘技団体があってな、そこと懇意にさせて貰ってたお陰で実現出来た修行旅やってんけど、エカテリンブルクに着いてからも、そこの団体のロシア支部道場みたいな所で寝泊まりしながら練習させて貰った訳。


で、いよいよ練習に参加するんやけど、、、率直な感想は

「あぁ、、化物って世の中にはこんな沢山居るんや」

って事。まさに怪物の巣、、、モンスターズ・デンやったわ。

そこでは軍警察の人、サンビスト、プロ格闘家が一緒になって練習しててな。ジャンルに関係無く、皆が同じメニューをこなしてたわ。

て言うのも、そこで指導してた人ってのが伝説のサンビストとして、ロシアで知らぬ人が居ないって位の大物でさ、まさにサンボマスターと呼ぶにふさわしい人物やってん。


皆がその人の技術を吸収したくて、そこに集まって来たって感じ。

その人ヒョードロフって言うんやけど、壊し屋としても有名でさ、、、多くの対戦相手に怪我を負わせてるんやけどな、、、

戦闘機のパイロットが1機墜とす毎に、自分の愛機に×のペイントする風習あるやん?

その人も1人壊す度に自分のふくらはぎに×の刺青入れててさ、もう両方のふくらはぎが×だらけよ。

自分でもサンボ界の撃墜王って言うて笑ろてたわ、、怖すぎてこっちは笑えんけどな、、、


え?言葉?勿論ロシア語なんか全く解らんよ。

ただ向こうの人は殆ど英語が話せるから、俺も片言の英語と身振り手振りで暫くはなんとかなったわ。

それと俺が着いてから1週間くらいして、日本サンボ連盟から日本人選手が3人練習に来てな、その連中はロシア語もペラペラやったから凄げえ助かったわ。

あ、話戻すで。

んで最初の練習で俺のレベルを見る為って事で、こともあろうかヒョードロフとスパーをさせられたんよ、、、


もうね、何て言うか、、、せやなぁ喩えるなら、、

「理性のある熊」やなぁ、、あれは。

5分のスパーやってんけど、自分が今何をされてるかすら理解出来んのよ。

え?アレ?何がどうなって極められたん?って感じでさ、極められては開放、また極められての繰り返し、、、

え?バレたか、、、ハハハ、、そやで。こないだ迄お前らにやった講習会はその時の事を模したって訳。

当時ヒョードロフは50歳過ぎてたんやけどな、毎日若いトップクラスの相手と練習してるからか、衰え知らずって感じよ。

肉は分厚いし、骨は太いし、そのくせ柔軟性のある身体って、、、何食やぁそんな身体になるねん!って最初は思ったわ。んで更に驚くべき事に、俺が居た間サンボルールでのスパーでヒョードロフが極められる所を1回も見てないねんっ!

10代から30代の現役バリバリのトップを相手にやでっ?

どんだけの化物か想像つくやろ?


そんな人に指導されてるんやから強くなるのは当たり前でや、当然メンバーも化物揃いやったわ。

その中には後に世界最強の男と呼ばれる事になる、あの男もおったんやで。

え?誰ってか?野暮な事訊きなさんなって。

皆が想像してる男で正解やと思うで、、あ、ヒクソン・グレイシーじゃないでっ!まぁ、それは置いといて、、、

技術云々よりも体力面からして違い過ぎてなぁ、ようやく練習についていける様になるのに2週間かかったわ、、

尤もヒィヒィ言いながら、やっとこさついて行ってるってだけで、技術面は当然まだまだ歯がたたん状態やったけどな。


サンボとコマンドサンボは似て非なる物でな、サッカーとラグビー位に違うと思ってくれたらええ。

今は日本にもコマンドサンボ協会があるけど、本当の意味でのコマンドサンボじゃないと思う。

講習の時にお前らにも一部見せたけど、俺が現地で見たそれはもっとえげつない、競技性なんてこれっぽっちも無い物やったからなぁ、、、

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