表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/115

縁起の良い初夢

 メインイベントがもう一試合残っていたが、集まっている連中は誰一人黙っちゃいない。

ここにいる仲間内の二人が生放送でプロレスしてるんだ。

ネットで調べる奴もいれば、今夜の試合会場の近くに住む知り合いに電話する奴。

アルコールも手伝っているのかパラレルワールド説をぶち上げる奴もいる。

誰かがタイムマシンを間違った使い方してこんな事になっ手しまったそうな。


 とりあえず分かったことは、ここ数ヶ月で彗星のごとく現れた大型ルーキーがケビンで、俺は初登場から一月経っていないらしい。

しかしこれだけプロレス好きが集まっているのに、その過程を知ってるのが一人もいない。


 ケビンは初登場で大型怪奇派の大物から要領良く勝利を掠め取り、その後中堅どころ相手に圧勝を続け格を上げたところで先方から絡んできてくれたってな流れだ。

大型怪奇派二人に絞められそうなケビンを助けに出てきたのが俺。


 デビュー戦でいきなり稲妻に撃たれた俺は暫く姿を消し、先週の放送が始めての試合だったようだ。

それにしても忍者の格好と言い、ゼロ戦色に日の丸付のバイクと言い、設定に俺の意思がまったく反映されていないと思われる。

リングネームに至っては、『タカ・フジ』こんな縁起の良い初夢みたいな名前誰が考えやがった。

『ケビン・ムーア』は本名だし奴がリングに乗り付けるのは、そこのガレージに停めてあるバイクなのに。


 もう一人の当事者のケビンは、基本能天気な男だからこのことをあまり深く考えていないようだ。

しかし合点がいかないのはみんなと同じで、どうせならテレビに出てる偽者ぶっ飛ばして俺達が出ようぜってなところ。


 この際ケビンと二人で試合会場に押しかける算段を始めたら皆が乗ってきた。

特番の前にハウスショーがフェニックスに来るようだし、そこに押しかけることになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