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スライム ばれる

とある豪邸での一室で、マントで顔が見えない人が、金色の刺繍で着飾っている貴族に跪いている


「なんだ、あの貴族、あのような土地でまだ生き残っているのか」


「はい、最近は資金ができたのか、屋敷周りが綺麗になっております」


「あのような土地で資産運用?どういうことだ、ほぼお金がなく貧相な暮らしをしていたのだろう」


「はい、わたくしも調べていますが、しっぽがつかめず」


「ふん...ならあそこにもっとモンスターでも放つとするか」


「あの地域ですと、ゴブリンやコボルト、ウルフなどの群れがいます、しかし教会の加護が」


「そうか、何らかの理由で 加護がなくなればいいんだ」


「・・・・しかし、教会の加護は兵士や使役獣がおり」


「なんとでもなるよ、あんな貧相な土地」


「...ではどのように」


「さぁて、どうしようかな」


窓からの逆光で男の顔がより悪魔的に見えた


_________________________________________


「メイド長、 村にお使いなどありませんか」


「お使いですか、村へのお使いなら確かにあります、ついてきますか?」


「是非是非、お願いします」


やった、村の人ならさすがにこの周りのことについていろいろ知っているはず


私は把握していなけどこの辺りの雑草を草スライムに食べさせて屋敷周りの見晴らしをよくさせた

スライムのほうが毒キノコの見分けがついているらしく適当に毒スライムも増やしていっている


もう数は把握していないけど、着実に数だけは増えているようだ


実は土を吸収させるのと岩を吸収させることを学習させている


防御と戦闘能力を培うためにモンスターが通る道に落とし穴を作るように命令した


仕事をスライムにさせて、残りのスライムにできない針仕事を終えてぼっちゃまの部屋の扉をたたいた


「失礼します」


「いいぞ、はいれ」


ゆっくり音をたてないように静かに入ると分厚い本を読んでいる少年がいた


「ぼっちゃまご用は何でしょうか」


「ここに、植物図鑑がある、これと果物を用意しています、その前に僕の質問に答えてもらってもいいかな」


「えっ、あっはい」


なんだろう、この嫌な感じは、質問といえばあれしかない


「なぜ君は門の外に生えているキノコをあれだけとってこれたのですか」


「あ・・ああっあの、首にしないとやくそくしていただけますか」


「君の返答次第だと思います」


わたしは素直にスカートの中からスライムを数匹だした


「わたしが生死をさまよっている間に天から能力を授かりまして・・・そのスライムはモンスターなので黙っておりました」


「...スライム、ほぼ水で出来ていて戦闘能力が0ではねるだけの生物のはずですが・・・こんなに使い道があったとは・・・すばらしい」


「はい、坊ちゃまの言う通り仕事を手伝ってもらっています」


「…私の家はあなたが見ての通り人を雇う余裕がないほど落ちぶれています」


「え、あ。。あの」


これに返事するのは立場として厳しい


「あなたの力はとても魅力的です、でもこれが教会の耳に入ると少し厄介です」


「そ・・・それはクビということですか」


「いえ、ばれなければいいのです、私も生活していて見たことがないのですから、スライムほど臆病な生き物はいないですし」


隠れることを絶対として命令していたのだ 見つからないようにはしているけど


「私の屋敷で正式に召喚士として登録書を出せばいいのですけど」


「召喚士としてですか」


「はい、ただ...僕にはそこまで屋敷での権限がないんです」


すごい博識な子だ、なぜここまで賢いのだろう


「忙しいお父様にこのことを相談する機会の確保は難しいでしょう」


ぼっちゃまがいうには、ここら辺の土地は貧しく、作物も育ちにくいうえに低級モンスターが蔓延っていて村の人も日々生きるので精いっぱいらしい


ご主人は村の人々を守りつつ政治をしている上に 王都に出張までしているのでなかなか時間が取れないそうだ


「今父上は王都に仕事しに行っているのでまずは帰ってくるまでスライムの仕事を減らしてもらいましょう」


「減らすのですか」


「今の状態を見れば僕のように疑う人が出てくるはずです」


「うっ」


ただ綺麗になればみんな幸せになると思っていた私が恥ずかしい


「屋敷内だけにしていただきあなたには村のほうの手伝いをしてもらおうと思います」


「村のほうで、ですか」


「ええ、このまま村の人たちを栄養失調で倒れさすわけにはいかないのです、駆除の補助していただけませんか」


「補助ですか」


「スライムで出来ることをぼくも知りたいです」


わたしはこれまでスライムを使ってやってきたことを伝えた


わたしは新しい扉を開けたような気分でこれから迫る出来事を知らないでいた




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