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先付ー四葉と開幕ー

お久しぶりです、桜宮です。


新作小説、ミステリーに挑戦しましたが…

とても難しかったので、これじゃない感もあるかもしれません…

【長野 某所 午前八時】


「シュー…シュー…」

延命装置に繋がり、管だらけの老人がベッドに横たわっていた。周りを囲むは淡々と心音を聴く医師に、心配そうに見つめる男に、携帯に夢中な女、それらを静観する少年が一人。

「先生、父の容体は…よくなるのでしょうか。」

「…延命装置で何とか生き延びている状態です。心の準備をしておいてください、いつ急変してもおかしくありません。」

「ありがとう、ございます。」

「では私はこれで。」

「あ、タクシー呼びますので一旦ダイニングへ案内します。」

「どうも。」

男は女に「医師を送ってくる」とだけ伝え、その場を後にした。残るは薬品の匂いと三人のみ。

「ママ…」

「んー?」

「おじいちゃん、よくなるの?」

「んー…」

「……」

少年はそっと母のワンピースのスカートをギュッと握った。母はチラと一瞥し、携帯から目を離さず少年に話しかけた。

「握らないで、シワになっちゃう。」

「あ、ごめんなさい。」

「これ高かったのよ。」

「…ごめんなさい。」

「あたし、ダイニング行ってるから。」

「はい。」

母が去りしばらく扉を見つめ、その後少年は老人に近づきストンとしゃがみ、皮と骨になった痩せこけた手を握った。

「…シュー…シュー…」

「おじいちゃん。僕もう冬休み入ったんだ、少し短いけど。もう宿題を終わらせたんだ。…ママはそんなの当たり前、って言ってた。」

祖父はただか細い息を繰り返すだけ。絶え間なく動く胸を見つめた後に少年はベッド横にある棚の上へ視線を動かした。

「…またおばあちゃんの話を聞かせてよ。おじいちゃん…」

棚の上にあるは結婚式の写真と、マラカイトがはめ込んである指輪が一つ置いてあった。

「……いつ見ても、綺麗だなぁ。」

うっとりとしばらく眺めた後、部屋を後にした。雪のちらつく窓を眺めがら少年はダイニングへと向かっていたその時、ポスッと誰かとぶつかり、顔を上げた。

「あ、ごめんなさい。ゆき。」

「ちゃんと前を見て歩きましょうね。でないと今みたいに誰かにぶつかりますよ。」

「はい…」

「…大旦那様の元にいらしたんですね。」

「ママも、パパも、先にダイニング行っちゃったけどしばらく側にいたくて。」

「そうでしたか。」

「…僕、外で遊んでくる。しょーまはいる?」

「犬養なら門の前で雪かきをしています。」

「ありがとう。」

「行かれるのでしたら、ちゃんと防寒してくださいね。」

「分かった。」

少年はメイドにそう答えるとダイニングではなく、自室に向かいマフラー、ジャンパー、手袋を装備し玄関へ向かった。チラと靴を見ると医師の靴がなかったため、もう帰ったのかと少年は思った。重い玄関のドアを開け、門の前までの長い道を走った。

「しょーま!」

そう大声で呼ぶと、門の前で半袖で作業する青年が振り返った。青年はギョッとした表情を浮かべると少年に駆け寄ってきた。そして抱き止めるとそのまま上へ抱き上げた。

「あんまり走ると転ぶっすよ。」

「…ごめん。」

執事はニッと笑った後、そっと少年を下ろした。少年は少しズレた眼鏡を直して、見上げた。

「しょーま、雪遊びしよ?おっきな雪だるまを作りたいんだ。」

「お!良いっすよ。庭の方に行きましょうか!」

少年は執事の手を握り庭へと向かっていた。きゅっきゅっと雪を踏み締める音が静かに響く。

「…しょーま。」

「何でしょうか?」

「寒くないの?半袖で。」

「雪かきすると暑くなるっす。だから、今はへーきっす!」

「そっか。」

しばらくして庭についた。春になれば薔薇が咲き、夏になれば緑が青々しく美しい庭である。そして何より目立つのは真ん中にポツンと建てられたガポゼ。今の時期、冬の際はすっかり雪に覆われてしまっているが冬以外ならここでお茶を飲めば至高のひと時となるのだ。

「よし!あっちは植木とかガポゼがあるんで、ここに広い場所にしましょうか!」

「うん。」

二人それぞれ雪を転がし丸を作り、目とボタンになりそうな石に、手の部分となる木の棒、鼻の部分の人参を探しに回った。

「鼻の人参は新鮮なものじゃなく、廃棄寸前のものにしましょうか。」

「うん、そうする。ゆきに行ってくるね。」

「あ、僕が行ってくるんで坊ちゃんは石と木の棒を見つけてください!」

「ラジャー」

執事は室内へ、少年は石と木の棒を探した。石を探すために歩いているとガポゼまで辿り着いた。この周りに石があるかもと少年は思い、キョロキョロとしていたその時。ふと、温かな風と紅茶の匂いが鼻腔を満たした。その匂いは何処からだろう、と迷う間もなかった。間違いなく、ガポゼからふわりと漂ってきた。好奇心そのままに少年はガポゼの階段前に近づき、じっと中を見つめた。

