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ロードエージェント

 プロレスラー抜きの七人が先発で会場に向かうことになり身支度を始めた時、店の入り口に一番近い駐車スペースにワゴン車が停まった。

くたびれたスーツ姿の中年男が二人車から降りてくる。

先発隊と入れ違えに店に入ってきた。

二人ともやけに体が分厚い。

一人は頭髪も薄くなり腹回りもかなりでっぷりとした親父で、もう一人は東洋系の整った顔立ちで白髪をオールバックにまとめている。


 かなり長時間走り続けてきたようで、店に入るなり東洋系の親父は同じ人種の俺の方にチラリと視線をくれた後、トイレに直行した。

でっぷりした親父は椅子に深く腰を落として「とりあえず、熱い珈琲をふたつ。」


 カップに珈琲を注ぎながら、ステラが言った「今日はどちらまで?」

ちょうど席につこうとしていた白髪の親父が「フェニックスで仕事なんだ。」

間髪いれずにケビンが「俺達もこれから向かうんだ。」

こんな時だけタイミングを外さない。


 でっぷりした方が「そうか」

少しはにかんだような笑みを浮かべながら「表のバイクは兄ちゃん達のか、うちの若いのにも乗ってるのがいる。気をつけろよ。」

「それにしてもお前さんたちみんないい体してるな。」


 白髪の方が「何か運動してるのか」

即座にケビンが「アマレスとフットボール。」「州チャンピオンまでいったぜ。」


 二人の親父はプロレスのロードエージェントだった。

これから今夜のフェニックスでの大会を仕切りに行くらしい。


 で、まんまとケビンはスカウトされたということだ。

デビッドとケリーの兄弟、エディとルーク、それに俺にもお声が掛かった。

後日トライアウトを受けてみろってか。

俺とケビンはきっと受かるんだろうなあ。




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