合わせて十八人
ケビンと二人で、バイクを停めてからもなかなかエンジンを切らない騒々しい連中に向かう。
向こうからも何人かこちらに向かってくる。
じれったい・・・
時間の流れが緩やか過ぎる。
相手は四、五十人はいるぞ。
揉めちまった面倒臭いことになる。
まぁこっちも考え方によっちゃ合わせて十八人だし何とかなるか。
いざとなったらステラも加勢してくれるだろうし。
でも奴らの分まで複製が登場したら、もうどうにもならない。
時間があまりに緩やかなんで、くだらない事を考える時間があり過ぎる。
「よぉ」ケビンが能天気に声をかけた。
先頭で肩で風を切ってた男がサングラスを外した。
草食動物のような目をしている。
威圧感の無さにちょっと拍子抜けした。
それにどう見ても俺達より年上で、人のよさそうなおっさんだ。
ケビンの挨拶に軽く応えた男の視線がふと俺達を通り過ぎて後方に送られたのがわかった。
何か言うタイミングを失った俺はその視線を追って振り向いた。
そこに見えたのは店の入り口でこちらを見ている俺とケビンだった。
サングラスを外した男が俺達に声をかけてきた。
店のほうを指差し「よぉ あそこにいるの プロレスラーのケビンとタカだよな」
「へ?」
じゃあ目の前にいる俺とケビンは奴等の目にどう映ってるんだ。