「…机に、椅子。紅茶なんてありやしない。雪が積もりに積もってるじゃないか。」

近づけば近づくほど、匂いが鮮明になった。紅茶だけじゃない、ケーキ特有の甘い匂いも香ってきた。少年は階段を登り、中へ入ってみようとしたその時、執事の大きな声が耳を貫いた。

「坊ちゃーん!!人参、ゲットしたっすよー!」

「あ…しょーま。」

踵を返し、雪だるまと執事の元へ駆けて行った。最後の仕上げをするまではガポゼが気になっていたが、作り終えてしまった後は、今までより大きな雪だるまを作れた喜びですっかり忘れてしまった。

「坊ちゃん、横に立ってくださいっす。写真撮るんで。」

「うん」

「はい、撮りますよ〜。」

二、三枚撮り終え、写真を確認した。少年より少し大きな雪だるまと、下手くそなピースをして照れ笑いをする少年。

「…やっぱり写真って恥ずかしいよ。」

「そっすか?思い出を切りとってる感じでちょー良い感じっすよ。」

「ママと、パパにも見せたい。喜んでくるかな。」

「なら、後で現像しとくっすね。」

「ありがと…はっ…くしっ!」

「わぁ!坊ちゃん、大丈夫っすか!?中、中入りましょう!」

執事にお姫様抱っこされ、そのまま室内へ戻った。玄関で少年を下ろし雪を叩いている間、ちらっと視界に入ったメイドに大声で話しかけた。

「ゆきな!なんかあったかいもん頼む!」

「どうかなされたのですか?」

「坊ちゃんが寒そうで。」

「まぁ。では、ココアを作ってくるのでダイニングへ。」

「うっす。」

「…しょーまは寒くないの?」

「大丈夫っすよ!日々きた…」

「坊っちゃま。馬鹿は風邪を引かぬという言葉を覚えといてくださいな。」

「ばか…」

「僕は鍛えてるから平気なんすよ!馬鹿じゃないっす!」

「ココア、作って参ります。」

「ゆきなぁ…」

メイドはささっとキッチンへ向かい、執事は項垂れながらも少年をダイニングへと連れて行った。

「坊ちゃん、薪ストーブ前のソファーに座っててください。今、ブランケット持ってくるっす。」

「…ん。」

執事を見送った後、少年は少し鼻を啜った。あんなに暖かい格好をしても指先は真っ赤になっていた。しばらくしてお盆を持ったメイドが現れた。

「坊っちゃま。ココアをお持ちしました。熱いので気をつけてくださいまし。」

「ありがと、ゆき。…わ、マシュマロ入ってる。」

「マシュマロはチョコ入りですので、溶け始めましたら、こちらのスプーンでかき混ぜてください。」

「ありがとう。」

「…そういえば犬養はどこへ…」

「ブランケットを持ってきてくれるって。」

「あの人、場所が分かるのかしら…」

「しょーま、主に力仕事だもんね。」

「少し見てきます。その間に飲み終えてしまったら、そこに机に置いといてくださいな。」

「分かった。」

メイドは少年に一礼をした後部屋を後にした。ゆっくりと溶けゆくマシュマロを混ぜた後ココアを飲み、ストーブの火のゆらめきを呆然と見つめた。と、ガチャリと扉が開く音がしたので執事が帰ってきたのかと思い振り返った。

「ん、パパ。」

「あぁ、いたのか。…何飲んでるんだ?」

「ココア。」

「そうか。飲んだ後、ちゃんと歯を磨くんだぞ。」

少しの会話をしつつも父は少年と目を合わせず、手に持った資料と睨めっこしながら広い机へ向かい、どかりと椅子に座った。少年は父の様子を伺いながらソファーに膝立ちをし、そっと…恐る恐る声をかけた。

