3-2 北の通り
2人は、北の通りに向かった。
ここでは、特には変わった事は起こらなかった。
ただ、途中で霊夢に出会った。
「あ、霊夢」
「誰かと思えば…」
霊夢は何かが入ったかごを持っていた。
「何してるの?」
「見ての通り、買い物の帰りよ」
「買い物…?」
「今日の夕飯の材料を買いに行ってきただけ。
何か言いたいことでもあるの?」
「いえ、別に…そうだ、あなたには何か変わった事とか起きてない?」
「変わった事…ねえ。特には起きてないわね」
「ならいいんだけど」
「ん…」
「どうしたの?」
「どうも、虫に刺されたみたいなのよ」
霊夢はそう言って、首の左側を掻く。
「あー、体質だもんね。ま、大した事は起きてないみたいで何よりだわ」
「あんた達こそ、何してんの?」
「私達は…」
「うちらは、旦那を探してるだけ。でもあんたに会えてよかった。手伝って貰おうかしら」
「そんなのに巻き込まれるのはごめんよ」
「…ま、そうよね。いいわよ、さっさと行きなさい」
それから、しばらく通りを進んだ。
つい先ほど気づいたことだが、この通りには人が殆どいない。通行人はおろか、寝ている者や遊んでいる子どもなども全く見ていない。
廃墟ではないものの人が本当に全くいない街というのは、ゴーストタウンのようで寂しく、少々気味が悪い。
正直、あまり長居はしたくないというのが正直な所だ。
「…あおいさん、こういう所平気?」
「平気って、何が?」
「なんかこの通り、少し不気味じゃない?
人が全然いない街って、ちょっと気味が悪いわよ」
「そう?ゴーストタウンなんて、ノワールにもあるでしょ。それに凛さんも、今はそんな感じになってる所の出身じゃなかった?」
「まあ、それはそうだけど…それとこれは話が別よ」
ノワールの中央に位置するセントル大陸。その南西部の豊かな密林と草原に挟まれた大地には、かつてルノーブという国が存在した。そして、凛はその貴族の娘だった。
かの国は、凛が7才になった年に異国の侵略によって滅ぼされた。その中の家や城は一部崩壊しながらも未だに残っており、正しくゴーストタウンとなっている。
「無駄話はこれくらいにして…もうすぐ通り終わるわね」
あおいの言う通り、もう間もなく外に出てしまう。
「結局、ここでの収穫はほとんどナシか。まあ、仕方ないか」
凛がそう呟いた、その直後だった。
「あれ、霊夢さん…?」
前方の建物の影からいきなり現れた彼女は、何やらいろいろ入ったかごを持ち、首の左側を押さえながらふらふらと歩いてきた。
「…あ、あなた達…」
直後、倒れてしまった。
「どうしたの!?」
「虫に食われたとこが痛くて…あと、頭も痛いのよ…」
「痛い…?」
霊夢が押さえる所を改めて見ると、確かに虫刺されだった。
虫刺され…なのだが、刺された所を中心にして、周りの血管が異常な程濃く浮き出ていた。
しかも、その色は紫色。
「…!」
凛は思わず後退りした。
「なに…?どうしたの…?」
「れ、霊夢さん、それ…」
「…感染したみたいね。しかもその感じ、もう長くはない…」
あおいは、無機質に言った。
「ちょっ…感染って何よ!
長くないって…どういうこと!」
自分から離れていく凛とあおいを見て、霊夢は自身の状況を直感で理解したのか、喚き出した。
「…い、嫌よ!あいつらみたいになんて…なりたくない!
私は…私は…!」
「凛さん!」
あおいが叫ぶ。
「う…ぐ…っ…!」
2人の見ている前で、霊夢は首を押さえたまま変異していった。
頭が真っ二つに裂け、その中から骨状の硬い質感で、先端が丸みを帯びたものに覆われたものが現れる。
さらに左腕も変異し、丸太ほども太く、2mほどに長くなった。手は、グローブ状の大きな骨の塊と化した。
そして首から下は、左半身の肥大と変異によって服が破け、所々から小さく尖った骨のような物が飛び出し、左足は得体の知れない獣のような見た目になった。
「…!!」
凛が変異に驚いている間に、あおいの声が飛んでくる。
「…はっ!」
瞬時に前転して回避する。
凛が先ほどまで立っていた所に、霊夢だった化け物が拳をめり込ませていた。
あおい「更新、1日遅れちゃった。ごめんね」
凛「忘れてたの?」
あおい「ええ…すっかりね。そしてこれ、前に書いたものを思いっきりリメイクしたもので、添削してる箇所がかなりあるから、プロットを考えたり何なり結構忙しいのよね…」
凛「1週間も開けてるのに?」
あおい「他にも書いてる作品があるから、手が回らないのよ…言い訳がましいけど。
ま、まず今回はここまでね。また来週!」




