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久しぶり

凛と梨咲は暫く抱き合ってから、どちらからともなく体を離した。


「ふふっ!凛が人間だなんて、何か不思議…!」 

「そうですね。私自身も未だに不思議なんです。」

梨咲の言葉に凛も両手を見比べてから梨咲に笑いかける。


「凛が元気そうで良かったよ。」

「はい。ロートン家の皆様のお陰です。良い嫁ぎ先で良かったですね、梨咲様!」 

「…私も…ルイスのお陰で何とかここまで来れたよ。

いつも、どんな時も隣に居てくれたから…。」

「お2人の絆はあの時よりも強くなった気がします。私もルイス様だったらちゃんと梨咲様を支えて下さると信じていました。」


凛の言葉に梨咲は苦笑する。

「ルイスの…凛への嫉妬が凄くて…大変だった!」


それから梨咲はルイスの数々の嫉妬を思い出して、笑い出す。


「え…?私に嫉妬ですか?ルイス様が?」

凛が驚いた声をあげる。


「私がいつまでも凛を恋しがるモノだから…」


涙目になって笑う梨咲を見て、凛は嫉妬の程度を推察した。

「それはそれは… ルイス様は心が穏やかではなかったんですね…。」

凛も苦笑する。

「仕方ないですよね。一緒に過ごした時間はルイス様より長かったんですから!私も梨咲様を散々心配していましたよ。恋しがって当然です。」

凛と梨咲は笑いあった。


「…もしかして今も、嫉妬してるんじゃないの?」

梨咲はそう言いながらルイスのベッドに近づくと、勢い良く掛け布団を剥がした。


ルイスは顔を赤くして、何とも言えない顔をする。


「だいぶ前から起きてたでしょ?」


「起きてたけど…あんなに話込まれてたら出る幕ないでしょ…」

梨咲に発見されてルイスは縮こまる。


「ルイス様には改めて感謝を申し上げないとなりません。よくディランやネファから梨咲様を守って下さいました。とても心配しましたが、信じて良かった!」


ルイスは散々嫉妬した恋敵に感謝をされて、複雑な気分になった。


「で~す~が! 門限破りましたね?! 明日からまたみっちり扱きますよ?!」

凛は一変してルイスに怒った。


「そりゃあ、凛…。わかってよ…。こんなに可愛い梨咲さんを前にして帰れないじゃん…!」


ベッド際に立っていた梨咲の手を引いてベッドに座らせると、ルイスは後ろから梨咲に抱きついた。


「凛が来てから全っ然、梨咲さんに触れなかったんだよ?久しぶりなんだよ?梨咲さんだって、嬉しかったよねぇ?さっき久しぶりだね、って話してたもんね!」


そう言いながらルイスは凛に見せつける様にチュッチュと梨咲にキスをする。


「ちょっと!ルイス…止めてよ! 」

梨咲は慌てた。


「久しぶりの抱擁は嬉しいよね。でも凛…可愛い妹を泣かせたら殺すよ?」


藻掻く梨咲を抱きしめてルイスが不気味に口角をあげて凛に笑いかけた。


凛は背筋が凍る。


絶対に さっき抱き合ってたの、見られてたー!!!!!!

凛はダラダラと冷や汗をかいた。


「さて、じゃあ、私は帰るわね!」

梨咲はルイスのしつこさに嫌気がさして、ルイスの顔をベッドに押しつけながら凛に言った。


「ルイスの教育係、大変だろうけど…頑張ってね!」


「梨咲様こそ、あまり無理をされずに…。今回みたいに困った事があったらすぐに言って下さいね?」


「ふふっ。ありがとう!頼りにしてるよ!勿論ルイスもだよ。」


梨咲はルイスのおでこにそっとキスをする。

ルイスは耳を真っ赤にして、ベッドにうつ伏せたまま静かになった。


「最近、操作方を覚えたんだよね…♪」

梨咲は小声で凛に話してから、魔法陣の光と共に部屋から消えた。




翌日、アメリ事、美花は姿を見せなかった。

担任の先生からは、急遽国に帰ることになったとみんなに説明があった。


梨咲は少しだけ寂しい気持ちになった。


折角、たった1人の妹だったのに…。

変な出会い方に、変な別れ方…。

美花はもう、私の事を嫌いになっただろうな…。


カフェテリアで店長の淹れてくれたカフェ・オレを見つめながら溜息をついた。


「…きっとどこかで捻れは取れますよ。」


顔を上げると、ルイスが向かい側の席に座り、微笑んだ。


「よく考えている事がわかったわね…。」

「梨咲さんの事なら何だってわかります♪」

「…ちょっと、気持ち悪い…。」

「え、酷い…!」


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