「…パパ」

「なんだ?」

「せっかくの冬休みだし…どこか遠出、したい…なぁなんて。…千葉の、遊園地とか…」

「……ふぅ…」

父は無言で見つめ、机に持っていた資料を叩きつけた。その大きな音に少年はびくりと肩を震わせた。

「今の状況を考えてくれ、万が一があるんだ。暇ならば洋画でも見ていてくれ。」

「…ごめんなさい、パパ。」

「……どうしても遠出したいならママと行けば良いじゃないか?」

「ママ、忙しそうだもん。それに、…それに…ううん、やっぱ遠出は我慢するね。我儘言って、ごめんなさい。」

少年は父から視線を外し、ソファーに座り直した。言いかけた言葉と共にココアを一気に飲み干した。

「つまんないなぁ…」

ボソリと呟いたその言葉は誰の耳にも届かず消えていった。カップをそっと机に置いたと同時に勢いよくまた扉が開いた。

「持ってきたっす!ブランケット!」

「しょーま。」

「ん!んっ!」

「あ…申し訳ないっす…いや!申し訳ありません!」

「…元気なのはよろしいが、限度を持ってくれ。」

「今後、気をつけます。」

執事は父に一礼した後、少年の元へ駆け寄ってきてニッと笑って見せた。そして跪きブランケットを差し出した。

「どーぞ、坊ちゃん。」

「ありがと、しょーま。」

「僕一人じゃやっぱ見つからなくて、結局ゆきなに手伝ってもらったす…とほほ。」

「ゆきは?」

「奥方に呼ばれたので、行ったっす。」

「そっか。」

「あ、コップ片付けるっすね。」

「うん、ありがとう。」

執事が出ていくと同時に母が入ってきた。母は少年に見向きもせず、ズンズンと父に近づいた。そしてバンッと机を叩いた。

「ねぇ、遺産とかどうするの?」

「おまっ…!今、ここにはあいつもいるんだぞ?なんてことを口走るんだ!」

「え?…あぁ、いたのね。」

そういうと少年に近づき、ずいっと顔を寄せた。

「今からママ達、大事なお話するから部屋でも外でも出てってちょうだい。お夕飯になったら戻っていいから。」

「…は、はい…」

「おい!」

「何よ、この子がいるからそういう話ができないんでしょ?なら出てってもらうしかないじゃない。」

「…まだそういう話はいいだろう、別に。」

「話しといた方がいいでしょ!?」

「パパ!ママ!」

「なんだい?」

「なにかしら。」

「…僕、外で遊んでくる。お夕飯に戻ってくればいいんでしょ?」

「聞き分けのいい子で助かるわ〜。ありがと♪」

少年はブランケットを畳み、のそのそと暖かなダイニングから外へ出ていった。幸い玄関先にジャンパーも手袋も何もかも置いてあったので、それを身につけもう一度庭へ出た。変わらない寒さに身震いし、鼻を啜った。と、その時。やはり先ほどの紅茶の匂いが鼻腔を満たした。

「…さっきの匂いだ。やっぱり、あのガポゼに何かあるんだ。」

もう少年の好奇心は止まらない。足取り軽やかにガポゼへと向かった、ガポゼの階段前に辿り着きもう一度見渡した。やはり雪が積もっているのみであった。

「…よし」

二、三段しかない階段をトントンっと昇り、ごくりと唾を飲み込んだ後、恐る恐る一歩を踏み出した。その瞬間、眩しい光が少年を包み込んだ。

「わっ!」

目を開ける前に、ケーキの甘い匂いやら花の爽やかな匂いやら紅茶の匂いやらが最初に鼻へ飛び込んできた。ハッと目を開くとそこは春の如く暖かで植物が生き生きとしていた。

「わぁ……」

感嘆の声を漏らし、辺りを見渡したが少年の目を奪ったのはガポゼの真ん中に設置された机の上にある焼き菓子に、洋菓子たち。

「…あら。迷い込んでしまったのね。」

パッと顔を上げると持っているティーポットとは相性の合わない着物を着た女性が立っていた。

「あ…えっと、勝手に入ってすみません。」

「別に気にしないで。ちょうどお話相手が欲しかったの。」

そう言い、女性はふんわり笑った。その人の容姿はセンターパートにインテークの横髪が顎までの長さで姫カット。肩まではボブだが襟足を膝下まで伸ばしている。着物の生地は上は萌葱色だが、下にかけて柳色へグラデーションされてる。そして腰より下の生地に九頭の山吹色の蝶々が描かれていた。女性はすとんと椅子に座り紅茶をカップに注ぎ始めた。

「そこへ座り。…紅茶はミルクとか入れますか?」

「え、あ…はい。ありがとう、ございます。」

少年は女性の反対側に座り顔を揚げたその時、ハッと息を飲んだ。彼女の瞳がとても特徴的で綺麗であったからだ。細く垂れた瞼に優しい緑色の瞳に、瞳孔がクローバーの形になっていた。淹れ終わると同時に少年の視線に気づき、目が合い、ニコッと笑った。

「…私の顔に何かついてますか?」

「え!あ、いえ…瞳が綺麗だなと思いまして…」

「あら嬉しい。…はい、紅茶。ミルクたっぷり入れてあるから。」

「わぁ…」

「ここにあるお菓子も食べていいわよ」

「い。いただきます…」

まるで少年がここへ来ることを知っていたかのように用意周到であった。クッキーの優しい甘味が口の中へと広がり、まったりとした舌の上をミルクたっぷりの紅茶がスッキリと流してくれる。美味しそうに微笑む少年を穏やかに彼女は見つめ一口飲んだ後、口を開いた。

