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怒り心頭の相棒
ケビンがネチネチと時間を稼いでいる間に、奴自身も俺も随分回復することが出来た。
そろそろ相手にも、蒸気爆発起こしそうな相棒に交代して無双させてやらないと格好がつかないだろう。
ファンもその大立ち回りを見てすっきりしないと収まらない。
しかしそう簡単にはタッチさせるもんか。
もっと焦らしてやる。
自軍のコーナーに相手を連れ込み、小刻みにタッチを繰り返す。
観客の苛立ちがピークに達する。
ケビンがニードロップを自爆。
その隙を突いて、最後の力を振り絞った敵がタッチ交代。
怒り心頭の相棒は、ひょいとコーナー最上段に飛び上がり、そこからケビンにミサイルキック。
後方二回転宙返る程吹っ飛ばされたケビンが戻ってきた。
替わった俺もパンチとキックでロープ際まで押し込まれる。
反対のロープに振られて戻ってくるところにクローズライン。
起き上がるとまたクローズライン。
助けに来たケビンにもクローズライン。
二人まとめて両手でクローズライン。
俺たちは持てる身体能力をフル活動で派手にブッ飛ばされ続ける。
場内は大歓声だ。
盛り上がってきたぜ。