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膠着状態

 スキンヘッドの赤鬼との膠着状態が続く中、暫く凪いでいた風が思い出したかのように吹き始めた。

また今度も向かい風だ。砂埃で眼を開けていられない。

相手が替わっただけでさっきと同じシーンだ。

また逃げるしかないか。


 どうやってビューエル乗り逃げしようか頭の中で作戦を練っていたらいたら、エンジン音が聞こえてきた。

今度は車の音だ。重ったるさからして少なくとも「走る」車ではなさそうだ。


 徐々に近づいてくるエンジン音は、間違いなくOHVの音だ。

いろんな要素がひしめき合って調子は最悪だとドロドロ唸りながらこっちに向かってくる。


 姿が見えるとそれは相当古い年式のトーラスワゴンだった。

この車からいったい誰が降りてくるんだ?

少なくともタトゥーの男のイメージじゃないぞ。

赤鬼も車の音のする方を見ようと振り返った。

隙が出来た。今だ。逃げろ。


 しかし次の瞬間奴の右手が俺の喉に喰い込んでいた。

またかよ。

今回はそのまま投げ捨てられることは無く、どうやら車が来るのを待つことになるようだ。


 グレーなのかベージュなのかうまく色を表現できないくらい年を食って草臥れたトーラスがようやく到着した。

重そうにドアが開き年配の男が降りてきた。

この車にしてこの親父ありってかんじのバーコード頭のでっぷりした親父だった。

ただその胸板や腕の筋肉からして運動不足で食い過ぎのデブではなさそうだ。

赤鬼とアイコンタクトを交わすとこちらに向かって歩き始めた。


 俺は首根っこ押さえられたまま成す術も無く待つしかなかった。

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