「…貴方、小さいのに礼儀が正しいのね。偉いわ。」

「両親が、常に礼儀正しくあれと言っているので。」

「そう。」

既にココアを飲んでお腹が膨れていた少年だが自然と紅茶も、目の前にある菓子もするすると胃の中へ入っていった。

「君、このお屋敷の子だよね?」

「うん。パパとママに僕、それにメイドと執事とおじいちゃんで暮らしてるよ。」

「そう。」

「…あ!まだ名乗らず飲み食いしてごめんなさい。僕はあきめ。城ヶ崎あきめって言うんだ。」

「城ヶ崎…。…あきめ君と言うのね。」

「お姉さんは?」

「ん?あぁ…私も名乗らなきゃね。私はよつは。平仮名でよつは。」

「よつはさん。良いお名前ですね。そういえば植物図鑑に載っていたのですが、四つ葉のクローバーって幸運などの花言葉ありますよね。」

あきめはニコッと微笑みかけると、よつははキョトンとした表情を浮かべた後、クスッと笑った。

「そうね。クローバーは葉の数ごとに花言葉が違うのよ。」

「…ここに咲いているクローバーは一葉と二葉しかないですね。」

「あら、よく探せば四つ葉があるかもよ。」

「そう?…パッと見は見つからないや。」

「幸せっていうのは案外近くにあるものよ。…すぐ見つかったら、つまらないでしょ?」

「…そうですかね…」

「…あら、カップが空っぽね。お茶のおかわりはいるかしら?」

「あ…お願いします。」

穏やかで、平凡な時間が流れた。少年と乙女の話し声、笑い声だけが響いた。少年はずっとここにいたいとふと思ってしまった、その時。よつはが口を開いた。

「そろそろお部屋へお戻り。きっとここを出た時、もう四時半でしょう。」

「え…そんな、経ったんだ…。うん、そろそろ家に戻るよ。」

「あきめ」

「ん?」

「ここでの出来事はゆめゆめ誰にも言わないようにね。」

「分かりました。…よつはさん」

「何?」

「明日も、来ていいですか?」

「…えぇ、いつでもおいで。私はしばらくここで茶会を開いてるから。」

少年は満面の笑みを浮かべた後、ぺこりと一礼をして顔をあげた。

「紅茶とクッキーご馳走様でした。また明日。」

「また明日。」

あきめは手を振るよつはに答え、振り返したあと階段を降りた。そして振り返ると当然、先ほどまでの光景は消えていた。それと同時に腹の虫が鳴いた。あんなにたらふくクッキーと紅茶を飲んだにも関わらずだ。

「…今日のお夕飯は何だろうな。」

玄関の戸を開くと使用人が珍しく慌ただしく動き回っていた。一体どうしたのだろうと首を傾げながらブーツを脱いでいると、執事が近づいてきた。

「坊ちゃん、どこにいたんすか!?」

「え?えっと…お庭、お庭にいたよ。」

「そっすかぁ。よかったよかった。」

「…しょーま、なんでこんなにバタバタしているの?」

「ん?あぁ、来るんすよ。弟さん、二家族。」

「そしたら、二人も来る?」

「来ると思うっすよ!」

「わーい。いつ来るの?」

「夕方ぐらいと思うっす。医者が帰った後に連絡済みだったみたいで。だから夕飯は久々に大勢で食うっすよ。」

「分かった。…もうダイニング行っても平気?」

「大丈夫っすよ!」

「ありがと」

廊下から一直線、左を向けばダイニングの扉だ。恐る恐る開けばどこかへ電話をかける父のみがいた。母がいないことを確認し、薪ストーブの前にソファーへ向かった。メイドの気遣いか、ブランケットはそのまま残っていた。ブランケットに包まれ、ふと窓の外を見るとしんしんと降っていた雪はいつの間にか吹雪へ変わりつつあった。と、視界にスーツの裾が映った。

「…あいつらこれだろうか…」

「パパ」

「さっきから色々とすまないな。」

「ううん、平気。…今、スゴく大変だもんね。」

「…あきめ、口を開けたまえ。」

「え?…あ。」

コロンと口の中へ何か甘いものが転がってきた。少し下の上で転がしていると、すぐにそれはチョコレートだと理解した。

「ママには内緒だぞ。」

「ん」

と、また父の胸ポケットに入った携帯が鳴り廊下へ出ていってしまった。電話しながら出て行く父の背を眺めながらチョコレートを食んだ。入れ替わりにメイドがひょっこりと現れた。

