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トンネル

 トンネルに入った。長いトンネルだ。

かなりの時間走っているような気がする。いったいどれだけ長いんだ。

毎時80マイルでもうかなりの時間走っている。

また時間の流れがおかしくなっているに違いない。


 それ以前にこんなところでトンネルに出くわしたことがそもそもおかしい。

さっきまでどっちを見ても地平線しか見えない平原だったところに、大雑把にアスファルトで一筆書きしたような道がひょろひょろあっただけなのになんだ。

まるで地下にでも潜ってしまったかのようだ。


 追われている恐怖も少し手伝ってアクセルをひねる手首の力が弱まることは無いが、どちらかと言うと、前にペースの速い奴がいてそれを追いかけている方が簡単にアドレナリンが作用してくれるんだがなぁ。

しかし走らなきゃならないって使命感があるから眠くならないのが救いだわ。


 前後にも対抗にも何もいない道をひたすら走る。

何時まで何処まで走れば違う風景を見ることが出来るのだろうか。

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