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仲直り

泣き腫らした目でルイスを見上げると、ルイスはまるで梨咲の全てをわかっているみたいな顔をして優しく頭を撫でてくる。


梨咲は全てに疲れた。怒る事も、悲しむ事も、悔しがる事も。だって…ルイスは全部、わかってる…。


ルイスが宥める様にそっとキスをしてくるから…

梨咲はただそのキスを受け入れる。

涙は枯渇してもう出ない。


もう…誰ともキスしないで…。

わかったでしょう? かなり…参ってるよ?


反応の無い梨咲を見て、ルイスは少しだけ反省する。

また…やり過ぎちゃったかな☆


梨咲を抱きあげると、ルイスは美花と父に頭を下げて部屋を後にする。

凛も幻影魔法を解き、後に続いた。


暫く歩いてからルイスが凛にお願いする。

「ちょっとだけ…2人にさせて?」

凛は迷う。極力2人にしない事が自分の役目… 


「絶対に悲しませる様な事はしないから。」

久しぶりに真剣な表情をルイスが見せたので、凛も考える。 

「…1時間…で戻って来て下さいね?」

「わかった。」

凛はそのまま男子寮へ戻り、ルイスは梨咲の部屋に移動する。


ベッドにそっと梨咲を降ろすと、梨咲は崩れる様にベッドに寝転んだ。

ルイスもベッドに寝転んできて、梨咲を抱きしめた。


「心配かけてごめんなさい…。」

ルイスは急にしおらしく謝ってくる。

「…私が怒っているのはソコじゃない…。」

「ごめんなさい…。」

「…予想通りで満足?」

「予想以上に傷つけて反省してます。」


梨咲はルイスの背中に腕を回して擦りついた。


この温もりを失う事が何よりの恐怖…。

以前の私には戻れない…。


相手が美花(妹)で、父親が絡んでいたから…

よいよ婚約者の交代を狙って、ルイスと離されるのかと思うと怖かった。


ルイスは梨咲が抱きついて来た事に安堵した。

このままよいよ嫌われてしまうかな?と今までの意地悪を後悔し始めていたから。


「キス…していい?」 

眉毛を下げて梨咲の顔を覗き込む。

「…何を今更…。」

ルイスは梨咲の両頬を両手で包んでそっとキスをする。

梨咲はルイスの手と唇の温もりを目を瞑って感じる。

「あんまり意地悪だと嫌いになるよ…?」

梨咲はルイスの前髪をそっと払って青い瞳に忠告する。

「うん。ごめんなさい。」

ルイスはしゅんとして反省した。

「…それとも妹の方が良かった?」

梨咲の問いにルイスは顔を横に振る。

「梨咲さんじゃないとダメなの、梨咲さんが1番知ってるでしょ…?俺を離さないで…。」

ルイスの手が、ぎゅっと梨咲にしがみついてくる。


意地の悪さを出さずに…こうやって普通にしていればかわいいのに…。

梨咲はルイスの背中を擦る。 


「何か…こういう風に抱き合うの、久しぶり…。」

梨咲はふふっと笑った。

2年生になって、凛が来てから全然触れ合う時間が無かった。


ルイスは梨咲が笑った事に心底安心する。

「何か…眠くなってきちゃった…。」

梨咲の温もりを抱きまくらに大きなあくびをしてルイスが言った。

「え?ダメだよ!凛に怒られちゃうよ!」

そう言っている間にルイスは眠りについてしまった。


ええ〜?

梨咲は困りながらルイスの顔を見る。

もぅ…!どこまでも振り回してくるなぁ…。


すやすやと眠るルイスを見る。

会った時より大きくなって…背も抜かされちゃったけど…。

寝顔は変わらないんだね…。

ルイスの髪を撫でながら古の5番勝負を思い出す。

1回戦の後、ルイス、疲れて爆睡しちゃったんだよね…。それから、色々な事が有ったね。

「あんまり困らせると、ネファ先輩に言っちゃうぞ!」

ルイスのおでこにそっとキスをして、梨咲はベッドから降りた。


梨咲は部屋の床に魔法陣を描いて、それから浮遊術でルイスを浮かせる。

魔法陣を発動させ、強い光が放たれると共に、梨咲とルイスは部屋から姿を消した。

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