「ゆき」

「坊っちゃま、お腹は空いていませんか?ご両親は忙しく、昼食を抜かれてますが坊っちゃまはどうしますか?」

「んー…ちょっとは何か食べたいかも。」

「ならばシェフの方にミニサイズのホットケーキでもお願いしてきますね。」

「ありがと。…ん?」

「どうかなさいましたか?」

「ゆき、珍しく右手の側面が汚れてんだね。どこかお掃除したの?」

「え?…あぁ、埃だらけの所を掃除しましたから。掃除の時は両手を使うこともありますよ。」

「そっか。」

「では、私はシェフの元へ行きますね。」

「うん。ありがと。」

あきめはメイドの背を見送った後、テーブルの方へ向かいちょこんと座った。ふと手のひらを見つめ、ぎゅっと握ったりパッと開いてみたりした。あの出来事が本当であったかどうかを確かめるように。

「…明日も会いに行けば、本当の出来事だったんだろうな…」

少年の鼻の奥には未だ微かに紅茶が香っていた。

   ◇

〈夕方 五時半前後〉

城ヶ崎邸の門から一台の長い黒い車が入り、玄関前に止まった。運転席から女性が降り後ろのドアを開けた。

「着きました。お足元が悪いのでお気をつけください。」

「あぁ」

「やっと到着〜!疲れた〜」

「と、到着。つか、れた。」

「二人ともお行儀よくいてよね。」

「「はーい…」」

「今回はいつ帰宅するか分からんから、駐車場に車止めてお前も屋敷に泊まれ。兄貴にはもう話してある。」

「かしこまりました。」

大柄な男はそれだけ言いズカズカと扉の前まで行き、インターホンを鳴らした。少ししてガチャリと開き、執事が顔を出した。

「遠路はるばるお疲れ様でした。こちらへどうぞ、ダイニングへ案内しますね。」

「ん。」

「…お邪魔します。ほら、あなた達も。」

「「お邪魔しまーす」」

靴を脱ぎ、スリッパに履き替え執事の後につきダイニングへと向かった。その間、双子の少女と少年がこそこそと話し合い、母親に怒られを繰り返したが男は一切無関心であった。執事は着くと少し戸を開き「到着しました」と声掛けをした。

「お疲れ様。おや、先にお前だったか。」

「悪いか?」

「いや、珍しいなって思っただけだ。」

「あいつは遅れるそうだ。この大雪で見事に渋滞にはまったそうだ。」

「おやそうなのか。それもまた珍しいな。そしたら夕飯は少し遅くなると思うから、ゆっくり休んでくれ。」

「ん」

男はソファーへ向かい、どかりと座った。その後にいた妻と子供はぺこりと一礼をしテーブルへ向かった。その際、双子の内の姉が男に声をかけた。

「ねーねー、あきめくんはどこにいるのかしら。」

「ん?あぁ、あきめなら書斎にいるかもしれないよ。」

「分かった!ありがと、伯父さん。」

「うん。」

少女は母の元へ行き、何かを話した後書斎へ一目散に向かいその後を少年が追いかけた。

「ごめんなさい。家の中では走るなと言っているのですが…」

「いえ、気になさらず。子供は元気が一番ですから。」

「…そう、ですね…」

その女は肩を落とし、小さくそう答えた。まるで不満があるかのよう。

「何か、温かい飲み物でも飲むかい?」

「え…で、ではお言葉に甘え…紅茶を…」

「紅茶だな。お前は何かあるか?」

「何も」

「じゃあ、メイドに伝えてくる。」

「ありがとうございます。」

女はのそのそテーブルへ向かい、しれっと既に座っている携帯に夢中な女の前に座った。

「お!お…お久しぶりです。」

「ん…?あ、久しぶりね。」

「…今日も、素敵なお召し物で。」

「やっぱり分かる!?この前ショッピングした時に一目惚れしちゃったのよ〜。あの人はなーんも言ってれなくてさー」

「やはり優しいピンクが似合いますね。」

「このネックレスもお気に入りなのよ。とっても綺麗でしょ〜。」

携帯に夢中だったはずが褒められた途端、饒舌に話し始めた。女はただ頷いて彼女の話を聞き込んだ。ソファーに座っていた男はちらとその光景を見、「またか」と小さく声を漏らした。

