しっぺ返し
余計なことをするから、しっぺ返しを喰らったケビンが二匹の魔物の生贄になった。
奴等のコーナーに捕獲され、交互にいたぶられている。
その顔面は流血で真っ赤に染まっている。
流石に放っておけないから、ちょっと嫌だったけれど敵コーナーに乗り込んだ。
止めに入るレフェリーを反則負けにならない程度に押しのけて、全身。
ケビンに覆いかぶさる赤鬼に背後から忍び寄りキックを打ち込む。
振り向いた赤鬼は俺の喉元を掴んで絞り上げる。
そこでレフェリーの出番だ。
俺をコーナーに戻そうと追いかけてきたレフェリーを捕まえ、赤鬼との間にねじ込んで防波堤になっていただく。
隙を見てケビンを場外に蹴落とし、一先ず自分のコーナーに戻る。
と見せかけて場外にいるケビンを連れ戻しに行く。
行き掛けの駄賃に、コーナーにいるアスリートコンビの足を引っ張り場外に落としていく。
追いかけてきたアスリート二人も含めて三チームで場外乱闘だ。
ゴタついている隙を突いて俺はコーナーポストに登り、乱闘する連中に向けてカミカゼ・アタック。
今日一の見せ場だぞ。
いつもより高く、遠くまで、いつも以上に両手を広げてダイブした。
体中痛いのを我慢して、何とかケビンの死に体をリングに持ち上げる。
そして最後の力を振り絞って、赤鬼の脚に喰らいつく。