新学年
「かつての恋敵を教育係として監視する。全く摩訶不思議な巡り合わせですね。ルイス様!」
「ああ。命まで狙われる程憎まれていた相手が可愛い妹の婚約者だなんて!実に奇妙な巡り合わせだな。凛!」
「だから、婚約してないんですよねぇ…(怒)」
そうして2人は不敵に笑い合う。
梨咲はその様をハラハラした気持ちで見守っていた。
「今日からルイス様の部屋に住み込みです!」
「げっ!本気で?!」
ルイスは心底嫌がった。
「学園長の許可は降りています。先程部屋を2人部屋に移動させて貰いました。」
「何勝手な事してんだよ~!!!」
凛の横暴にルイスは吠えた。
「ロートン局長の指示を無視するからです。ご自分が悪いんですから、仕方ありませんね…。
これから宜しくお願いしますね…。」
ルイスはしくしくと悲しみ、梨咲はルイスを哀れんだ。
新学期 高校2年生
梨咲とルイスはクラスが分かれた。
梨咲のクラスには転入生が入ってきた。
ミルキーゴールドのロングヘアーにばっちりメイク。まつ毛がしっかり上がったお人形みたいな女生徒だ。
彼女はその、目立つ見た目とは違い、内向的な静かな女の子だった。
彼女は頭が良くて、魔力の習得もすごく早かったので、梨咲は一目置く存在として、彼女を注視していた。
ある日から、梨咲は彼女、アメリからの視線が気になった。
… ずっと見られてる…。
振り返ると目線を反らされるし、話かけようと近づくと逃げられる。
のに、 ずっと見られてる…。
ええっ…。 何、あの子…。
どういうつもりで私を見てるの?
梨咲は段々アメリの存在が不気味に思えてきた。
それ以外は、クラスの子とも普通に話すし、少し優秀な、至って普通のオシャレ女子…。
新手のストーカー?
梨咲は段々と食欲まで無くなってきた。
カフェの店長は具合の悪そうな梨咲を発見して声をかける。
「梨咲ちゃん?どうした?彼氏と喧嘩でもした?」
ニヤニヤと話してくるが、梨咲は顔色悪く答える気力もない。
「あれ?本気でキツそうだね…!休憩室貸してあげるから寝ていきな?」
そうして、カフェテリアの奥の休憩室に寝かせて貰う。
こんな事、初めてなんだけど…。
精神的に追い込んで私を潰す気なのかな?あの子…
クラスが別れてから、梨咲はルイスと話す時間もなかなか取れない。
凛の扱きに四苦八苦してるし、余計な心配はかけたくないと黙っていた。
これはよいよ…潰れる前に相談するかな…?
そう思いながら梨咲は眠りについた。
眠りから覚めると、梨咲はぼんやりと辺りを見渡す。
あれ…?ここ、どこだっけ?
「気がつきました?」
ルイスが心配そうに梨咲を覗きこんでくる。
その横には凛まで居た。
「店長さんから連絡貰って…迎えに来ましたよ?」
「梨咲様が具合が悪いなんて珍しいですね!いつも直前まで元気で、急に倒れますからね。」
凛も声をかけてくる。
『どうしたんですか?』
2人して同時に訳を聞いてくる。
本来なら笑える場面なんだけどな…(笑)
梨咲は溜息をついた。
それから訳を話し出す。
「アメリにずっと見られてて…。」
「アメリ?ああ、梨咲さんのクラスの転入生ですね?」
ルイスが確認してくるので頷く。
「話そうと思うと逃げられて、理由がわからないんだけど、ずっと見られてる…。アメリも寮だから、食堂とかお風呂とか見かける事もまああるんだけど…、目線を合わせようとするとすぐに居なくなる。」
『何ですか、それ。気持ち悪いですね…』
またも2人して同時に話すので、梨咲はよいよおかしくなって、ふふっと笑った。
「2人のシンクロ率凄いね!同居だからかな?」
『気持ち悪い事を言わないで下さい!』
2人共同時にうんざりした顔をした。
「私が近づいてみましょうか?身辺を探ってみます。」
凛が探偵を買って出てくれた。
「ありがとう。ルイスの教育係なのに悪いわね。」
「困っている梨咲様を放っては置けませんので…。」
「じゃあ、俺は梨咲さんの護衛ね♡」
ルイスが嬉しそうに話すが、
「いいえ。やっぱりルイス様に調べて頂きましょう!私が梨咲様の護衛をします!」
凛が交代を告げた。
「えぇ〰」
「えぇ〰じゃ、ありません!2人きりにしないようにするのが私の本来の務めなんですから!ルイス様もしっかりと梨咲様の為に働いて下さいよ?!」
こうしてアメリへの調査がスタートした。