       ◇

「あーきーめー!」

「あ、あきめくーん…」

広い書斎の中に大きな声が響き渡り、奥の方からひょっこりとあきめが顔を出した。

「…ここだよ。」

「あ!みっけ!」

「みっけ。」

「いつ着いたの?」

「さっき!」

「…さっき」

「そっか」

あきめは首を傾げながら二人の格好を見た。

「…今日はいつもの格好じゃないんだね。」

「母さまがいるから無理よ。」

「いつもは学校で交換できるけど、今日は無理…」

「なんか、スゴく違和感…」

「しょうがないわ。ぼ…ヴヴン、あたしらだって違和感だよ。」

「ぼ、僕も。」

「一人称まで…」

「女の子は女の子らしく、」

「男の子は男の子らしく。」

「……」

「ね、あきめ。お夕飯まで時間ありそうだから遊ぼ?何かない?トランプとか。」

「じゃあ、僕の部屋に行く?そこなら何でもあるよ。」

「よし、移動しよう!」

三人は二階の書斎から三階のあきめの部屋へ向かった。その間、冬休みの宿題は終わったかどうかなどの他愛もない話をした。

「え!?もう宿題終わったの?」

「うん、もう冬休み始まってすぐ。」

「あたし、まだだ〜。」

「お姉ちゃん、ずっと手をつけてなくて怒られてたよね。」

「しーっ!」

「もしかして、今日持ってきてたりする?」

「まぁ…言われたから…」

「じゃあ、僕教えようか?」

「え?あたしと学年違うから分かる…か。あんた秀才だもんね〜。」

「そうかな」

「そーだよっと!」

「あ」

少女はヒョイっとあきめの眼鏡を取って自分に掛けた。

「あんた、伊達メガネずっと愛用してるわよね〜。」

「悪いかい?」

「理由なんだっけ?」

「自分の顔が好きじゃないんだ。」

「…ふ〜ん。ね、真面目っぽく見える!?」

「見えるよ、お姉ちゃん。」

「ふふん」

「つけたいならあげるよ、部屋にまだストックあるから。」

「んーにゃ。あたしの性には合わないや。」

そう言ってあきめにそっと返した。そうこうしていると部屋に着いた。

「…今だけ服交換する?たぶん誰も来ないし。」

「んー…万が一あるだろうし、いいや。それよりあきめ、勉強教えて。」

「分かった。特にどこが難しいの?」

「算数と、歴史!あと、理科。あ、国語も。」

「ほぼ全部だよ…お姉ちゃん…」

「ゆっくりやっていこうか。」

カチコチとただ時計が鳴り響く。あきめは一旦外へ出てメイドを探した。ちょうどリビングから出てきたので、部屋に紅茶を持ってきてとお願いした。しばらくしてメイドが来て暖かなリンゴティーを置いていった。

  ◇

〈午後 七時四十六分〉

小さな軽自動車が門から入ってきた。

「マジだるいんだけど。あんたのそーゆーとこあーし嫌い。」

「ご、ごめんって。早く出たから平気だと思ったんだけどな〜。」

若いカップルの痴話喧嘩、特に女の声が車内に流れてるラジオをかき消すほどの声量で行われていた。

「…吾輩は車を置いてくるから、先に行ってて。」

「え〜…マジで言ってる?あーしこの靴だから滑んの確定なんだが。」

「分かった、一緒に行こう。エスコートするよ。」

「最初っから言えし。」

駐車場に差し掛かり、長い黒い車があることを発見しその車から二台分開けた場所に止めた。

「後ろにお土産あるから、それ取ってからそっち開けるね」

「んー」

ささっと荷物を取り、助手席を開けた。そして手を差し伸べ女性をエスコートした。

「さ、寒くない?」

「別にー」

「そっか。よかった。」

玄関前までつきインターホンを鳴らすと、今度はメイドが顔を出した。

「お待ちしておりました。もう皆様ダイニングにいらしてます。」

「本当に申し訳なかった。これ、お土産です。」

「お邪魔しまーす。」

女性はさっさとブーツを脱ぎ部屋へと向かってしまって、男性も急いで靴を脱ぎ合流しようとしたその時、玄関の段差につまづき転んでしまった。幸いお土産はもう渡していたので無事だった。

