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愛の所在

卒業式後はすぐにルイスと共に移動した。


移動専用の魔法陣を使うと、ルイスの実家に直接移動出来た。


「暫くは俺の実家での暮らしになりますが…早く2人だけの新居も探しましょうね!」


ルイスに言われるが、何を言われているのか梨咲にはよくわからなかった。


応接間らしい部屋に移動してきた梨咲は早速不安気に辺りを見回す。

何となくルイスの長袖をつまんで寄り添う。


か…可愛い!! ルイスは悶絶した。


右も左も分からない梨咲さん♡ 

めちゃくちゃ可愛い!!!

ああ… 俺が 全部 教えてあげる…


不安気な梨咲を抱き寄せてキスする


つもりが、


「お兄様、お姉様!おかえりなさい!」

マリーが興奮そのままに扉を開けて応接間に入ってくると、梨咲に飛びついてきた。


「マリー!」

梨咲もマリーの笑顔に安心して再会を喜ぶ熱い抱擁を交わした。


「お姉様!屋敷の中を案内しますわ! 

お兄様、お姉様をお借りしますわね♪」


そうして梨咲を連れて行かれたルイスは、早く新居を探そう…と心に誓った。



ルイスの実家は寮みたいに大きかった。

部屋がいくつもあって、慣れるまでは迷いそうだ。 


「中庭が、庭師さんがいつもお手入れしてくださるのでとても美しいんです♡お姉様も気に入って下さると思います♡」


そうして外に出ると、色々なお花が咲く、素敵なお庭だった。

「素敵…!」


ふと、テラス席に人影があることに気がついた。


「お姉様、お母様です。」

マリーに紹介されると、梨咲は一気に緊張してカチコチになった。

「ふふっ。大丈夫ですわ…。」

マリーに手を引かれてテラス席に近づく。


気配に気がついたルイスの母はお茶を飲む手を止め、振り返る。


「あら!やっと会えたわね。梨咲ちゃん♡ はじめまして♡」


その顔はルイスにそっくりの美しい女性だった。

肩までおろしたきれいなブロンドヘアー。

青い瞳。

笑い方がルイスにそっくりで、緊張していたのに安心してしまった。


「は… はじめまして~///」

照れながらお辞儀をする。


「あの…色々とお世話に…」

梨咲はディランの記憶の消去や水魔法の認定を認めてくれたお礼を伝えようとしたのだが、


「… 確かに、梨愛ちゃんそっくりね…!」

ルイスの母の言葉に梨咲は驚いて顔を上げた。


「あぁ!ごめんなさい。そうは言っても私は少ししか知らないんだけど…。」

そう言いながらルイスの母は梨咲に反対側の席をすすめ、従者の者にお茶をお願いした。


マリーはお辞儀をして下がっていったのでルイスの母と梨咲、2人だけになった。


「私はえっと…今のあがた長官の奥さんにあたる人と知り合いなの。貴女のお母さんの後妻になる人よ。」

「えっと、確か…愛美あみ様…。」

美花の母にあたる人だ。


「会った事はないでしょう?話もあまり聞かない筈よ。凛からも伝えていない筈。愛美が望まなかったからね。」

梨咲は頷いた。

「嫌われているのだと思っていますが…」


ルイスの母は静かに笑った。

「その真逆よ。貴女の幸せを切に願っているわ。

愛美は梨愛ちゃん(梨咲の母)から見ると従姉妹のお姉ちゃんになるわ。梨愛ちゃんをとても可愛いがっていたのよ。」


「え…?」

従姉妹同士…? 可愛がっていた?

初めて聞く話に梨咲は戸惑った。


「梨愛ちゃんが命を断つ様な事になって、それはそれは心を痛めていたわ。凛を猫の姿にしたのは愛美なの。自暴自棄になる凛を守る為にしたのよ。凛には責任を課す様な言い方をしてね。どうにか彼を生かしてあげたかったからよ。」


次から次に出てくる新情報に、梨咲は頭が追いつかない。


「…お父様は元々愛美様を愛していたのでしょう?」

いつだったか 凛がふとぼやいた事がある。

梨咲は今までの情報と新情報を擦り合わせる事に必死になった。


「まぁね。でも魔力の正統順で言ったら貴女のお母様の方がお父様に相応しかったわ。政略結婚だけど、3人は昔からの顔馴染みだったから、それぞれに立場を理解して、それぞれに良好な関係だったわ。ハタから見る分にはね。梨愛ちゃんがあんなに思い詰めているなんて誰も気が付かなかったのよ。」


それから溜息をついてルイスの母は声を掛けた。

「そんな所で盗み聞きしてないで、貴方もいらっしゃい。」


テラス席にルイスを呼び寄せた。


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