表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/115

シューター

 うつ伏せに倒れている対戦相手の頭越しに、腹に手を廻しそのまま持ち上げた。

ガットレンチ式のスープレックスか、パワーボムか。

どちらにしても使ったことの無い技だが、体は自然に動いてくれる。


 両腕で相手の体を抱え込んだまま、中腰から直立に。

俺はそのまま踏ん張り両腕に力を込めた。


 何のことは無い。ベア・ハグだ。

ただし相手の体は、上下も前後も逆さになって宙に浮いている。


 この方が相手の腹にグリップした手首が食い込むから効果はあるかも知れないが、スタイリッシュな技とは言い難い。

せめて肩に担ぎ上げてカナディアン・バックブリーカーにしようとした。


 しかし俺は相手を担ぎ上げることは無く、力を込めて締め上げながら相手の体を上下に揺さぶり始めた。

その反動で両腕が相手の腹にぐいぐい食い込んでいく。


 何とか逃れようともがいていた相手の両腕から力が抜けて、だらりとマットに向かって下がった。

俺は力の抜けた相手を大きく抱え上げ、そこからでマットに叩きつけた。

最終的にはパワーボムだ。


 カウントが三つ入った。

自分より小さな相手にかなり苦戦を強いられたが、何とか勝つことが出来た。


 派手な動きは無い選手だったが、グランドでも打撃戦でも切れが半端じゃない。

プロレスでは何とかなったが、総格のリングでは絶対会いたくない選手だわ。

まさに本物のシューターってかんじだ。


 前に戦った金髪の男のレスリングは芸術的で流れがあったが、この男のレスリングは投げ技が無い分コンパクトで、スタンドの展開になると高速のパンチが飛んでくるタイトなファイトスタイルだった。

何とか勝てたが、怖さはこっちの方が少し上かもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