「大丈夫ですか?」

「い、いつものことだから大丈夫、です…」

パッパとコートを叩き女性の後を急いで追った。

「ちゃんとノックするんだぞ?」

「えー別によくない?親戚だし。」

「頼むから…」

「えー分かったわよ。」

ダイニングへ着くと少々荒っぽくノックをし、執事が顔を出した。

「お!お疲れ様です!もう皆さんお揃いですよ。」

「は、はい…」

男性はごくりと唾を飲み、女性は髪の毛の毛先をいじっていた。キィっと甲高い音と共に扉が開き、一斉に視線を感じた。

「お前が珍しく遅刻するから大雪になったのではないか?」

「ほ、本当に申し訳ない…。連絡もらってすぐに駆けつけようとしたんだけど、まさかあんな大渋滞だと思わなくてさ…」

「まぁ、事故なく無事に二人とも来てくれてありがとう。そこ開いているからかけたまえ。」

「あ、はい…」

おずおずと男性は席へ向かい、その後を女性がついているとトコトコっとあきめが女性に近づいた。

「お久しぶりです。」

「やーんお久〜。また大きくなった〜?」

「そんなに成長してないです。」

「相変わらずかわいいね〜。あ、キャンディーいる?」

「いいのですか?」

「うん!…はい、どーぞ。」

女性はそう言ってカバンからブドウ味のキャンディーを取り出し渡した。

「ありがとうございます。後で食べますね。」

「うん!」

少年の頭をひと撫でし席へ着くや否や、ハッとお土産を思い出し部屋を出ようとした執事に声をかけた。

「ねー!あーし、こいつが持ってきたお土産パスだわ。」

「あ…えーと、了解?しました。」

「あーし、レーズン無理なんだよねー。なのにこいつったらゆーめーだからって買いやがって。」

「ご、ごめんって…。」

「レーズン、入ってるのぉ〜?ならちょっとあたしも…」

「ほら嫌いな人もいる。」

「うぅ…」

「嫌なら食わなきゃいい。それで解決だろ?」

大柄な男が怒気をはらんだ声でそう言い放った。しばらくの沈黙が流れ、その間を破るようにか細い声と無邪気な声が流れた。

「わ、私はチーズケーキもレーズンも好きなので嬉しいです。」

「おじちゃん、大阪にりょこーしたんだね!どこ行ったの?」

「え、えっとね…」

夕飯が届くその時まで少女とその母親と会話が弾み、先ほどのまでの暗い雰囲気は払拭された。そしてしばらくして食事を二人のメイドが運び込んだ。一人はこの屋敷のメイド、ゆきな。もう一人は次男夫婦のメイド、あんだ。

「食事の用意が出来ましたので、並べて参ります。本日のご夕食は飛騨牛のハンバーグです。鉄板に乗せあり熱いのでお気をつけください。」

そう言い二手に別れワゴンをガラガラ鳴らして、皆の元へ行った。

「どうぞ、坊っちゃま。」

ゆきなは右から食事を乗せたお盆を渡した。

「…ありがと、ゆき。」

次々と皆の前に食事が置かれ、肉の焼けた匂いを含んだ湯気が立ち上った。上座に座る男が口を開いた。

「今日は色々と話し合うために呼んだが、まずは食事を楽しもう。それでは、」

「「いただきます」」

細々と家族同士の会話が聞こえるだけで、賑やかな食卓ではなかった。

「…美味しいね、ママ。」

あきめはポツリと言ったがそれは決して隣に座る母には聞こえていない。ただただ舌に広がる脂の旨みを噛み締めた。とその時。

「あきめ!」

「!」

「美味しいね!」

たまたま目の前に座った次男夫婦の娘がにこやかに話しかけてきた。あきめは目を丸くし驚いたが、やっぱり話しかけてくれんだという喜びも押し寄せた。

「うん、美味しいね。」

「あきめ、この後またお勉強会しようね。」

「いいよ。また三人でやろう。」

「…夜更かしはダメですからね。」

「「はーい…」」

少女は別に今日くらいはいいでしょ?と言わんばかりの恨めしい視線を母に送ったが、母にはどうやら届いていないみたいだ。食事が終わり、各々まったりと過ごしていた。次男がスッと席を立ち、側にいた長男に声をかけた。

