表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/115

挑戦権

 今夜はテレビでプロレスがある日だ。

先週のおかしなプロレス中継の話をケビンにしてみたが、まともに取り合わないので奴の家に押しかけて一緒に見ることにした。

他にもプロレスが好きな仲間が何人か集まっている。


 先週の放送を観た連中は確かに俺とケビンがテレビに出て試合をしていたと言っている。

俺が夢を見ていたわけではなさそうだが、どちらかと言うと夢であって欲しかったと言えなくも無い。


 何試合かの決着がつき、いよいよセミファイナルで俺とケビンがバイクに乗って入場してきた。

この頃にはもうそれなりにみんなアルコールの充填も十分でワイワイしながら見ていた。

俺のバイクはなんでゼロ戦なのか、皆が質の悪い薀蓄を述べやがる。


 生中継の放送で試合をしているプロレスラーをその本人がテレビを通して観ている。

今度の日曜に向けての煽りの八人タッグマッチだ。


 俺とケビンが一番若手の下っ端で、ボディビル上がりの筋肉マンコンビとチームを組んで、アマレスで実績のある二人組みと超大型の怪奇派ベテランコンビのチームと戦っている。

試合では全員が得意技を披露し特番へ向けてのアピールと因縁作りを繰り返している。


 最後はベテラン組の大御所にケビンがやられて試合が終わったが、その後も全員入り乱れて乱闘が続いている。

味方チームで闘ったとは言え特番では敵同士ってことで、四チームが組んず解れつだ。


 事態を収束するためにGMと思しき人物が現れた。

いかにも業界長そうな紳士が険しい表情でリングに向かっている。


 GMがリングに上がった頃には、一頻り暴れたレスラー達が四つのコーナーにそれぞれ陣取ってセキュリティの連中に宥められていた。

今度の特番では四チームによるイリミネーションマッチで闘うことになった。

それぞれのコーナーにタッチロープを設け同時にリングに入って闘うのは二人だが、誰とタッチしても良い。

負けた選手とそのパートナーは失格。

最後に残ったチームがタイトル挑戦権を得る。


 ちょっと待て。

これだけ面倒くさい展開で勝っても挑戦権って。

じゃあ誰がタッグチャンピオンなんだ。


 毎週見ていたはずの番組なのに先週から展開が支離滅裂だぞ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