中泊晶改造計画発動!
とりあえずいけるところまで・・
1人称をボクって言う女子は痛い子だと某掲示板を見た。
でも、結構身近にいたりする。
例外なくみんなメガネっ娘だったりするけど。
この話はそんなボクっ娘のお話。
…とある学校のとある部室。
そこに集まっている3人組は大の仲良し3人組。
そう、いつものように3人でとりとめのない話をしていた。
「そういえば、咲ちゃん。この間のバレンタインは
どうだったの?」
長髪で長身の女の子が右隣のツインテールに話をふる。
「ん~~~~あ~~~~やっぱ玉砕」
ツインテールは目の前の板状の台を見ながら
長髪に返事をする。
ツインテールは板状の台の上に並んでいる物体を
しげしげ眺めながら長髪の真向かいに座っている
お下げのメガネをちらりと見た。
「…アキは…」
「…ボクに何を期待してるの?」
アキと言われたおさげメガネは、その黒縁のメガネを
片手で押さえてずり落ちそうなメガネを直す。
「だよねぇ…少しは男に興味持ちなさいって
わたしも言ってるんだけどねぇ」
長髪はアキと呼ばれた少女を見ながら
横槍を入れる。
盤上は長髪がかなり不利に陥っている。
「ボクは…男子なんて興味ないから…アヤのように
もてたりしないし」
再びずり落ちそうなメガネを片手で押さえる。
そうして、メガネを押さえた手で板上の駒を
静かに持った。
―そのまま、駒を滑らせる。
無表情のまま、視線は常に板上を外さない。
「あーん…アキ強すぎ><」
長髪は手持ちの駒を板の上に投げ出して
ゲームの終了を告げた。
「アヤちゃん、序盤が雑すぎるよ…せっかく中盤が
上手なのに、序盤で不利になりすぎるんだもん」
「それにしたって、アキ強すぎて、序盤うまくいっても
勝てる気しないよ~~」
アヤ・・黒瀬綾は半ば諦めたような声色で笑う。
「もうやめやめ!」
綾は盤上の駒を片付けながら、ツインテール…大山咲良
にウインクする。
―そう。今日はこんないつもの光景で終わらせる
つもりではない。
2人はアキと呼ばれた少女…中泊晶をなんとか
女性として目覚めさせようと晶には黙って計画を
考えていたのだ。
…晶はいつもスッピンで化粧気もなく、
まじめな優等生である。私服も色気があるような感じでは
なかった。いつも決まってジーンズだったからである。
「アキ~今日ってまだ時間ある?」
さりげなく綾が聞く。
「ボクは大丈夫だけど・・」
時間はまだ4時半。あと1時間くらいで校内放送が
始まるだろう。
「じゃさ!ちょっと協力して欲しいんだけど・・」
「ボクに出来ることなら…」
「出来る!というか、アキにしか出来ないことなんだ・・」
綾はしおらしい表情で晶を見つめる。
「ボクにしか…できないこと?」
「そうそう!」
咲良が横から晶の頬をぷにっとする。
「…出来ることなら…」
やや目を伏せながら返事をする。
2人は晶の返事を聞いてにやりとする。
「まずはさ…メガネを外して、括っている髪を
おろして欲しいんだ~」
綾が屈託のない笑顔で晶に詰めよる。
もし、計画の全てを今、話してしまったら晶に
拒絶されるかもしれない。
「…こう?」
晶は言われるがまま、メガネを外して、髪をおろす。
黒髪にゴムのカタがついたまま、後ろで揺れている。
「ちょっとカタがついてるね・・髪、ブラシかけて
もらってもいい?」
「…うん…でも何をするの?」
「いいからいいから♪」
綾は再び屈託のない笑顔で答える。
ここからが正念場なのだが・・・
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