逃げる
「梨咲〜♡ あれ?梨咲は〜?」
ネファが梨咲のクラスに顔を出す。
「あれ?さっきまでいたんですけどね?」
ネファに呼び留められた生徒がクラスを見渡す。
その頃梨咲は、咄嗟にクラスの窓から飛び降りて、身を隠していた。
『英梨咲さん、大至急生徒会室に…』
ディランからの呼出も保健室に逃げ込み、結界を張って無視をする。
授業での移動中…
「やっと見つけた〜!!!♡♡♡」
ネファは梨咲を見つけると抱きつこうとしてくる。
梨咲は即座にネファの嫌いな蛇に姿を変え、逃げた。
「梨咲〜!!!!!」
クラスに突然ディランが現れる。
梨咲はすぐさま風の魔法を発動し、ディランを校外まで飛ばした。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
気が休まらない…
「大丈夫ですか?」
ルイスが心配する。
「疲れた…。」
「ですよねぇ? 俺が守りますから。梨咲さんは少し休んで下さい。」
そうして梨咲はルイスに甘える事にした。
「梨咲!さっきはよくも飛ばしてくれたな…!」
ディランがまたまたクラスに乱入してくる。
ズカズカと教室に入ろうとするディランを結界が弾いた。
「申し訳ありませんがディラン先輩…。梨咲さんは疲れているのでお引取り下さい。」
ルイスが挨拶すると、ディランはルイスを睨んだ。
「ルイス!!それならまずはお前から片付けてやる!出てこい!」
「嫌ですよ〜。野蛮な関わりはしたくありません。お引取り下さい。」
ルイスはそれだけ伝えるとスタスタと机に戻った。
なおも教室の扉で粘るディランにルイスはいい加減、鬱陶しさを覚える。
「手荒な真似はしたくありませんが、お引取り頂けないのであれば…」
ルイスは風の魔法を使い、梨咲より遠く、レスカーデンの外までディランを吹き飛ばした。
「ルイスぅ〜?梨咲は?♡」
今度はネファがルイスに声をかけてくる。
「梨咲さんはお疲れです。」
「まぁ!大丈夫なの?!私が看病を…!」
「いえいえ。私がさせて頂いているので、間に合っていますよ。」
「え〜?羨ましい♡代わって?♡」
「嫌です!」
「ケチ…」そう言いながらネファがルイスを操ろうと眼を見てくる。
「残念ながら、かかりませんよ。梨咲さんのお陰です。」
「あらぁ。それは残念…。梨咲は本当にルイスが好きなのね♡微笑ましいわ♡…壊したいくらい♡」
ルイスに触れようと手を伸ばすがネファはその手を弾かれた。
「…っ?!」手を押さえて痛みを抑える。
「おやおや。コレはすみません。私の妹は浄化(JOKER)のマリーでして…。邪気は弾く様に守ってくれているのです。ネファ先輩は今、何か良からぬ事をお考えになった様ですね?」
ネファはルイスを忌々しそうに睨む。
「まぁいいわ。今日の所は、ね!」
ネファはとりあえず引き下がっていった。
そんな事を繰り返したある休日
寮の自室にいた梨咲の机に羽根が突き刺さる。
羽根はやがて炎に包まれ形を変え、机の上に文字を刻んだ。
『梨咲 今すぐ出てこい。1人で。
さもなくばお前の周りがどうなっても知らぬぞ。
ディラン・アンドレア・カルサス』
「…っ!」梨咲はゾッとした。
惨状は レイドリュー先輩の時だけでもう沢山…!
でも…1人でなんて危険過ぎる。
「ルイス…」
震える手で婚約指輪に触れる。
ルイスに手紙を送り、意を決して梨咲は寮の外に出る。と、ディランが待ち構えていた。
「くくっ。やっと出てきたね、梨咲。2人きりで話をしようじゃないか。ついておいで。」
そういうとディランは背中を向けて歩き出した。
梨咲は重苦しい気持ちでディランの後ろを歩いた。




