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タイタン

 走りながら後ろを振り返って見た。

そこではまだ奴が体勢を崩したままで、まるでコメディアンがジャイアント馬場の物まねをしているようにゆっくりと膝を地面につけようとしている。

これなら軽く逃げ切れそうだ。


 奴の乗ってきたバイクに辿り着くと、案の定キーは刺さったままだった。

こうなればこっちのもんだ。速攻でエンジンをかけてギヤをローに入れてアクセル捻った。

すごいトルクだ。こんなんでよく舗装してないところを走って来たもんだ。まっすぐ走りやしない。

どんなカスタムしてやがるんだ。こんなのカスタムじゃなくてチューンだぞ。

こりゃハーレーじゃないな。タイタンだわ。


 何とか舗装路に出てアクセル全開。ちょっと落ち着いた気分でタイタンを楽しませて貰おう。

舗装路をまっすぐ走るんならこんな気持ちの良い乗り物は無い。


 このまま何処までこいつに乗って逃げようか。とっ捕まったらタダじゃ済まないのは十分理解できる。

しかし今こうしてるのだってかなり理不尽な話だ。


 走りながら考える余裕が少し出来た。追い風が吹いているかんじだなぁ。

しかし理に適わないことが多い。

墓穴から這い出てバイクの音を耳にしてから奴と対峙するまでは凄まじく時間がかかった。

喉元をつかまれ墓穴に投げ込まれるまでは瞬きする間も無かった。

再び墓穴から出てバイクを走らせるまで、世界は凍りついたかのように止まったままのようだった。


 それに何より指先から稲妻が出てそれにやられたこと自体がおかし過ぎる。


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