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爆音集団

 両軍とも信頼のおけるリーダーと名参謀がお互い手探り状態で何か話し始めた。

二人のジェリーが同じように片方の眉を上げている。

ビリーは伏目がちに会話を分析しながら吸収している。

好奇心を抑えきれない俺はバイクを見ているふりをして、少し距離を詰めて会話が聞き取れるところまで位置を変えた。

二台並んだ同じバイクはどちらも左チェンジだから、どこかで読んだことのある左右対称の世界に迷い込んだわけではなさそうだ。


 「お互い同一人物のようですね」「いつ何処から来たのですか」「いつの間に二人になってしまったんだろう」

そんな言葉が聞き取れたが、どっちのジェリーが言ってるのか判別できやしない。


 店の方に目をやると、扉の向こうにケビンの姿が見えた。

バイクは見当たらないが奴もいるのか。

ってことは、もう一人の俺も店の中で聞き耳立ててるんだろう。


 成り行きを見守っていると、後ろのほうから喧しいエンジン音が押し寄せてきた。

さっき抜いた連中が近づいて来ている。

お願いだからそのまま通り過ぎてくれ。

これ以上話をややこしくしないで欲しい。


 そんな風に思った時は、ほぼ必ずややこしくなる方向に風は吹くもんだ。

案の定、喧しい連中が減速を始めた。

そんなにエンジンブレーキが使いたいのか。

ダブルクラッチだの空吹かしだの、奴らの燃費は距離じゃなく音量を分母に計算が成り立ちそうだぞ。


 集団の先頭がバイクを停め始めた。

後続がうじゃうじゃやって来る。

最初にバイクを停めた連中がこっちに向かって歩いてくる。

サングラスで表情は掴めないが、妙に肩で風切ってやがる。


 こっちは俺とケビンの担当だな。

目配せするとケビンも同意したようで、二人して爆音集団に向かった。

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