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走馬灯

 強い向かい風と巻き上げられた砂埃を道連れに、こちらに近づいてくるライダーの重い足取りを薄く開けた眼で追っていた。

大気に締め付けられるような思いで身動ぎもせずに奴が目の前に立つのを待った。

黒いタンクトップから腫上がった様な肩と丸太のような上腕が垂れ下がっている。

喉元にまで彫られたタトゥーで素肌の色がよく分からない位だ。


 ようやく対峙した大男が風を遮ってくれたので、目蓋を開いてその顔を拝んでやろうとした。

濃いサングラスのせいで眼を見ることは出来ないが口元はほんのわずかに不敵な笑みを浮かべている。

俺も身長はある方だが、それでもかなり見上げないと視線が絡むことは無い。

例の墓堀人と同一人物なのか。

ならば俺に勝ち目は無いぞ。


 どうする?

さぁどうするんだ?


 死に直面した時に人は走馬灯のように過去を思い出し数多の時間が一瞬にして流れると言う。

ならば、今の俺は死に直面しているのだろうか。

時間は流れることをやめてしまったにもかかわらず、思考回路がショートしたかのように頭の中で何かがスパークし独楽鼠のように走り回っていやがる。

恐怖もあるが、切羽詰ったこの状況を少しばかり楽しんでもいる。

どんな答えが出るんだ?


 

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