ロシア その1
若い子は知らんやろけど、昔、冷戦てのがあってな、、、
軍事衝突こそ無かったもののロシア、、、あっ、当時はソ連ね。ソ連とアメリカは緊張状態にあったんよ。
風潮として正義のアメリカと悪役のソ連って感じでな、ソ連は今の北朝鮮みたいな扱いやったんや。
で、ソ連はゴルバチョフの政策、ペレストロイカで軍部縮小されて東西冷戦は終結、、、ソ連は崩壊してロシアに変わる訳よ。
俺が行ったんはそれから数年後やねんけど、1回定着した(悪)のイメージってなかなか抜けんやろ?まだまだ世間のロシアに対するイメージは悪かったわ、、、
えっ?反対?勿論されたよ。
特にオカンなんか俺が生きては帰らない、、、くらいの勢いでさぁ、説得するんに苦労したわ、、ハハハ、、、
尤も俺自身に死出の旅路って覚悟もあってな、万一の時の為に遺書を机に忍ばせてから出発したのを覚えとるわ。
まぁ今となっては笑い話やけどな。
ってのもロシアに対する不安云々よりも、飛行機に対する不安が大きくてな、、、
どうしても飛行機ってのが信用出来んのよ、あんな鉄の塊が飛ぶ訳無い、、、ってな。
だから墜ちた時の為に遺書書いたって訳、笑えるべ?
えっ?今?
今でも飛行機は苦手やで、、、
だからその後も乗るって決まる度に遺書書いてたもんよ、、
海外修行に行く時に4回
新婚旅行で1回の計5回、、、あっ!奈良でとある武術家と野試合で立ち会う時も、死ぬかも知れん思って書いたから、、
僅か36年の人生で6回も遺書書いてるわ俺、、、
どれも無駄に済んでるのは幸いやけどな。
ん?どした?
えっ!?待って待って!
いっぺんに言われてもわからんがなっ!
訊きたい事は順番に言ってくれ。
えっ?、、あぁ、、新婚旅行ね、、、
そういやぁ知らん者もおったな、、、
そうやで、俺バツイチやで。いや、そない驚かんでも、、
なんや最近は2年以上同棲したら事実婚になるらしいな?
それを入れたら実質的にはバツサンやけどな!ハハハ、、、
なんやその顔は?案外モテたんやでっ!
え?そうそう!今は全くやけどなっ!、、ほっとけっ!!
ったく、、、で、次の質問は?
あぁ、野試合の件かいな、、ごめんっ!それは長くなるから別の機会にしてくれ!
という訳で先を話すで?
で、まずは用事もあったんで東京行ってな、成田からモスクワへと旅立った訳よ。アエロフロートで約8時間、、、
怖いから乗って直ぐ寝たんは言うまでも無いけどなハハハ。
修行はモスクワから更に飛行機で1時間程のエカテリンブルクって所でする事になってたんやけどな、まずはロシアの事を少しでも知っておこうと思って、色々見たり聞いたりする為モスクワに3日間滞在する事にしたんや。
でな、手配してたガイドと合流したんやけど、これが傑作でやっ!カール・ゴッチそっくりの爺さんやったんよ!
ロシア人やのにドイツ系のゴッチ似って!!
もう見た瞬間、笑ろて笑ろてっ!、、、
あれ?みんなして何その顔?
、、ええっ!?マジでっ!?カール・ゴッチ知らんのっ!?
プロレスの神様やで?
強すぎてチャンピオンベルトを巻けなかった無冠の帝王やで?
え?、、あぁ、、そうね、、続き話すわ、、
しかしショックやなぁ、、、ゴッチを知らんとは、、
これがジェネレーションギャップってやつか、、、
はいはい、、、わかりましたよ、ちゃんと話しますよ。
え~っと、、、どこまで話したっけか、、、
あぁ、そうそう!ゴッチと合流してな、ホテル・コスモスへと向かったんよ。一応は一流ホテルやで!
で、ホテルに向かう車の中でゴッチと色々話してさぁ。
当時はネットなんか普及してないもんやから、テレビや新聞やらのマスコミだけが情報源やん?
やっぱ悪い印象の国やから不安もあってさ、ロシアについてなんやかんや訊いてみた訳よ。
そしたらゴッチが言う訳
「この国が世界的に色々言われてるのは知ってマァス、、でもネ、良い人間は沢山居るんデェス、、、ただし悪い人間はその100倍居マァス。だから気を付けて下サァイ」
ってな、、、着いて早々ゾッとしたわ。
で、ホテル着いてチェックイン済ませたんやけど、ここでもカルチャーショック受ける、ちょっとした事件があったんよ、、、