「…タバコ吸ってくる。」

「まだ吸ってんだ。」

「これだけが癒しなんだ。」

「…肺を悪くするよ?」

「何回この会話をすんだよ。兄貴。」

「心配なんだよ。兄弟一人として欠けたくないだろう?」

「……」

次男は何も答えず出ていってしまった。長男は肩をすくめ近くに置いておいたパソコンを手に取り作業を始めようとしたその時、あきめが声をかけた。

「パパ。」

「どうした、あきめ。」

「僕、自室に行くね。宿題のお手伝いをするんだ。」

「そっか。じゃあ後で部屋にチーズケーキを持って行くよう、頼んでおくね。」

「ありがとう。」

そう言い少年少女は話しながら部屋を出て行った。

  ◇

少年少女が出て行った後しばらくして煙草の匂いを纏った次男が戻ってきた。

「子供もいなくなったこったぁ。親父のこと、話し合おうぜ。」

「…そうだね。」

「今、ちどりさんはどんな感じなんだい?前に話してたことと変わらない?」

「うん、ほとんどは。今は延命装置で何とか生きている状態だ。」

「だからさっさと遺言書とか用意させましょーよ。」

「…お前…」

相変わらず携帯をいじりながら話し合いを聞いてた長男の嫁が口を挟んできた。そして漏れ出るその言葉に長男は眉を顰めた。

「どうして父さんの心配はせずにそっちの心配ばかりをするんだ…!あきめだって早く治ってほしいと言ってたじゃないか!」

「あんな状態じゃ治らないわよ〜。どうせあの子が二十歳になるまで生きられないわ。」

「なんて事言うんだ…!」

「当然のことでしょ?」

そう言いながら携帯をひらひらさせた。長男は言い返そうと息を吸ったその時、次男の嫁が止めに入った。

「い、今は!ちどりさんの事ですよね?」

「…そうだな…」

「そういうお話は後々でいいと思います…。きっと、治りますから…。」

「後で、ちどりさんのお見舞いに行きたいな。」

「…一応行っておくか。」

「あの、そういえばいつ頃から急変したのです?」

「ん?…今年の、四月二十八日だ。」

「…そう、なんですね。」

「八月、十月に一旦回復するかと見られたが…回復せず今日に至る。」

「結構長く格闘してるんだね。」

「医者はなんて言ってるんだ?兄貴。」

「…心の準備はしておけ、と。」

静かに放ったその言の葉で、その場は一気に静まり重たい空気が流れた。

「…やめだ、この話。やっぱりこの空気になる。」

「でも、ちゃんと向き合わなくては…」

「いずれでいいだろ?」

「……」

「こんな空気で親父のこの先を話せるわけねーだろ。既にお通夜状態じゃねーかよ。」

「わか、った…。」

「一時解散。また明日にでも話し合おーぜ。」

「あぁ。」

「了解しました。」

三男夫婦が先に立ち上がり来客用の部屋へと向かい、その後を次男夫婦が行こうとしたその時、長男が小さく「あっ」と声を漏らし次男に声をかけ、耳打ちをした。次男は少し怪訝そうな表情を浮かべ、こめかみを掻いた。小さな声で「分かった」と返事をし、妻の元へ向かった。

「どうかしましたか?」

「…いや、なんでもない。行くぞ。」

長男と目配せしたのち、部屋を後にした。残った長男はメイドを呼び、チーズケーキは明日食べると伝えた。

   ◇

「少しいいか。」

「どうしたん?」

部屋へ戻る途中、次男が三男を止めた。妻二人には部屋に行くように伝え、二人で立ち話をした。

「…あの件、どうなったんだ?」

「あの…件?」

次男は呆れた表情を浮かべ、長いため息を吐いた。

「はぁ……貯金が枯渇しそう、って言ってだろ?しかも、今お前のスーパーも大変なことになっちまって。」

次男は少しキョトンとした顔を浮かべたが、ハッとした表情に切り替え、早口で喋り始めた。

「あぁ〜!あ、うん。今のところは…大丈夫そう。皆んなから被害はあまり聞かなくなったし…。貯金も少しづつ回復してる…。」

「…何かあったら遠慮なく言えって、兄貴からの言伝だ。」

「遠慮なく、か…。てかこの会話自体、言伝だろう?」

「…やっぱり気づくか。」

「そりゃ気づくよ。兄弟だし。」

「言伝はもうない。我はもう行くぞ。」

「うん、分かった。」

次男はそそくさとその場を後にした。三男は振り返ることないと知りつつもその背に手を振った。その背が見えなくなった途端、だらりと一気に肩の力を抜いた。うっすらと瞼を開け覗く瞳は冷たく、鋭い視線だった。

「どうせ、誰も助けてくれないんだ。…わしは家族じゃないから…」

オールバックから垂れた髪を掻き上げ、月をふと見つめた。

    ◇

【ガポゼにて】

「…城ヶ崎あきめ、よひら、もも…。この三人が長男家族ね。」

ペラリペラリと紙を捲りながら紅茶を飲み呟いた。その紙には城ヶ崎家の家族構成から個人情報まで載っていた。

「次男家族…城ヶ崎、てんじにひなた。りかとまつっていう姉弟。」

『大体は集められたの思うのじゃ。…満足か?』

「ありがとう、カミツレ殿。」

机を挟んだ向こう側に立っている真っ白な鹿に彼女はそっとクッキーを渡して食べさせた。彼女自身もクッキーを一口食んだ。その鹿は額に一周したアウトナイトの飾りをつけ、角にも同様ぶら下がっていた。

「これが最後の三男家族。城ヶ崎こくりにつきか。後は、使用人の犬養しょうまに卯月ゆきな、ね。」

『…本当にするのか?』

「うん。」

ぼんやりとそれだけ答え、資料から目を離さなかった。そして少し苦笑した。

「よくもまぁ産んだものね。…次世代に残すべき種じゃないくせに…」

『斯様な真似をすれば…其方は確実に極楽には行けぬのじゃ』

くしゃと彼女は資料を握りしめ、顔をあげじっと鹿を見つめた。常磐色の煌めくその瞳で。

「とうに行く気などない。…その覚悟よ。」

『吾輩は一旦あちらに行くぞ。また何かあれば来るじゃろう。』

「ありがとう。」

彼女がそっと微笑むのをみた後、踵を返しカツカツと音を鳴らしその者は去っていった。見届けた後、彼女は指を鳴らし一面をクローバーからヒナゲシへ変えた。

「…さて、始めましょうか。あやつを追い詰めるための懐石を」

                               (続)

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