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「…っ!」

忽然と消えたルイスと美花。


目の前でキスされて…

胸がヒリつく。


梨咲は拳をぎゅっと握りしめて肩を震わせた。


「…梨咲様…!」

凛が梨咲を気遣う。


アメリは母違いの妹、美花だった。

梨咲様より2つ年下。

このレスカーデンに生徒として潜り込んできたという事は、梨咲様の父親も関与している…。

目的は何だ…?


凛が考えていると、梨咲は自分の頬を叩いて立ち上がった。

「凛!行くよ…。今から次の作戦に移るから聞いてくれ…!」


凛は梨咲の切り替えの早さに驚いていた。




ルイスは体を拘束されたまま、美花の寮の部屋にいた。

備付けのベッドと机がある以外、段ボールが散らかっているだけだった。

カラーコンタクトを外すと、美花は梨咲と同じ黒い瞳を見せた。ルイスの前に正座になって座り、深々ときれいなお辞儀をする。

「ルイス様!申し訳ありません。この様な御無礼をお許し下さい!」

「どういう事か、説明して下さい。美花様。事によっては法の裁きも辞さないですよ?」

ルイスは無表情で相当怒っていた。


「…ルイス様は姉が好きですか?」

「無論です。愛してやまないです。」

「私は少しも入り込める隙きはないのでしょうか?」

無表情なルイスの瞳に訴えかける様に美花はルイスにそっとキスをする。


ルイスは美花を押し倒すと無表情のまま見下ろす。


「…!」

美花はいつの間にか体の拘束を解いていたルイスに驚いた。


「術解の羽根… 使わせて貰いましたよ?」

美花が隠し持っていた術解の羽根を、ルイスは飛びつかれた時に抜いていた。


ルイスは美花の首に手をかける。

「貴女の目的は…私ですか? だとしたらとっとと国へお帰り下さい。梨咲さんとの間を裂こうとする者は誰であろうと許しません…!」


美花は瞳に涙を浮かべた。


「そこまでかな?美花?」


突然聞こえた声に顔をあげると、梨咲(美花)の父がいつの間にか立っていた。


長い刀をスラリとルイスの首に宛がう。

「可愛い娘を殺されては困るからね♡」


「…脅しに決まってるじゃないですか。全然手に力を込めてないですよ?」

ルイスが手をぶらんぶらんとさせて梨咲の父を見た。


「ふふっ。だいぶルイス君の目が本気だったからね。」

そう言うと父も刀を仕舞った。


「悪いねぇ。美花がどうしても諦めたくないと言うのでねぇ。姉妹喧嘩に巻き込んでしまったね…。」


そう言いつつ、梨咲の父は全然悪びれた様子がない。


「相変わらずあがた様は酷いお人ですねぇ!娘同士をけしかけるだなんて!どちらにしろ、どちらかの可愛い娘さんは悲しむんですよ?」


「最近梨咲は言うことを聞かないからね!ちょっとお仕置きだよ!」


「きっと泣いてますよ?今頃…。可哀想!早く行って慰めてあげなくちゃ♡」


ルイスは自分を想い、肩を震わせて泣く梨咲を想像して、一刻も早く抱きしめてあげたい気持ちになった。


ルイスは床に座り込む美花に、しゃがみ込んで話し出す。


「怖い思いをさせてすみませんでした。貴女には私なんかより、もっと素敵な殿方がいらっしゃると思いますよ?」


ルイスの言葉に美花は溜息をついた。


「はぁ…。何1つ勝てなかった…。勉強も、魔法も…、婚約者も…!会った事のない姉をずっとライバル視して頑張って来たのに!」


「?」会った事のない姉をライバル視?


意味がわからずにルイスが梨咲の父を見上げると、

「美花は負けず嫌いだからね♡お姉ちゃんと比較したら伸びると思って♪」とウインクしてきた。


「…本当に酷いですね。会わせた事、無いのに?」


「何でも作戦勝ちだよ!」

そう言うと父は高らかに笑った。


それからルイスは思い立つ。

「ああ♪美花さん! 1つは梨咲さんより上手ですよ?キスは…美花さんの方が上手です♡ゾクッと来ました♡」


ルイスが美花の唇に指を当てると美花はボンッと顔を真っ赤にした。


「うわぁ〜♡姉妹ですね〜♪反応が一緒! ♪」 

ルイスは喜んだ。


それから、早く梨咲を抱きしめてキスしたくなった。


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