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最高のトレーナー

 人事部長から、かなり好意的なトライアウトの誘いを受けた俺は少し舞い上がり気味だった。

エディとルークは仕事があるからと断りを入れたが、デビッドとケリー、そしてもちろんケビンも明日トライアウトを受けることになった。

特に俺とデビッドが御眼鏡に適ったようで、即戦力とまで言われた。


 関係者からステージ裏に招待された俺達は、プロレスラーとのツーショット写真の撮影に励んでいた。

こういうときはジェリーやビリーを差し置いて、ケビンが流れるような仕切りを見せる。


 しかし、このままここでウロウロしていていいのか。

そんな負の気持ちを裏切ることなく、向こうからレスラーのケビンがやってきた。

軽い足取りだ。機嫌がかなり良さそうに見える。

「よう!兄弟。」「地元のスーパースターが今夜メインイベントに登場するぜ。」


 こちらのケビンが「俺達も明日からプロレスラーだぜ。」

もうトライアウトに合格して契約した気でいやがる。


 「相棒はどうした?」デビュー前のケビンがメインイベンターにタッグパートナーの行方を尋ねた。

「控え室で作戦練ってるわ。」

なるほど。俺にはわかるぞ。

もう一人の俺は今間違いなく控え室でぼーっとしている。

作戦を練るのは口実で、心の準備をしているに違いない。

 

 ここで顔を合わせなかったのは奴にとっても良い事だったろう。

雑念は出来るだけ省いて、もう一人の俺を試合に臨ませてやりたい。

多分、奴にとって最高のトレーナーがいるとすれば、それは間違いなく俺だし。

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